[コラム]2017.3.27

やっぱり、アメリカは凄かった! アメリカ東海岸ビール調査レポート

アメリカ…そこは言わずと知れたIPAを中心とするビール大国…
5000以上のブリュワリーがあると言われ、サンディエゴなどを中心に西側、中部に存在するブリュワリーのクラフトビールは、日本にも多く輸入されています。一方、ニューヨーク、ワシントンDCがある東側のクラフトビールは、まだまだ日本ではレアな存在です。
そんな折、ワシントンDCの近郊(アーリントン)を訪問する機会があり、アメリカ東海岸のビール事情を知る機会がありましたので、ご紹介させていただきます。
(アイキャッチ画像はスミソニアン博物館で撮ったものです)

スーパーはクラフトビールの密林だった!

何といっても驚いたのが、スーパーマーケット。いくつかのスーパーマーケットに足を運びましたが、どのスーパーでもクラフトビールがジャングルの密林のように売られていました!
普通のスーパーがこれだけ多くの品揃えをしているとは…
しかも、好きなビールを6本チョイスできて、9.99$という安さなのです。
アメリカ恐るべし…

 

あるスーパーのビール棚。まさに、クラフトビールの密林!

 

ビールの密林にも驚きましたが、最も驚いたのが、ウォークイン冷蔵庫(著者が命名)!
あるスーパーでは、冷蔵庫の中に入ってビールを選べるという、まさにウォークイン冷蔵庫としか呼びようのない、素晴らしい施設があったのです。
私が狂喜乱舞し、ウォークイン冷蔵庫に突入したのは、言うまでもありません。ウォークイン冷蔵庫の中をグルグル回って、ビールを思う存分品定めしたのでした。いやー、楽しかった。
ただ、注意点があります。5分ぐらい経つと体が冷えてきて、最後は震えてきますので、唇が青くなる前に購入するビールを決め、ウォークイン冷蔵庫から出ていきましょう。
ウォークイン冷蔵庫を眺め、アメリカは何でも大きいなーと実感した私でした。

 

冷蔵庫の中に入ってビールを選べる、ウォークイン冷蔵庫!

 

クラフトビールを揃えている飲食店が多い

4日間の滞在中、ハンバーガーショップ、ベトナム風レストラン、韓国風チキンなど様々な種類のレストランに行きましたが、東海岸で造られるクラフトビールを何種類か揃えているお店が多い印象でした。各店、揃えているビールが違っており、料理に合うと思うクラフトビールを揃えているようです。こんなところからもクラフトビールのチョイスが豊富であることが伺われます。
ビールとは関係ないですが、韓国風チキンというのは、甘辛ソースに浸されたケンタッキー・フライド・チキンのような料理で、現地では人気のようです。アーリントンには韓国の方々が多く住んでいるようで、その方々が開発したようです。美味しいですが、ものすごくボリュームがあるので、Sサイズぐらいが日本人には合っているでしょう。Sサイズでも私は食べきれませんでした…

 

ハンバーガー&パブという感じのお店のメニュー。ビールの品ぞろえが豊富。★が近隣で造られているクラフトビール。

 

ブリュワーの直営店も結構あり、私は、ドッグフィッシュヘッド・ブリュワリーの直営店にも行くことができました。ドッグフィッシュヘッド・ブリュワリーはデラウェア州のブリュワリーで、90 minites IPAと言うインペリアルIPAが特に有名です。このビールは、アメリカで一番うまいインペリアルIPAと評されることもあるようです。20種類ぐらい品ぞろえがあったので、私はサンプラーを頼みました。サンプラーがあるのは当たり前かもしれませんが、アメリカのお店にもサンプラーがあるのかと、なぜか感心した私でした。故郷から遠く離れた場所で、故郷と同じものを見たときの心境でしょうか。

 

ドッグフィッシュヘッド・ブリュワリー直営店の外観

 

サンプラー。とても美味しそうです!

 

滞在中、例えば以下の東海岸ブリュワリーのビールを飲むことができました。あまり日本では見かけない銘柄ではないかと思います。
・ドックフィッシュヘッド@デラウェア州
・ビクトリー@ペンシルバニア州
・クリッパーシティー@メリーランド州
・マジックハット@バーモント州
・ポートシティ@バージニア州
・フライングドッグ@メリーランド州
スーパー、レストランの品揃えは東海岸のブリュワリーのものが多い印象でしたが、中部、西部のビールも有名どころはスーパーで普通に売っていて、ストーンやニューベルジャンなどを買うことができます。つまり、ストーンIPAが6本で9.99$です…
やっぱり、安い…

アメリカはクラフトビール大国で、まさにビールの密林、ジャングルでした。皆さんもアメリカに行く機会があれば、ぜひクラフトビールを堪能してきてください!特に、東海岸は日本で見かけないブリュワリーのビールが沢山ありますよ。

【余談】
アイキャッチの画像は、スミソニアン博物館で撮った写真ですが、スミソニアン博物館は何種類かあり、その全てが無料です。また、白タクとも言われているUberというタクシーも普通に利用できます。ホームブリューもできることを考え合わせると、アメリカは、好奇心を育てる仕掛け、人々が自由に創造する仕掛けに溢れているように感じます。アメリカが様々な領域で革新を生んでいく秘密があるような気がします。

 

アメリカ東海岸

※記事に掲載されている内容は取材当時の最新情報です。情報は取材先の都合で、予告なしに変更される場合がありますのでくれぐれも最新情報をご確認いただきますようお願い申し上げます。

(一社)日本ビアジャーナリスト協会 発信メディア一覧

アバター画像

この記事を書いたひと

小川 雅嗣

ビアジャーナリスト/ビール研究家

1966年、東京生まれ。これまでずっと企業の研究員として過ごしている。
ビールの好きなところは、美味しいところ、自由で多様で何でもありな懐の深いところ、そして、飲むとみんなが笑顔になるところ。そんなビールには、まだまだいろいろな楽しみ方、美味しさがあるのではないかと思っていて、ビールについて疑問に思ったことを調べたり、思いついたことを試したりする中で、ビールの楽しさが伝えられるといいなと思っている。
人生やりたいことは、とにかく全部やろうと思い、ビアジャーナリストに。その他、音楽、映画、小説などの活動も、大したレベルではないが、いろいろやっている。

ストップ!20歳未満者の飲酒・飲酒運転。お酒は楽しく適量で。
妊娠中・授乳期の飲酒はやめましょう。