日本産ホップであるソラチエースが品種登録されたのは、1984年9月5日。この“ソラチエースの誕生日”に合わせて、サッポロビール株式会社では2019年からソラチエースバースデーイベントを開催してきました。毎回「ソラチエースや日本産ホップを広めたい」という思いを掲げ、志を同じくする人たちをゲストに招いて、イベントを盛り上げています。

３回目となる今年も新型コロナウイルス感染拡大防止のため、去年と同様にオンラインでの開催となりました。その全映像は下記のアーカイブから見ることができます。当日の見どころをまとめましたので、振り返ってみましょう！

配信URL：おうちオクトーバーフェストLIVE　－ソラチエースバースデーバージョン2021－ – YouTube
※2本のムービーを経て0:16:26ごろからオープニングのカウントダウンが始まります。

木暮BJによるイベント前の案内記事もご参照ください。

オープニングはダイナミックな書道パフォーマンス

司会進行は女性実演販売士のジャンプ中澤さんと「SORACHI1984」ブリューイングデザイナー新井健司さん。イベントプログラムは、以下のとおりです。

書を書く小杉さん。ダイナミックな「伝説」の文字がとても印象的です。

オープニングムービーが明け、You Tubeライブのスタートとともに書道パフォーマンスが始まりました。ベートーヴェン・交響曲第９番をBGMに、書家の小杉卓さんが書を書いていきます。初めに「SORACHI1984」のキャッチコピーである「このビールは世界を変えるかもしれない」を、クライマックスには極太の筆でダイナミックに「伝説」と書き上げました。記念すべき2021年のソラチエースバースデーの幕開けです！

右がホップ部分を近くで撮った写真。ザラっとした和紙の質感がわかるでしょうか？

和紙には切り絵のようなテイストでホップが描かれていますが、この茶色がかった部分はソラチエースホップを漬け込んで作られています。小杉さんによると、手で触るとザラザラしたホップの繊維を感じられるとのこと。ぜひ近くで見てみたいですね。

第 1 部：ブルワリートークショー

【トークゲスト】

写真上段左から中澤さん、山田さん、堤野さん、宮田さん、松田さん。

第１部はブルワリートークショー。昨年から引き続いての参加となるブルックリンブルワリーと木内酒造に加え、今年は忽布古丹とCRAFT Xも登場。ソラチエースホップを使ったビールを造る４社の代表によるトークが繰り広げられました。

「ブルックリンソラチエース」は、2008年にソラチエースホップと出合ったブルーマスターのギャレット・オリバーさんが、翌年の2009年に造り上げたビール。そして、オリバーさんがそれを持って木内酒造に行き、「ソラチエースを使うと面白いビールができるよ」と話したことがきっかけとなって、2010年に「常陸野ネストビール　ニッポニア」ができ上がったという話は、非常に興味深いお話でしたね！

また、ソラチエースホップを使うことで、木樽で熟成させたバレルエイジドビールの特徴を疑似的に表現できないかと考えて造られた忽布古丹の限定ビール「New Sorachi Style」、ソラチエースの燻製香や木の皮の渋みを活かして造られたCRAFT Xのお祝い用の限定ビール「CELEBRATE ONE」のお話からは、ソラチエースの新たな可能性を感じられました。

1984年に日本で誕生したソラチエースホップが各社のキーマンによって脈々と受け継がれて、今に繋がっていることがわかります。「ソラチエースが繋いでくれたメンバー」と新井さんが表現する面々だけあって、ソラチエースへの愛は深くて強いです！

ソラチエースホップを使った各社のビールたち。

第 2 部：ホップの挑戦者たちトークショー

【トークゲスト】

写真上段左から新井さん、田村さん、佐藤さん、金子さん、髙間さん。

「ホップの挑戦者たちトークショー」と題する第２部には、ビール醸造以外のことにホップの可能性を見出している４社の代表が登場しました。こちらは、新たな顔ぶれが勢ぞろい！　４社ともビールを醸造する会社ではありませんが、日々ホップと深く向き合っている方たちです。

「日本産ホップの可能性について」という質問には、皆さんがそれぞれの立場で回答。ホップを原料にしてビール以外の加工品（塩、ジャム、健康食品、シャンプーなど）を作るというお話や、ホップを使った新感覚の日本酒造りで日本の発酵文化をグローバルに展開していけるというお話がありました。一方で、農業としての日本産ホップの栽培・産業は、農家の高齢化や施設の老朽化など様々な課題を抱えており、遠野や上富良野をはじめ全国の生産地で盛り上げて未来に繋げていきたいという意気込みも語られました。

ホップの高いポテンシャルを知る方たちから、ビール造りにとどまらないホップの活用法を聞くことで、ソラチエースをはじめとする日本産ホップが世界に羽ばたいていく未来が少し見えたような気がしましたよね？

ソラチエースへのバースデーメッセージ

【映像出演者】

上段左から、ほっとけないどうの皆様、斉藤町長、森川さん、辻本さん。

第２部と第３部の合間には、SORACHI1984を寄付のツールとして北海道を元気にしようという活動「ほっとけないどう」と、SORACHI1984を愛する方たちのバースデーメッセージの映像が紹介されました。辻本美博さんはクラリネットソロで、オリジナル曲「Vermilion」を演奏。その軽快なサウンドには、生チャットもかなりの盛り上がりをみせました。

中野麦酒大学でクラリネットを演奏する辻本さん。

音楽で場が温まってきたところで、そのまま第３部の「おうちオクトーバーフェスト」に突入です！

第 3 部 おうちオクトーバーフェスト

おうちオクトーバーフェストの掛け声は、もちろん「ソラーチ」！

第3部は、昨年のこのイベントでも登場したアルプス音楽団の演奏です。家に居ながらビールの祭典の雰囲気を楽しめる「おうちオクトーバーフェスト」の始まり！　セットリストは以下のとおりです。

アルプス音楽団の皆さん。乾杯までのカウントダウンが始まりました！

本場ドイツをはじめとする「オクトーバーフェスト」の定番ソングが盛りだくさん！　ライブやイベントを自粛せざるを得なかった昨今でしたが、本来お酒と音楽は切っても切れない関係なのを痛感します。アルプス音楽団の素晴らしい演奏と歌で“在りし日”を懐かしみながら、再びみんなが笑顔で乾杯できることを願うひとときだったのではないでしょうか？

第4 部：一斉乾杯 クロージング

今年も無事、この時間に乾杯できました！

オクトーバーフェストライブで気分が盛り上がった後は、このイベントのクライマックスである19時8分4秒の一斉乾杯です！　中澤さん、新井さんの掛け声で「ソラーチ！」を唱和し、ネットを介したソラチファンが一体に。その後第１部、第２部に登場したトークゲスト８人が再び画面上に募ってコメントを寄せてくれました。

第1部＆第2部のトークゲストの方々も「乾杯、ソラーチ！」。

ソラチエースの誕生日は9月5日。その日が何曜日になろうとも、今後もバースデーイベントを開催しますという新井さんの断言を受けて、「来年こそはオンラインではなくリアルイベントで！」「次の開催地はソラチエースが誕生した上富良野で！」という素敵なコメントも飛び出しました。

ビアLoverの切なる願いが届いたのか、この10月1日からは全国一斉に緊急事態宣言が解かれ、元の日常が少し戻る気配を見せています。さて、来年の9月5日はどんなバースデーを迎えることができるでしょうか？　ビアLoverの皆さん、空に向かって乾杯しましょう。

乾杯、ソラーチ！