[テイスティング]2013.11.16

タンポポを使ったビール「ファントム ピサンリ」―ビアレポート(47)

セゾンファントムベルギービール

大瓶大好きな私です。

特にベルギービールの大瓶なのですが、大瓶のほうが瓶内熟成がうまく進むから、という理由だけではありません。ひとつのビールをみんなでシェアしている感じ、とでも言いましょうか。そういった感じが好きなのです。どんなビールでもみんなで飲めばおいしいのですが、大瓶ならではのシェアする感覚がよりおいしくしているようにも思うのです。

自分だけでしょうか?

ということで、今回はベルギービールをご紹介。台湾は小出しにしていきます。

ファントムの「ファントム ピサンリ(Fantôme Pissanlit)」です。

Fantome Pissenlit

Fantome Pissenlit

ファントムはダニー・プリニョンが1988年に設立した醸造所。小さな小屋を利用してビールを造りはじめたそうですが、世界各国に輸出している現在でも生産量はそれほど多くはありません。醸造所名のファントムとはおばけのこと。ツンとしたまつ毛(?)のおばけがラベルに描かれています。「ファントム ピサンリ」のラベルには、おばけではなくまだおばけにはなっていないと思われる人が描かれていますが…。

さて、このピサンリとはタンポポのこと。ラベルの人もたんぽぽの種を飛ばしていますね。このビールにはダニー・プリニョンが自ら摘み取ったタンポポを使用しているそうです。使っている部分は種ではなく花。ラベルに表示されている原材料は、モルト・水・酵母・砂糖・スパイスとありますが、このスパイスがタンポポなのでしょう。

ビールの色は濃い茶色。口に含むと砂糖によると思われる甘味をほんのりと感じ、甘味とのバランスのとれた酸味が残ります。鼻から抜けていくのは熟した果実のような香り。

タンポポは? と疑問に思われるでしょうが、タンポポ自体の味を知らないのです…。が、ホップとは違う苦味や今まで嗅いだことのないスパイスの香りが、それぞれかすかに感じられます。味わいのバランスを壊すことなく、タンポポと思われる何かが存在しているのです。

この「ファントム ピサンリ」は大量に出回っているわけではありません。目にする機会も多くないと思いますので、見つけたら何人かでシェアして飲んでみてください。どの味がタンポポなのか、みんなで探りあうのも楽しいかもしれません。

【BEER DATA】
ファントム ピサンリ(Fantôme Pissanlit)
生産地:ベルギー
醸造所:ファントム
スタイル:セゾン
アルコール度数:8%


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この記事を書いたひと

富江 弘幸

ビアジャーナリスト

1975年東京生まれ。法政大学社会学部社会学科卒業。卒業後は出版社・編集プロダクションでライター・編集者として雑誌・書籍の制作に携わる。その後、中国留学を経て、英字新聞社ジャパンタイムズに勤務。現在は日本ビアジャーナリスト協会ウェブサイトや『ビール王国』などで記事を執筆するほか、ビアジャーナリストアカデミーの講師も務める。
著書:BEER CALENDAR』(ワイン王国)
連載:あなたのしらない、おいしいビール』(cakes)
執筆:ビール王国』(ワイン王国)、『日本のクラフトビール図鑑』『ビールの図鑑』(マイナビ)、『東京人』(都市出版)など

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