[イベント]2011.7.18

ビールの価格とは?

先日、ケルトビールの試飲会に参加した。英国ウェールズのクラフトビールである。

ケルトビールは、この春のフーデックスでも飲んだことがあり、非常に美味しいビールだと感じた。その時にオーナーブルワーのトム・ニューマン氏が「日本での輸入代理店を探している」と言っていたので「決まると良いなぁ」と思っていたところだった。
幸いなことに「株式会社ジュート」が日本での総代理店に決まり、晴れて日本でもこの素晴らしいビールが飲めることになった。大変、喜ばしいことである。

さて、その試飲会の場で感じたことがある。
それは、「ビールの価格とは?」ということだ。

ケルトビールの、ゴールデンエール、ブロンズエール、ブレディン1075の3銘柄は500mlボトルの希望小売価格が980円(税込み)である。
他にCwrwクォリティーラガーという銘柄があり、これは330mlが488円(税込み)である。

これに対して、「高い」と感じる出席者もいたようだ。

ならば、いくらなら妥当なのか?

はたして
「500ml、980円」のビールは高いのか?
「330ml、488円」のビールは高いのか?

ビールはいくらなら高くて、いくらなら安いのか?

先日、知人があるレストランで驚くべきワインを見つけたと言っていた。
「ワインリストを見たら750mlのボトル1本で400万ってワインが載ってた。『誰が買うんだよ?』って思ったけど、リストに載ってるってことは、買う人がいるってことだよね…」

もちろんこれは飛び抜けた例だろう。

しかし、
「ワインは1本いくらですか?」
「ウィスキーは1本いくらですか?」
「日本酒は1本いくらですか?」
「焼酎は1本いくらですか?」
という質問の答えはあるのだろうか?

答えは無いだろう。あるとすれば
「ものによる」ということだ。

ケルトビールは厳選したオーガニックの原料を使い、丁寧に造られている。
透明ボトルに入っているCwrwクォリティーラガーは紫外線に当たっても変質しないホップを使っている。
さらに輸入に際してはリーファー(定温)コンテナーで運ばれる。
決して、意味なく他のビールより高い価格設定になっているわけではない。

ケルトビールは「500ml、980円」「330ml、488円」に値するビールだと私は感じた。

多くの消費者は
「ジョッキは1杯***円、1パイントは○○○円」
と決め込んではいないか?
価格表を見ただけで「高い」と感じるのは無責任な消費者でしかない。
そして、その無責任な行為は生産者、卸売業者、代理店、運送業者、酒販店・飲食店に無理を強いることになり、粗悪な原料や劣悪な運搬環境や品質管理を怠った販売方法に繋がるだけである。
そのしっぺ返しをくらうのは消費者自身である。
消費者は自らの手で自らの首を絞めているだけだ。

「安いことが評価のポイント」ではなく、
「旨いことが評価のポイント」でビールを選ぶ。
それが、ビールを愛する健全な消費者の務めであろう。

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001藤原 ヒロユキ

この記事を書いたひと

藤原 ヒロユキ

ビール評論家・イラストレーター

ビアジャーナリスト・ビール評論家・イラストレーター

1958年、大阪生まれ。大阪教育大学卒業後、中学教員を経てフリーのイラストレーターに。ビールを中心とした食文化に造詣が深く、日本ビアジャーナリスト協会代表として各種メディアで活躍中。ビールに関する各種資格を取得、国際ビアジャッジとしてワールドビアカップ、グレートアメリカンビアフェスティバル、チェコ・ターボルビアフェスなどの審査員も務める。日本外国特派員協会会員。ビアジャーナリストアカデミー学長。著書「知識ゼロからのビール入門」(幻冬舎刊)は台湾でも翻訳・出版されたベストセラー。近著「BEER HAND BOOK」(ステレオサウンド刊)、「ビールはゆっくり飲みなさい」(日経出版社)が大好評発売中。

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