[コラム,ブルワー,新商品情報]2016.11.30

日本人向けのバーレイワインを造りたい!~大手OB技術者集団による熱き挑戦~〈1〉

ビールに愛された皆さまへ。

 

ブドウやプラムのドライフルーツを思わせる甘い香りと、ブランデーを彷彿とさせるとろりとした甘味。長期熟成による上品で質の良い味と香りが楽しめる、このバーレイワイン「 クラフトエールスター 」はアルコール度数が12%。

なんと、缶で販売されている。

 

クラフトエールスターとの出会いは日本地ビール協会が主催しているビアフェスであった。「ウェラワン」という新しいブルワリーである。目新しいバーレイワインは注目を集め、行列まではできないものの、そのブースは開催中ずっと忙しそうだった。そこで人気を博していたのが、ブースで販売していた2本で500円の「お土産ビール」。試飲で気に入ったビアファンたちが、こぞってこれを買い求め、熱心な人は一人で8セット(16本)も買って帰っていた。

ものすごくお買い得で、とてもうまい。しかも12%。缶には「 原産国 カンボジア王国 」と記載されている。いったいどういうことだろうか。

 

ウェラワン株式会社、ウェラワン・インベスト株式会社の代表 藤原孝行氏に話をうかがった。

%e8%97%a4%e5%8e%9f%e6%b0%8f%ef%bc%91藤原孝行氏

現役時代に培った圧倒的な技術力と強烈なコネクション

ウェラワン株式会社は国内でビールを販売する、酒販の免許を持っている会社で、ウェラワン・インベスト株式会社は海外でビールやチューハイなどを生産している会社です

私たちはベトナムやカンボジアでビール,チューハイやノンアルコールビールなどを製造し、現地での販売とともに日本へも輸出しています。

今までは主にスーパーマーケットなどで販売するOEMのビールやチューハイを製造し輸入していました。地方の有力なスーパーマーケットで「 麦と太陽 」「 HOP STAR 」等のブランドを展開しています。

 

なぜ、べトナムやカンボジアで造っているかといいますと、これらの発展途上国では、新しいものを開発したり製造したりするのが、比較的容易に、そして自由に、取組むことができるのです。

また、このあたりは昔、仏領インドシナと呼ばれていてフランス領でした。なぜフランスがこの土地を支配したかというと、ここは数百年来の昔からヨーロッパやアジアをつなぐ交易の中心地として栄えていたので、食文化も非常に豊かな上、原産であるライムやグレープフルーツといった南国フルーツの宝庫だからなのです。  (所説あります)

ここで獲れるふんだんな果汁を使ってチューハイやカクテルなどを作れば、本場のオリジナルのものが作れるわけです。そのような商品の開発も進んでおります。

%e3%82%a6%e3%82%a7%e3%83%a9%e3%83%af%e3%83%b3%e7%8f%be%e5%9c%b0%e5%b7%a5%e5%a0%b43
現地の工場

私たちはベトナムで「333」ビールなどを作っている国営企業(サイゴンブルワリー:今は民営化)でチューハイを製造したのがスタートでした。現役時代でのご縁もあり、引退してからも付き合いがあったため実現しました。今後ボトルビールを製造するにあたり、別の事業場の方がいいだろうと現地の新たなビール会社と提携致しました。 また、カンボジアでもそのようなご縁がつながり、現地のビール会社との合弁会社、J&Cビバレッジを設立し、そこでも製造しています。

 

聞けば、藤原氏を始めウェラワンに在籍している他の皆様は現役時代、大手ビール会社や、創業者とその外国人妻がドラマ化されて人気が再燃したウイスキーのN社などで技術者として研鑽してきた方々である。長年にわたり腕を磨いてきたアルコールのプロ中のプロともいえるOB技術者が集まり、海外の工場にて品質管理と製造の技術を伝えているのだ。

 

現役時代は、競合他社の技術者とは口もきかなかったのですよ。でも、今は違いますからね。

 

昔のライバル社同士が、今は力を合わせて、新しい挑戦に向かっているのである。

 

次回、明日配信  クラフトビールへの挑戦につづく

 

藤原孝行氏 プロフィール

1946年生まれ。出身地;大阪府。
最終学歴;大阪大学工学部(発酵学)
1970年 大手醸造会社に入社。
2006年退職し、同年ウェラワン社の代表取締役に就任し 現在至る。
醸造会社では、研究職からスタートし工場勤務を経て、生産管理,経営企画,海外事業部門に携わった。

ウェラワン株式会社
問い合わせ先
TEL:03-3231-6760
商品取り扱いページ
http://www.rakuten.co.jp/hopstar-walawang/

※記事に掲載されている内容は取材当時の最新情報です。情報は取材先の都合で、予告なしに変更される場合がありますのでくれぐれも最新情報をご確認いただきますようお願い申し上げます。

(一社)日本ビアジャーナリスト協会 発信メディア一覧

アバター画像

この記事を書いたひと

MJ

ビアジャーナリスト/Youtube JBJA Channelプロデューサー

ビールと昆虫とリコーダーと天然石が大好きです。JBJAではイベントサポートやBJAチューターも楽しんで取り組んでおります。人に寄り添う記事作成を心がけ、JBJA公式動画サイトJBJAchannelではMCを担当しております。
JBJA公式動画サイト:YouTube JBJAチャンネル

ストップ!20歳未満者の飲酒・飲酒運転。お酒は楽しく適量で。
妊娠中・授乳期の飲酒はやめましょう。