【ビールを通して感じる韓国㉝】釜山のゴリラブルーイング(GORILLA BREWING)が海雲台に移転して2店舗に!
約2年前に、釜山の主なクラフトビールとして、広安里にあるゴリラブルーイング(GORILLA BREWING)を紹介しました。
以前の記事は下記から…
【ビールを通じて感じる韓国➂】釜山のブルワリー(2) ゴリラブルーイング(GORILLA BREWING)@広安里(2023.1.17)
その後も何回か飲みに行っていましたが、今回(2025年2月)の訪問時、念のため見たグーグルマップで広安里にゴリラブルーイングの名前が確認できず、同じ海岸沿いの海雲台の2か所で新たに確認できました。
どういうことかわからないまま、まずは海雲台へ足を運んでみました。
目次
海雲台(해운대・Haeundae)とは…
韓国・釜山にある韓国を代表するビーチがある地域。特に夏には国内外から多くの観光客が訪れ、約1.8kmの砂浜に並ぶパラソルの数は、ギネスブックにも掲載されました。
海雲台ビーチ(2024年7月撮影)
周辺には高層ビルが立ち並びリゾートホテルや飲食店も多く、水族館(シーライフ釜山アクアリウム・씨라이프 부산아쿠아리움)などのレジャー施設もあります。
GORILLA BEACHとその周辺
GORILLA BEACH
まずは昼から開いているGORILLA BEACHへ。海岸沿いに立ち並ぶ高層ビルの1階に入っている飲食店のお店のひとつで、地下鉄2号線の海雲台駅から徒歩10分ほどで到着します。
外の席に座れば海を眺めながらビールが飲めそうですが、冬なので店内に入りました。
店内には大きなテーブルがいくつか並んでいて、ちょっと雑多な印象でした。ひとりで静かに飲むよりも、海へ来たグループで賑やかに利用するのに適しているようです。
こちらで飲んだのは、釜山ペールエール。アルコール分4.3%で、crisp、refreshing、citrusybitternessの表記がありました。値段は9000ウォン(約990円)。香りは華やかすぎず落ち着きが感じられ、味わいは少し爽やかさのあるペールエールでした。
9種類つながっていたゴリラブルーイングの他のビールも9000ウォンから9500ウォン(約1090円)、飲み比べのサンプラーは9oz×6種類で39000ウォン(約4200円)。正直やや観光地価格のような気がしました。
それでも、釜山で昼からクラフトビールを飲めるところは少ないので貴重な場所であることは確かだし、平日の3~5時にはハッピーアワーも実施されているようなので、少しお得に飲むこともできそうです。
◎GORILLA BEACH
所在地:30 Dalmaji-gil, Haeundae-gu, Busan
営業時間:12:00~24:00
時間調整はBUsan X the skyで…
GORILLA BEACHの入っている建物の並びには2020年にオープンした展望台「BUsan X the sky(釜山エックスザスカイ)」があります。エレベータで上った建物の100階からは、海雲台ビーチや広安大橋など海と釜山の街の絶景を同時に楽しめます。
帰りは会談で98階まで下ります。世界一高い場所にあると言われているスターバックスが99階にあるほか、外の景色を眺めながらクラフトビールを飲めるカフェもあります。
クラフトビールは韓国産が2種類、外国産が4種類あり、お値段はすべて12000ウォン(約1320円)。やはり場所代も入っているようで割高なお値段になっていました。
入場料は27000ウォン(約2970円)ですが、誕生月、Air Pusan利用者、Pusan Visit Pass保持者など各種割引があり、妊婦だと半額で入れるようでした。私は該当するものがなかったのですが、そこで勧められたのはドリンクとポップコーン付きの入場券。これが何と普通の入場料より安く23400ウォン(約2570円)。正規の料金を払う人なんているのでしょうか…
GORILLA BREWING CAMPANY(GORILLA HAEUNDAE)
海雲台でゴリラブルーイングのビールが飲める直営店のもう1カ所は、新羅ステイ海雲台というホテルの1階にありました。海岸沿いではありませんが近いところにありGORILLA BEACHや海雲台駅から徒歩10分ぐらいです。
こちらは、4人から8人ぐらいまで座れる大小のテーブルが7つに加えてカウンターも6席あり、以前のタップルームに比べたらかなり狭いですが、落ちついてビールが飲める雰囲気がありました。
飲み比べも9oz×4杯が25000ウォン(約2750円)でありましたが、個別に頼むことにしました。ここで頼んだのは2杯。まずはアルコール分5.4%のESBにしました。8900ウォン(約980円)です。
もうひとつはラズベリーウィート。アルコール分6.2%で9900ウォン(1090円)となっていました。ラズベリーは感じますが、フルーツとしての味わいはそれほど強くなく、穏やかな味わいのビールでした。
おつまみの中ではお手頃のフライドポテトも9900ウォンでした。
訪問したのは平日開店(17時)直後。19時まではハッピーアワーでビールが2000ウォン(約220円)引きになり、少しお得に飲むことができました。
ゴリラブルーイングのビールをじっくりと味わうなら、GORILLA BEACHよりこちらをお勧めします。
◎GORILLA BREWING CAMPANY(GORILLA HAEUNDAE)
所在地:46 Haeun-daero 570beon-gil, Haeundae-gu, Busan
営業時間:日曜~木曜 17:00~23:00 ・金曜~土曜 17:00~24:00
タップルームの移転に思うこと…
広安里のGORILLA BREWINGは…
醸造設備と広いタップルームがあった広安里にも行ってみましたが、まったく別の会社が入っていました。
広安里も釜山では海雲台の次に有名な海水浴場ですが、ブルワリーがあった通りは海岸から1本離れているバス通り。車は多いですが、歩く人はそれほどいない場所。地下鉄の駅からも少し離れていて、たまたま通りがかった人が入るというよりはビール目的の人がわざわざ行く立地でした。広くて開放感があり、タンクを見ながらビールが飲め、その種類も20種類程度と多く、ビール好きにはとてもいいタップルームでしたが、経営という観点から見ると厳しい面もあったことが推測されます。
今回タップルームは人がもっと集まる場所へ、醸造設備は別に郊外へと移転になったのは、そんな背景もあると考えます。
美味しいクラフトビールを飲み続けたい!
韓国では日本以上に、飲食店の移り変わりが激しいと感じます。以前行って気に入ったお店が次に訪問してまだあると、正直ホッとします。
少し前のデータですが、韓国での2023年の飲食店の廃業率は16.2%だそうです。つまり、2023年の1年間で6~7店舗のうち1店舗は閉鎖になってしまったというのが、韓国の飲食店の現実です。
これまでの韓国でも、以前より規模を小さくして賑やかな場所に移転したタップルームを見てきました。これまでの訪問時はもちろん、今回も行ってみたら閉店になったタップルームも何か所かありました。直営のタップルームを閉店することで他のビアバーに樽を提供したり缶・瓶での販売に力を入れるならばまだいいのですが、醸造をやめてしまったブルワリーもあります。
ゴリラブルーイングのお気に入りだったタップルームがなくなってしまったことは残念ですが、別の形になったとはいえ、まだ直営店で美味しいビールを飲めるのは幸いなことなのかもしれません。
いつまでも、韓国でこの美味しいクラフトビールを、出来れば直営店で飲み続けることができますように…と願わずにはいられません。
*100ウォンを約11円として換算しています
*日付の記載がない写真は、全て2025年2月に撮影しています
※記事に掲載されている内容は取材当時の最新情報です。情報は取材先の都合で、予告なしに変更される場合がありますのでくれぐれも最新情報をご確認いただきますようお願い申し上げます。