[テイスティング]2014.4.5

フェストビアを仕込む時期にイルルバッハー「フェストビア」を―ビアレポート(85)

イルルバッハーオクトーバーフェストオクトーバーフェストビアドイツメルツェン

オレゴン州ブームの後の私です。

今回は久しぶりのドイツビール。イルルバッハーの「フェストビア」です。

Irlbacher Festbier

Irlbacher Festbier

フェストビアとはスタイルで言うとメルツェン。メルツェンとは3月という意味で、3月に仕込むことから付けられています。冷蔵技術が発明されるまでは3月が最後の仕込みの時期でした。そこから長期熟成させ、9月末のオクトーバーフェストで飲まれるまで味が劣化しないよう、アルコール度数も高めになっています。

ちなみに、メルツェンを最初に造ったのはシュパーテン醸造所だそうです。1840年頃のこと。

では、イルルバッハーは…と調べてみたのですが、ほとんど資料がありません。公式サイトを見てもほとんど情報がなく、どうしたものかと途方に暮れていましたが、インポーター資料等で得られた情報は、
・バイエルン国の頃から500年近くビールを造り続けている。
・契約農家の麦を使用。
といったところ。

あまりにも情報がなさすぎるので、ドイツの歴史を調べてみました。500年前というと宗教改革の頃。マルティン・ルターがカトリック教会の免罪符に対して「それってどうなの?」と批判をしていた時代です。バイエルン国は神聖ローマ帝国の中の有力な公領で分裂や統一を繰り返していましたが、1500年代にほぼ統一されます。1500年代末にはマクシミリアン1世というバイエルン公が現れますが、それは「ブルッグスゾット ブロンド」で出てきたマクシミリアン1世とはまた別の人物。このあたりのドイツの歴史は複雑すぎて全然理解できないのですが、そんな頃からイルルバッハーはビールを造り続けているというわけです。

そんなイルルバッハーの「フェストビア」ですが、メルツェンらしく麦芽のやさしい甘味が味わえます。焼きたてのパンのような香りも。ミディアムボディですが、飲みやすく心地よいビールです。

今はメルツェンを仕込むような時期ではありますが、たまたま見つけることができたので飲んでみました。昔は飲めない時期に飲むメルツェン。技術の進歩は素晴らしいと思いながらいただいております。

【BEER DATA】
イルルバッハー フェストビア
生産地:ドイツ
醸造所:イルルバッハー
スタイル:メルツェン
アルコール度数:5.6%


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この記事を書いたひと

富江 弘幸

ビアジャーナリスト

1975年東京生まれ。法政大学社会学部社会学科卒業。卒業後は出版社・編集プロダクションでライター・編集者として雑誌・書籍の制作に携わる。その後、中国留学を経て、英字新聞社ジャパンタイムズに勤務。現在は日本ビアジャーナリスト協会ウェブサイトや『ビール王国』などで記事を執筆するほか、ビアジャーナリストアカデミーの講師も務める。
著書:BEER CALENDAR』(ワイン王国)
連載:あなたのしらない、おいしいビール』(cakes)
執筆:ビール王国』(ワイン王国)、『日本のクラフトビール図鑑』『ビールの図鑑』(マイナビ)、『東京人』(都市出版)など

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