[テイスティング,ビアバー]2017.11.14

ビア女の酒場放浪記(43)黒酢の郷が醸す鹿児島クラフトビール「桷志田(かくいだ)」後編

ビア女の酒場放浪記桷志田鹿児島

前編では「黒酢の郷 桷志田(かくいだ)」に併設されたクラフトビール醸造所についてお伝えした。

後編では、2階にある「黒酢レストラン」で黒酢料理と、黒酢造りの技術を活かしたというクラフトビールをご紹介しよう。

明るく広々とした黒酢レストラン

2階に上がると、目の前に広がるのは白く明るいテーブル。
正面の大きな窓の向こうには黒酢の壺畑と、錦江湾に浮かぶ桜島が見える。
運が良ければ、波と戯れる野生のイルカを見ることができる絶好の眺めだ。
(著者は5回目の訪問にしてイルカを発見!)

レストランから桜島を臨む。手前は錦江湾

奥の窓から見えるのは黒酢の壺畑。
20,000もの壺があるというから驚きだ。
黒酢壺畑は自由に散策でき、人数が集まれば見学ツアーが開催され壺から取り出したばかりの黒酢も試飲させてもらえる。
レストランと合わせて是非お楽しみ頂きたい観光スポットだ。

眼下に整然と並ぶ黒酢壺は圧巻

さて、お目当てのクラフトビールは2種類。「桷志田ホワイトエール」と「桷志田レッドエール」だ。

「桷志田ホワイトエール」はオレンジピール、コリアンダーを副原料に使用したベルジャンホワイト。
外観はやや白濁した黄金色。
フラワリーな香りとすっきりとした口当たりが同居している。
控えめながらレモンを連想させるフルーティな酸味も。
ボディは軽めで、喉を軽快に滑り落ちていく。

桷志田ホワイトエール

「桷志田レッドエール」はコレステロールを下げる作用がある紅麹を加えたアメリカンレッドエール。
外観は赤みがかった琥珀色。
麹を想像させる風味はなく、柑橘系のホップの香りを感じる。
丸みのある酸味と、モルトの香ばしい甘味、後からやって来る苦味のバランスが良く、全体的にすっきりとした印象。

桷志田レッドエール

桷志田黒酢ランチはメイン料理に、食前酢、前菜、サラダ、小鉢、スープ、ライス又はパン、スイーツ、コーヒーが付いて、1,550円から。
黒酢は、コーヒー以外のすべての料理に使われているというのも興味深い。

まずは黒酢ドレッシングのサラダを頂く。
レストランで使用されている野菜のほとんどは、壺畑に隣接する「桷志田有機農園」で収穫された新鮮な有機野菜だ。
ビール粕や、酢のもろみ粕、製品にならなかった黒酢を肥料に育てられている。
きゅうりのビール漬けは、ホワイトエールに野菜を漬け込んでいる。
パリパリとした歯ごたえは良い箸休めだ。

ホワイトエールと一緒に食べてみよう。
ビールとドレッシングが持つ、酸味とフルーティさがリンクし、野菜の味を強く感じる。

ビール粕や、酢のもろみ粕、製品にならなかった黒酢を肥料に育てられた有機野菜をレストランで使用

メイン料理の一番人気は「黒豚の黒酢酢豚」
5年熟成の黒酢を使用している。黒豚は柔らかく脂まで甘い。
肉と野菜をつなぐソースは素材の味を引き立たせ、口の中で旨味のフルハーモニーが響き渡る。

合わせるなら、レッドエールだ。
柑橘類の皮のような爽やかな苦味あとに、モルトの香ばしさと旨味がやってくる。
黒酢は普通の酢と比較して旨味成分であるD-アミノ酸が約55倍なのだとか。
ビールや食材と合わせることでさらに旨味が増し、味の奥行きを感じる。
ソースまでパンで拭ってツマミにしてしまったくらいだ。

「黒豚の黒酢酢豚」(1,550円)。メニューには、さらに食前酢、前菜、デザート、コーヒーがつく

「鹿児島県産黒豚肉やわらか酵素糀ロースステーキ黒酢マスタードシャリアピンソース」(2,100円)

日本ではまだ珍しい、ジョージア(旧・グルジア)ワインもレストランで注文できる。
収穫したブドウを皮や種、茎を取り除かず房ごと壺に入れて造られたワインだ。
黒酢と同じく壺で発酵熟成させたワインで、複雑かつエレガントで満足感の高い味だった。
こちらも黒酢料理に大変合う。

1階売店にはさらに多くの種類のジョージアワインが

黒酢はアミノ酸が豊富に含まれるだけでなく、活性酸素を除去し、抗酸化力アップの作用もある。
大自然を臨みながら食べて飲んで、パワーを貰ったような気になる。

噴煙を上げる桜島に見守られながら、黒酢は壺のなかで3~10年熟成される

桷志田のクラフトビールはボトルでの販売をしておらず、又そのほとんどが黒酢レストランで消費されてしまうため、他で飲む機会はめったにない。
桜島が浮かぶ錦江湾の雄大な景色、黒酢の壺が整然と並ぶ畑、そしておいしい料理とビール。
眼でも舌でも楽しめる「黒酢の郷 桷志田」を是非とも訪問して頂きたい。

レストランで使われている黒酢やドレッシング、ワインは1階の売店でも購入できる。
お土産に黒酢とワインを購入して、黒酢の郷を後にした。

売店は試食も豊富。いろいろ試してから購入できる

「黒酢の郷 桷志田(かくいだ)」
住所/鹿児島県霧島市福山町福山字大田311-2
電話/0995 (55) 3231
営業時間/8:30 – 17:30ランチタイム 11:00 – 15:00 アフタヌーンティー 14:00 – 17:00
定休日/年中無休
WEB/ http://kurozurestaurant.com/

前編はこちら

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この記事を書いたひと

コウゴ アヤコ

ビアジャーナリスト

1978年東京生まれ。杏林大学保健学部卒業。
ビール好きが高じて2008年から1年半、ミュンヘンで暮らす。旅とビールを組み合わせた「旅ール(タビール)」をライフワークに世界各国の醸造所や酒場を旅する。ビアジャーナリストとして『ビール王国』、『ドイツニュースダイジェスト』など様々なメディアで執筆。『ビールの図鑑』『クラフトビールの図鑑』(マイナビ)、『極上のビールが飲める120店』(エンターブレイン)など。

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