[テイスティング]2014.2.12

グッドデザインなサンディエゴのセゾン「Lomaland」―ビアレポート(70)

デザインにはうるさい私です。

ま、うるさいだけなんですけど。

特にデザインの勉強をしたことがあるわけでもないのですが、日々の仕事でデザイナーさんとやりとりしていくうちに、デザインに注文をつける能力がなんとなく身についてしまったようです。もちろんそれは好みで注文をつけるわけではなく、ある程度理にかなっていないといけません。仕事だと、自分の好みを通せないときもあるわけです。

が、仕事でなければそんなことは関係ありません。ビールを味で選ぼうが、ブルワリーで選ぼうが、そんなことは人それぞれ。私はデザインで選びます。

さて、今回ご紹介するのは、モダンタイムスというブルワリーの「Lomaland」というビール。モダンタイムスはアメリカ・サンディエゴのブルワリーです。

Lomaland

Lomaland

このビールのシリーズが並んでいるのを見て、2秒後には手に取っていました。この「Lomaland」だけを見ているよりも、定番のシリーズ4種類を並べてみると美しさがわかります。こちらから確認してください。

同じデザインで、色がスタイルによって異なっています。アンバーは赤、ウィートは黄色、スタウトは茶色、セゾンは緑、というように、色でそのビールのスタイルをイメージできます。埼玉・川越のコエドビールも同じように色でイメージを変えていますね。派手さはないですが、シンプルかつ分かりやすいデザインです。

もしかしたら「どこが美しいの?」と思う方もいるかもしれません。それでもいいんです。仕事とは関係ない好みの話ですから。ただ、統一感のあるデザインで、色を使って変化をイメージさせるという手段は、ビール以外でもいろいろなところで使われています。もちろんこれがベストという手段ではありませんが、こうやってデザインにも気を使っているブルワリーは、他のさまざまなところにも気を配っているのではないか、と思ったりします。

…デザインに対してうるさくしてしまいました。

で、この「Lomaland」ですが、スタイルはセゾンです。大麦麦芽、小麦麦芽に加え、コーンも使用。ウェブサイトにはレシピのリンクが貼ってあり、それを見ると酵母はデュポンを95%、ウェストマールを5%使用しているようです(リンクがあるとはいえ、別サイトなので「ようです」としました)。ホップ感やスパイス感があり、これだけで飲んでもいいですが、さっぱりとした料理に合わせたくなります。

モダンタイムスはまだできたばかりのブルワリーのようなので、これからもっと出回るようになってくるかもしれませんね。個人的にもこういったグッドデザインなブルワリーは応援したくなります。ジャケ買いもいいものですよ。

【BEER DATA】
Lomaland
生産地:アメリカ
醸造所:モダンタイムス
スタイル:セゾン
アルコール度数:5.5%

アメリカサンディエゴセゾン

※記事に掲載されている内容は取材当時の最新情報です。情報は取材先の都合で、予告なしに変更される場合がありますのでくれぐれも最新情報をご確認いただきますようお願い申し上げます。

(一社)日本ビアジャーナリスト協会 発信メディア一覧

アバター画像

この記事を書いたひと

富江 弘幸

ビールライター

1975年、東京都生まれ。法政大学社会学部卒業後、出版社でライター・編集者として雑誌・書籍の制作に携わる。その後、中国留学、英字新聞社ジャパンタイムズ勤務を経てビールライターとして活動中。ビアジャーナリストアカデミーの講師も勤める。

【著書】
教養としてのビール(サイエンス・アイ新書、SBクリエイティブ)
BEER CALENDAR(ワイン王国)

【執筆・監修】
和樂web(小学館)
Discover Japan(ディスカバー・ジャパン)
東京人(都市出版)
ビール王国(ワイン王国)
ビール大全(楽工社)
るるぶキッチンmagazine 秋冬号(JTBパブリッシング)
あなたのしらない、おいしいビール(cakes)
他多数。

【出演】
金曜たまむすび(TBSラジオ)
ちきゅうラジオ(NHKラジオ第1)
すっぴん!(NHKラジオ第1)
浜美枝のいつかあなたと(文化放送)

Twitter:hiroyukitomie
Website: 地域とビール
Weblog: 地域とビールとブログと

ストップ!20歳未満者の飲酒・飲酒運転。お酒は楽しく適量で。
妊娠中・授乳期の飲酒はやめましょう。