[コラム]2017.1.16

あのアウトドア用品ブランドのビール「ロング・ルート・エール」―ビアレポート(126)

元山男の私です。

というのはちょっと言い過ぎかもしれませんが、数年前までは日帰り登山が趣味でした。日帰りなので、遠くても谷川岳くらい。奥多摩や秩父の山にも行きましたが、最も通ったのは丹沢の表尾根です。下山した後は鶴巻温泉で日帰り入浴し、ビールを飲んで帰ったものです。

という私なので、この缶のデザインを見て、「おっ!」と思いました。コレです。

同じように「おっ!」と思う方も多いかと思います。どこかで見たような…という方もいるのではないでしょうか。

はい、パタゴニアです。アウトドア用品を主に販売しているあのブランドです。今回ご紹介するのは、パタゴニアの「ロング・ルート・エール」。正確にはパタゴニアの食品事業である「パタゴニアプロビジョンズ」の製品です。

Long Root Ale

Long Root Ale

といっても、パタゴニアが醸造しているわけではなく、アメリカ・ポートランドのホップワークス・アーバン・ブルワリーが造っています。

このビールの特徴は、「カーンザ」という穀物を使用していること。缶にも、「MADE WITH KERNZA® PERENNIAL GRAIN」と書かれています。「PERENNIAL GRAIN」とは多年生の穀物ということですが、「KERNZA」の後ろに®マークが付いていますね。アメリカの登録商標ということです。

調べてみると、KERNZAとはintermediate wheatgrassのことで(と言われてもよくわからないのですが)、The Land Instituteという企業が商標登録しているもの。簡単に言うと多年生の小麦で、一年に複数回収穫できるそうです。

特徴としては、ロングルートの名前の通り長い根。3メートルくらいの長さになり、その土地の保水力を高めるなど、環境にもよい影響を与えるということで、アメリカで注目されている植物だとか。

で、飲んでみました。スタイルとしてはペールエールで、柑橘系のアロマがふわりと漂います。モルトのフレーバーはやや軽め。小麦を使っていても、ウィートエールな小麦感は少なく、オーソドックスなペールエールといった印象です。飲み込むと、ホップでもモルトでもない、かすかなスパイス感が。パタゴニアの製品を身につけて登山して、下山後に飲んでみたいですね。

と、そんな私ですが、パタゴニアの製品はひとつも持っていません。なかなか高いので、ほしいなと思っているだけだという…。

【BEER DATA】
ロング・ルート・エール
生産地:アメリカ
醸造所:ホップワークス・アーバン・ブルワリー
スタイル:アメリカンペールエール
アルコール度数:5.5%

※記事に掲載されている内容は取材当時の最新情報です。情報は取材先の都合で、予告なしに変更される場合がありますのでくれぐれも最新情報をご確認いただきますようお願い申し上げます。

(一社)日本ビアジャーナリスト協会 発信メディア一覧

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この記事を書いたひと

富江 弘幸

ビールライター

1975年、東京都生まれ。法政大学社会学部卒業後、出版社でライター・編集者として雑誌・書籍の制作に携わる。その後、中国留学、英字新聞社ジャパンタイムズ勤務を経てビールライターとして活動中。ビアジャーナリストアカデミーの講師も勤める。

【著書】
教養としてのビール(サイエンス・アイ新書、SBクリエイティブ)
BEER CALENDAR(ワイン王国)

【執筆・監修】
和樂web(小学館)
Discover Japan(ディスカバー・ジャパン)
東京人(都市出版)
ビール王国(ワイン王国)
ビール大全(楽工社)
るるぶキッチンmagazine 秋冬号(JTBパブリッシング)
あなたのしらない、おいしいビール(cakes)
他多数。

【出演】
金曜たまむすび(TBSラジオ)
ちきゅうラジオ(NHKラジオ第1)
すっぴん!(NHKラジオ第1)
浜美枝のいつかあなたと(文化放送)

Twitter:hiroyukitomie
Website: 地域とビール
Weblog: 地域とビールとブログと

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