[コラム]2017.2.17

「センテニアル」という言葉の意味は……「センテニアルIPA」―ビアレポート(134)

ホップ好きな私です。

麦芽、酵母、水よりも、ホップをより愛してしまっています。愛するのに理由は必要ないと思っているのですが、あえて理由を探すとすると、フレッシュホップフェストの取材でホップの収穫を見学したからでしょうか。

それまでも、生ホップを見たことはありましたし、その香りでいい気分になったこともあります(こういう書き方は何か誤解を招きそうですが、いい気分なのは事実です)。ですが、ホップそのものを見ることと、実際に収穫している現場を見ることは、思った以上に違うものでした。ホップに対する思い入れの度合いが変わってきたのです。

ホップそのものというよりも、それに関わっている人たちへの思い入れかもしれません。ホップの蔓を刈り取って、トラックで加工場へ運び、毬花を選別。当たり前ですが、その一連の作業に誰かしらが関わっているわけです。

ビールを普通に飲んでいると、あまり意識しないんですよね。このビールはカスケードを使っていて、柑橘の香りで、IBUはこれくらいで…なんて、それはそれですごく楽しいビールの味わい方なのですが、ふと多くの人の仕事によってこのビールができているんだなあと思ったりするのです。

それはホップに限らず、他の原料でもそうなのですけどね。

さて、前置きが長くなりましたが、今回ご紹介するのは、アメリカのファウンダーズ「センテニアルIPA」。

CENTENNIAL IPA

CENTENNIAL IPA

名前の通り「センテニアル」というホップを使ったIPA、だと思ったのですが、何をどう調べてもホップについて書いていないのです。ファウンダーズの公式サイトを見ても、使用ホップについて書かれておらず、どんな資料を見ても「ブルワリーの定番IPA」のようなことしか書いていません。

名前からしてセンテニアルを使っているものだと思いこんで「よし、ここでホップのセンテニアルについて書こう」なんて思っていたのですが、危うく不確実な情報を本当のことのように書くところでした(近いうちに確認します…)。

とはいえ、後戻りもできないのでホップの「センテニアル」について書いておこうと思います。

センテニアルは、「ブルワーズゴールド」「ファグル」「イーストケントゴールディング」などのホップをかけ合わせてできたホップです。アメリカのワシントン州立大学で1974年に新しい品種として作り出され、1990年にリリースされています。

このセンテニアル(Centennial)という言葉は、「百年の」「百年ごとの」といった意味。そんな名前が付けられたのは、リリースされる前年の1989年がワシントン州の創立100周年だったからです。ワシントン州は1889年にアメリカ合衆国の42番目の州になっています。

使用用途としては、香り付けと苦味付けの両方で使われます。フローラルかつシトラスの香りが特徴的で、アメリカンホップの代表的銘柄カスケードと似た特徴があり、アルファ酸の含有量がカスケードよりも多いため、「スーパーカスケード」と呼ばれたりもしています。

ということで、センテニアルを使っているかどうか不明な「センテニアルIPA」を飲んでみました。強いグラッシーなアロマ。あとからマンゴーやオレンジの香りも。カラメル感ある甘味と酸味が複雑に絡み合い、最後に強い苦味が口の中を引き締めます。ホップを存分に楽しめるIPAです。

そんなセンテニアルIPAを飲みながら、この2017年に100周年を迎える企業を調べてみました。キッコーマン、ニコン、明治乳業、TOTO等、そうそうたる顔ぶれ。ちなみに、今日は私の生誕42周年なのですが、100周年に比べるとまだまだひよっこでございます。

【BEER DATA】
センテニアルIPA
生産地:アメリカ
醸造所:ファウンダーズ
スタイル:アメリカンIPA
アルコール度数:7.2%


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この記事を書いたひと

富江 弘幸

ビアジャーナリスト

1975年東京生まれ。法政大学社会学部社会学科卒業。卒業後は出版社・編集プロダクションでライター・編集者として雑誌・書籍の制作に携わる。その後、中国留学を経て、英字新聞社ジャパンタイムズに勤務。現在は日本ビアジャーナリスト協会ウェブサイトや『ビール王国』などで記事を執筆するほか、ビアジャーナリストアカデミーの講師も務める。
著書:BEER CALENDAR』(ワイン王国)
連載:あなたのしらない、おいしいビール』(cakes)
執筆:ビール王国』(ワイン王国)、『日本のクラフトビール図鑑』『ビールの図鑑』(マイナビ)、『東京人』(都市出版)など

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