[コラム]2016.5.7

《Go!Go!飲み鉄》第2回 西武鉄道「52席の至福」のゴクラク列車ビア旅

【ボックス席なら許されるんじゃないか】サケコこと宮原佐研子(みやはらさとこ)です♪

5月3日(火)放送のTBSテレビ「マツコの知らない世界」で、鉄道カメラマンの櫻井寛さんが、忙しくて遠出ができないマツコさんに車窓の映像と一緒に全国の豪華列車を紹介していましたね。あちこちで続々登場し、今、話題の観光列車。私、サケコも、プチ贅沢を楽しめる観光列車のひとつ、2016年4月17日(日)に運行スタートしたばかりの「西武 旅のレストラン 52席の至福」で、至福のゴクラク列車ビア旅を堪能して参りました。
52席の至福

[CONTENTS]************************

□ ゴールデンウィークの喧噪をすっかり忘れる52席だけの旅のはじまり
□ おまちかねのビール!地元食材をつかったブランチはこちら
□ スイーツとマスターズドリームのペアリングにびっくり!
□ 今回のお気に入り♪
[おまけのもう一杯♪]沿線のビール情報
□ 西武鉄道『52席の至福』 乗車情報
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デザインは、2020年の東京オリンピック開会式の会場となる新国立競技場のデザインが決定した隈研吾氏。4000系の車両に、1両ずつ春夏秋冬の季節をそれぞれに描いたペインティングをまとい、土・日だけ運行する首都圏初のレストラン列車です。今回乗車したのは池袋ー西武秩父の《ブランチコース》。池袋駅を10:54に出発し、西武秩父駅に13:57に到着という約3時間の行程です。西武池袋駅7番ホームに列車が入線。各号車の入り口で係の方がお出迎えしてくれます。
52席の至福
4両の列車のうち、座席のあるのは2号車と4号車の2両のみ。それぞれ1両につき26席の座席となり、合計52席だけ。改装前の通常ではその約10倍の座席数になるということで、この贅沢さが数字で実感できます。

今回の座席は4号車。無垢の杉、西川材の木格子が天井に施され、深呼吸したくなるような清々しい車内は4名テーブルが4つと2名テーブルが5つ。スタッフの方が各テーブルで乗車のご挨拶と簡単な説明をしてまわります。
52席の至福
ちなみに、2号車の内装はこんな感じ(下)。鍾乳洞や洞窟をモチーフとした天井にワインレッドや濃茶のテーブルなど、落ち着いたしつらえです。
52席の至福
そして間の3号車がキッチン車両となっていて、シェフのみなさんが食事の準備をすすめます。
52席の至福

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おまちかねのビール!地元食材をつかったブランチはこちら

このブランチコースの料金は1名10,000円。料金には西武鉄道1日乗車券、ブランチコース、ソフトドリンク(飲み放題)、ことりっぷ秩父の小冊子などが含まれます。アルコール類は有料で、ビールは『ザ・プレミアムモルツ マスターズドリーム』(500円)のみ。その他、日本酒、ワイン、ウイスキー、サワーが用意されていて、秩父で栽培されたマスカット・ベリーA種を使った埼玉県初の地元100%のワイン『秩父ルージュ マスカットベリーA キュヴェ釜の上』や同じく秩父で采配の甲斐ブラン種を使った『秩父ブラン 甲斐ブラン シュールリー』、秩父錦や武甲正宗など、地元のお酒など。(7月以降の予定は文末をご覧ください)
52席の至福
早速ビールをオーダー♪
52席の至福
きめ細やかな泡、そしてダイヤモンド麦芽の甘味とホップの苦味が上質に絡み合うこのビールは、前回の関東鉄道の列車ビールとは楽しみかたのベクトルが全く違う〝 大人でよかったぁ〜♪ 〟としみじみ思うおいしさ。至福の時をさらに盛り上げてくれます。
コースメニューを眺めれば、つきぢ田村の田村シェフをはじめ有名シェフ監修のお料理が並び、期待に胸が膨らみます。車窓を眺めつつ、ビールをゆっくり味わっていると、いよいよ料理が運ばれてきました。

▼鶏団子 蛤のスープ 青海苔の香り
素材のうまみたっぷり。食欲が刺激されるおいしさです。
52席の至福

▼至福の12種類の前菜
中でもおもしろかったのは、さくらんぼに見立てたサーモンチーズボール。パクリといただくと、ほんのりとした甘味とチーズの酸味で、まるで本物のさくらんぼを思わせる仕上がりです。
52席の至福

▼武州和牛のポ・ト・フ 〜サプライズ仕立て
テーブルで包みを開封、同時に立ち上る豊かな香りがたまらない。口に含めばホロホロと柔らかい和牛が絶品。
52席の至福
52席の至福
12種類の前菜それぞれの素材とのペアリングも楽しめたけれど、何より、メインのポトフの武州和牛とマスターズドリームとの相性は抜群!ビールのモルトの深みや香りと肉汁も旨味もたっぷりの肉の味わいが実に良く絡まります。

メインまでゆったりと楽しんだそのあとは、デザートビュッフェがスタート。キッチン車両に用意されたデザートからそれぞれが好みのスイーツを選び、好きなだけ自分の席に持っていけます。
52席の至福
ちなみにこのタイミングでアルコール類はラストオーダーに。でも、この時点で時間は12:30ぐらい。途中停車する芦ケ久保駅到着の13:14迄まだ45分ほどあるので、まだまだゆったり飲みたい人は、ここで追加オーダー必須です!

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スイーツとマスターズドリームのペアリングにびっくり!

私サケコは、普段、例えばコース料理のデザートは可能ならチーズに替えたい派、です。でも、ずらりと並んだデザートビュッフェ、せっかくなら、とビールに合いそうなものをいくつかチョイスしてみました。私の予想大本命はオレンジケーキだったのですが、スポンジのフワフワさが想像よりも仲良しになれず…。でも、“ こっ、これはっ♡ ”と、一気にトキめいたのが、タルト・オ・フランボワーズ(写真手前)です。
52席の至福
マスターズドリームのモルトのコクとアロマホップの香りとはちみつを思わせるような味わいが、タルトの香ばしさとフランボワーズの甘酸っぱさと重なりあい、びっくりするほど素敵なハーモニーに。ラストオーダーでビールを頼んでおいて本当に良かった!と、予想外のペアリングとの出会いに感激です。

出発から約2時間。車窓は街中からすっかり豊かな自然へと変化し、旅情はさらに盛り上がります。
52席の至福
13:14に芦ケ久保駅に到着。35分の停車の間、最寄の「道の駅果樹公園あしがくぼ」での買い物したり、横瀬川の河原でちょっぴり水遊びしたりと、思い思いの時間も楽しめます。
52席の至福
ちなみにこちら、今回の運転士木下さん。安全運行ありがとうございました!
52席の至福
13:49、芦ケ久保駅を出発して西武秩父駅に13:57着。駅員のみなさまの歓迎の手旗のお出迎えでゴクラク列車ビール旅は大満足の終了となりました。
52席の至福
ちなみに、西武秩父駅の改札を一歩抜けると、そこはGW真っただ中の観光地。びっくりするほどたくさんの観光客でにぎわい、大型連休という「現実」を目の当たりに。改めてこの列車ビール旅の贅沢な空間と時間のありがたいゴクラクを噛みしめました…。

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今回のお気に入り

お気に入り、と、いうより、気になるポイント!ここまで読んで、気づいた人もいらっしゃるかもですが、2号車、3号車、4号車…。あれ?1号車は??  そう、1号車の車内はこちら↓
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…ガラ〜ン。 思わずスタッフの方に「ここは…?」と質問すると、いずれこの列車内でのウエディングや、貸切のイベントなども考えているそうで、そのためのスペースとして活用するのだそうです。今回は小さなお子様連れのファミリーも乗車されていましたが、希望があればここで子どもたちを遊ばせることもできるとのこと。
ちなみにトイレはこの1号車にあり、多目的と男性専用がそれぞれ1室完備されています。

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[おまけのもう一杯♪]沿線のビール情報

今回のゴクラク旅は、西武線の1日乗車券込み。今回のようにブランチコースなら帰り道、またはディナーコースなら行きがけにおすすめの、沿線で醸造する『所沢ビール』が飲めるスポットをご紹介します!

ミューズレストラン 響(HIBIKI)(航空公園隣接)
昔から麦を中心にした食文化が培われていた所沢の麦文化をビールとして蘇らせ、地元周辺の方々や農家とともに大麦を栽培し2010年から醸造をスタートしている地元の所沢ビール(株式会社ベルビア)にこだわり、代表銘柄『野老ゴールデン』をはじめ、常に4種の樽生がつながっている。ここでビールを買って、航空公園の青空の下で飲むのもおすすめ。
所沢ビール
左から 野老ゴールデン(ペールエール)、Goofy(グーフィ)(IPA)、Smokin'(スモーキン)(スモークエール)、Pharaoh(ファラオ)(スモークポーター)※飲み比べセット1,250円
◇Access:西武新宿線航空公園駅より徒歩10分、駅東口1,2番のりば他よりバス3分 文化センターミューズ下車
◇住  所:埼玉県所沢市並木一丁目9番地の1 ☎04-2968-6972
◇定 休 日:不定休(所沢市民文化センターミューズに準ずる)

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【西武鉄道『52席の至福』 乗車情報】

◯鉄道会社:西武鉄道

◯行  程:池袋駅10:54発 → 芦ケ久保駅13:14着/13:49発 → 西武秩父駅13:57着

◯飲んだビール:サントリー ザ・プレミアムモルツ マスターズドリーム

◯料  金:10,000円(ブランチコース)
西武線一日乗車券、ブランチコース、ソフトドリンク飲み放題込

◯問 合 先:西武鉄道お客さまセンター  ☎04-2996-2888

◯西武 旅するレストラン 52席の至福 HP:http://www.seibu-group.co.jp/railways/seibu52-shifuku/

◯予約情報:
4月〜6月の運行分はすでに完売。
次回、7月9日(土)から9月25日(日)は、メニューを更新し、土休日を中心に池袋~西武秩父間または西武新宿~西武秩父間で運行予定。
新メニューでは、ブランチコースは、埼玉県が推進する「埼玉S級グルメ」の店として認定された「SALVAGE」(埼玉県秩父市)のオーナーシェフである坪内 浩氏が監修し、「横瀬町有機栽培コシヒカリ」や「武州豚」など、秩父地方の食材を使ったメニューに。そして、ディナーコースは「赤坂 燻」(東京都港区)のオーナーシェフで、燻製調味料の先駆者という輿水治比古氏が監修し、「燻製盛り合わせ」や「仙台牛のハンバーグ」などの料理と、7月からドリンクメニューに加わる、秩父地方の蒸溜所「イチローズモルト」のプライベートボトルにあわせて楽しめるコースとなる。
この期間の予約受付は、専用ウェブサイトで5月9日(月)14時から、電話で5月24日(火)9時30分からそれぞれ開始される予定。

※表示価格は税込
「52の 至福ビア旅 ゴックラク」
52席の至福

さてさて、次はなにに乗ろうかな?

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第1回 関東鉄道「関鉄ビール列車」の応援列車ビア旅

52席の至福マスターズドリーム西武鉄道

※記事に掲載されている内容は取材当時の最新情報です。情報は取材先の都合で、予告なしに変更される場合がありますのでくれぐれも最新情報をご確認いただきますようお願い申し上げます。

(一社)日本ビアジャーナリスト協会 発信メディア一覧

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この記事を書いたひと

宮原 佐研子

ビアジャーナリスト/ライター

ビアLover 宮原佐研子です。 ビールの大好きなトコロは、がぶがぶ飲める、喉ごし最高、大人の苦味、世界中でも昼間でも飲める、 果てしなくいろんな味わいがある、そしてぷはぁ〜っとなれる、コトです。
ライターとして、雑誌『ビール王国』(ワイン王国)/『じゃらん酒旅BOOK 2023』(リクルート)/『うまいビールの教科書』(宝島社)/『クラフトビールの図鑑』(マイナビ)、ぐるなびグルメサイト ippin キュレーター など

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