[イベント]2011.5.9

ビールに合う料理:Paired with BEER:

 大型連休も終わり、気の早い雑誌やテレビではそろそろ「ビール特集」が組まれ始める。
 「一年中ビール!」というビア・ファンにとっては「初夏から夏=ビール」という考え方はウンザリといった気分だろうが、ビールムードが盛り上がることはありがたいことだ。
 しかし、その中でいまだに辟易してしまうのが「ビールに合うおつまみ」特集の「ピリ辛、塩からい、脂っこい」攻撃である。
 もちろん、そのような料理に合うビールもあるが、基本的には「ビールで口を洗いましょう」といった発想に軸足を置いているとしか思えない。
 ビールの味わいそのものを楽しもうという考え方からはほど遠い。

 アメリカでも、ビールの肴はスナック程度と考えられていた時代はあった。フットボールや野球の試合をテレビで見ながらポテトチップスやプリッツェルをボリボリとやりながら缶ビールをグビグビと飲むといったように。
 しかし、クラフトビールの台頭とともに「ビールと料理の組み合わせ」は「ペアリング」という言葉でポピュラーになっていった。

 ここにひとつのメニューがある。アメリカのボルチモアで1996年の6月10日におこなわれたビアディナーのメニューだ。すでに15年も前である。
 内容はサミュエルアダムスのビールでフルコースを楽しむというものだ。

具体的なメニューは以下の通りである。

「寿司の盛り合わせ」に「サミュエルアダムスのサマーエール」と「ロングショットエール」

「ブルークラブ(蟹)とマンゴのサラダ、カリッとしたプランテーンのチップス」に「サミュエルアダムスのピルスナー」

「フロリダベビーグリーン、塩漬けサーモン柑橘風味、フレッシュチェリーとゴーダチーズのサラダ」に「サミュエルアダムスのチェリーウィート」

「ラムチョップのグリル、ワイルドマッシュルームと粒マスタード」に「サミュエルアダムスのボストンラガー」

「温かいチョコレートケーキ ヘーゼルナッツアイスクリーム添え」に「サミュエルアダムスのハニーポーター」と「ロングショットヘーゼルナッツブラウンエール」
 
「ラズベリータルト」に「サミュエルアダムスのトリプルボック」

 メニューを見ただけで、ワクワクするペアリングである。
 今後、日本でもこのようなペアリングが楽しめるレストランが増えて欲しいものだ。


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この記事を書いたひと

藤原 ヒロユキ

ビール評論家・イラストレーター

ビアジャーナリスト・ビール評論家・イラストレーター

1958年、大阪生まれ。大阪教育大学卒業後、中学教員を経てフリーのイラストレーターに。ビールを中心とした食文化に造詣が深く、日本ビアジャーナリスト協会代表として各種メディアで活躍中。ビールに関する各種資格を取得、国際ビアジャッジとしてワールドビアカップ、グレートアメリカンビアフェスティバル、チェコ・ターボルビアフェスなどの審査員も務める。日本外国特派員協会会員。ビアジャーナリストアカデミー学長。著書「知識ゼロからのビール入門」(幻冬舎刊)は台湾でも翻訳・出版されたベストセラー。近著「BEER HAND BOOK」(ステレオサウンド刊)、「ビールはゆっくり飲みなさい」(日経出版社)が大好評発売中。

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