[イベント]2012.1.31

大瓶を飲もう。

1/28(土)、虎ノ門「デリリウムカフェ・トーキョー」で行われた「大瓶の会」に出席した。

日頃、独りでは開けにくい750ml瓶をシェアしながら飲もうという会である。
25名の参加者を5つのグループに分け、それぞれが5種類の銘柄を選び飲んでいった。
さらに、1500ml瓶も2本が開けられ、みんなでシェアした。

私の参加したテーブルは参加者が4名(1名キャンセルが出たため)だったので4銘柄を選ぶこととなり、ルル・ブラウン、ルル・ブロンド、ノワール・ドッティーニ、セゾン・カズーを飲んだ。

他のテーブルにもちょくちょくお邪魔してセント・ベルナルデュス・ペリオール、セント・ベルナルデュス・トリペル、セント・ベルナルデュス・ホワイト、デリリウム・ノクトレム、セゾン・ドッティーニ、ルル・エティバルなども飲むことができた。

瓶内熟成のビールはボトルサイズが大きいほど美味しいと言われている。
その理由はビアジャーナリスト協会2011/01/05のコラムでも触れられているので一部抜粋しよう。
「330mlのボトルも、750mlのボトルも、1500mlのマグナムボトルも瓶の口の大きさはそれほどは変わりません。
しかし当たり前のことですがその下に入っているビールの量はかなり違ってきます。
ということは瓶の口の部分でビールが空気と触れる量がものすごく違ってくるわけです。
大きい瓶のほうが小さい瓶よりも時間をかけてゆっくりと熟成(酸化)するため、「とにかく大きいほうが美味しい」となるわけです。
また大きい瓶のほうがビールの液量が多いため、光や温度による影響を受けにくいこともあります。」

さらに私は、酵母にかかるストレスの問題もかかわっていると思う。
酵母と瓶の関係を、人と部屋の関係に置き換えてみよう。
狭い部屋にいるより広い部屋にいるほうが(人口密度は同じだとしても)ストレスは少ない。
ビールの発酵・熟成に酵母のストレスが大きな影響を与えることは証明されているだけに、「大瓶は旨い」理由の一つだと考えられる。

もっとも、このような理屈よりも、経験的に「大瓶は旨い」と感じるものである。
今回も、同じ銘柄で小瓶と大瓶を飲み比べたが、やはり大瓶のほうが厚みのある味わいになっていた。

私は以前から、「テーブルに大瓶が置かれ3~4人の人がシェアしながら楽しく陽気に食事をする風景」が好きで、今後はこのようなビールの楽しみ方が広まればいいと思っていた。
そのために「バーレイ&ウィートワイン」を750ml瓶で造ったわけだ。

大瓶のベルギービールは、デリリウムカフェベルオーブ、渋谷のヘイメル宮益坂店道玄坂店ベルジャンビアカフェなどはもちろん、多くのベルギービール店で楽むことができる。
また、「バーレイ&ウィートワイン」は六本木のアウグスビアクラブクラブハウスで飲むことができるので、ぜひともお試しいただきたい。

大瓶は小瓶の2~3杯分である。
仲間が2~3人揃ったら、迷わず大瓶を頼もうではないか。
今年は750ml大瓶ビールに注目したい。

※記事に掲載されている内容は取材当時の最新情報です。情報は取材先の都合で、予告なしに変更される場合がありますのでくれぐれも最新情報をご確認いただきますようお願い申し上げます。

(一社)日本ビアジャーナリスト協会 発信メディア一覧

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この記事を書いたひと

藤原 ヒロユキ

ビール評論家・イラストレーター

ビアジャーナリスト・ビール評論家・イラストレーター

1958年、大阪生まれ。大阪教育大学卒業後、中学教員を経てフリーのイラストレーターに。ビールを中心とした食文化に造詣が深く、一般社団法人日本ビアジャーナリスト協会代表として各種メディアで活躍中。ビールに関する各種資格を取得、国際ビアジャッジとしてワールドビアカップ、グレートアメリカンビアフェスティバル、チェコ・ターボルビアフェスなどの審査員も務める。ビアジャーナリストアカデミー学長。著書「知識ゼロからのビール入門」(幻冬舎刊)は台湾でも翻訳・出版されたベストセラー。近著「BEER HAND BOOK」(ステレオサウンド刊)、「ビールはゆっくり飲みなさい」(日経出版社)が大好評発売中。

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