一般社団法人 日本ビアジャーナリスト協会

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「今日もおつ豆さまでした」枝豆焼そばはビール泥棒?定番ビール4銘柄ペアリング!驚くほど違いが出ました【JBJAChannel】

ビールに愛されて皆さまへ。

明星食品から2026年7月20日に発売された「明星 東京デザイン専門学校コラボ 今日もおつ豆さま えだ豆味焼そば」

「明星 東京デザイン専門学校コラボ 今日もおつ豆さま えだ豆味焼そば」(7月20日発売) | 明星食品

東京デザイン専門学校とのコラボレーションから生まれた、枝豆をテーマにした焼そばです。

まず、パッケージがかわいいです。

若い学生たちが一生懸命考えて企画したことが伝わってくるような、親しみやすいデザイン。そして、「今日もおつ豆さま」というネーミングも実にいい。

しかも、ビールとの相性を意識した商品だといいます。

そう聞いたら、ビアジャーナリストとしては受けて立たねばなりません。

さて、どのビールを合わせましょうか。

そのとき手元にあったのが、次の4本でした。

  • サッポロ生ビール黒ラベル
  • アサヒスーパードライ
  • キリン一番搾り生ビール
  • サントリー ザ・プレミアム・モルツ

どれにしようかな。

そこで頼りにしたのが、最近何かと相談相手になっている生成AIです。

「この枝豆味の塩焼そばに合うビールはどれですか?」と聞いてみました。

すると返ってきたのは、おおむね、

「麦の味わいがしっかり感じられるサッポロ黒ラベルやザ・プレミアム・モルツが合いやすいでしょう。アサヒスーパードライのようにキレを特徴とするビールは、今回のような穏やかな味わいの料理には、やや合わせにくいかもしれません」

という回答でした。

なるほど。

……ところで。

一番搾りは無視ですか?

そこは少し気になりましたが、とりあえずAIの提案に従って試してみることにしました。

最初は、ただ「この焼そばはビールに合うのか」を確認するだけのつもりでした。

ところが、ここから予定が変わっていきます。


まずは「今日もおつ豆さま」を食べてみます

湯切りをして、ソースを混ぜて食べてみます。

味付けは比較的シンプルです。麺の味わいに塩味が重なり、そこに枝豆の風味があります。

特に印象的なのが、フリーズドライ加工された北海道産の枝豆です。これがなかなかよくできています。

食感だけではなく、枝豆らしい風味の再現性も高く、「ちゃんと枝豆を食べている」という感じがあります。

一方で、全体の味わいはかなり素直です。

「少し胡椒を振ってもいいかも」「紅ショウガを足しても合いそうだね」

などと話しながら食べていました。

単体で食べると、強い味で押してくる商品ではありません。

では、このシンプルな焼そばにビールを合わせるとどうなるのでしょうか。


サッポロ黒ラベルを合わせます

まずは、生成AIが推薦したサッポロ生ビール黒ラベルです。

ビール単体の味を確認してから、焼そばを食べます。

そして、焼そばを完全に飲み込む前に、もう一度ビールを口に含みます。

料理とビールを口の中で合わせる、いわゆる口内調味です。

これはペアリングを確かめるときの基本的な動作のひとつです。

すると。

ん?

枝豆の香りが、ふわっと立ち上がりました。

焼そばだけを食べていたときよりも、枝豆の存在感が明らかに強くなったように感じます。

さらに面白いのは、麺とビールが口の中で自然になじんでいくことです。

焼そばを食べている。

ビールを飲んでいる。

その二つが別々に存在するのではなく、口の中で一つの味わいに近づいていきます。

そして、ビールがするすると入っていきます。

麺を食べます。ビールを飲みます。また麺を食べます。また飲みます。

……あれ?

ビールがどんどん消えていきます。

これは困りました。

ビール泥棒です。

「今日もおつ豆さま」、かなりの手練れでした。


では「合いにくい」と言われたスーパードライなら?

ここで気になりました。

生成AIは、スーパードライは今回の焼そばにはやや合わせにくいのではないか、と言っていました。

本当にそうなのでしょうか。

最初は黒ラベルだけで終わるつもりでした。

しかし、黒ラベルでこれだけはっきりした反応が出たら、比較してみたくなります。

そこで、予定外の2本目。

アサヒスーパードライを開けます。

まずはビール単体を確認します。よく冷えたスーパードライ。やはりおいしいです。

では、焼そばを食べます。そして、まだ口の中に焼そばが残っているところへ、もう一度スーパードライを含みます。

……。

合わない?

そこまでではありません。

普通に合います。ただし、黒ラベルのときとは明らかに違います。

黒ラベルでは、麺と枝豆とビールが自然になじんでいきました。

ところがスーパードライの場合、それぞれの輪郭が比較的はっきり残ります。

ビールはビール。

焼そばは焼そば。

たとえるなら、スーパードライが隣で、

「俺って、よく冷えていておいしいでしょう!」

とキリッとポーズを決めています。

その横に、「今日もおつ豆さま」が、少し申し訳なさそうに寄り添っている感じです。

別に仲が悪いわけではありません。けれど、カップリングとして見ると、どうも釣り合わない。

黒ラベルのときに起きた「ビール泥棒」現象も、それほど強くありません。

なんでしょう、これは。同じピルスナーでありながら、こんなにも差が出るのでしょうか。


こうなったら、一番搾りも試します

ここまで来ると、もう止まりません。手元には残り2銘柄のビールがあります。

まずは、

キリン一番搾り生ビール。

そもそも生成AIは、なぜか一番搾りにあまり触れていませんでした。

それなら、自分たちで確かめましょう。

一番搾りを飲みます。焼そばを食べます。そして口の中で合わせます。

お!これは合います。

スーパードライよりも、焼そばとの距離が近いです。

麺や枝豆の穀物的な味わいと、一番搾りの麦の旨味が自然につながります。

違和感がありません。

ただし、黒ラベルのときほど、ビールが盗まれていく感じはありません。「合う」のです。でも、「泥棒される」ほどではない。

料理とビールが、お互いを尊重しながら一緒にいる感じです。

生成AIにはほぼ無視されていましたが、一番搾りも十分にいい組み合わせでした。


最後にザ・プレミアム・モルツを合わせます

そして4本目。

生成AIが黒ラベルと並んで推薦した、

サントリー ザ・プレミアム・モルツ。

まず単体で飲みます。香りとコクを確認します。続いて焼そば。

そして、口の中でプレモルを合わせます。

すると…なんじゃこりゃ。また、はっきり違います。

焼そばとビールを合わせた瞬間、口の中で両者がとろけるようになじんでいきます

もちろん、実際に麺が溶けるわけではありません。

けれど、感覚としてはそれくらい自然です。

枝豆の風味。麺の穀物感。塩味。そしてビールのコク。

それらが一緒になって、ひとつの味わいにまとまっていきます。

黒ラベルのときにも一体感がありましたが、プレモルではまた少し方向が違います。

黒ラベルは、枝豆の香りを引き立てながら、軽やかになじんでいく印象でした。

プレモルは、焼そば全体の味わいに厚みを加えながら、口の中で一体化していきます。

そしてまた、ビールがどんどん進みます。

大泥棒、ふたたびです。


これはもう「魂の片割れ」では?

黒ラベルでビールが消えました。

プレモルでも消えました。

ここまで来ると、単に「相性がいい」というだけでは少し物足りません。

これはもう、魂の片割れ。

ずっと離れ離れだったものが、ようやく出会ったような組み合わせです。

身分や年齢の差があっても、「私たちはもともと一つの魂だった」と思い出してしまうような、運命の恋人。

……と言いたいところですが。

少し待ってください。恋人が二人います。

黒ラベルとプレモル。どういうことでしょう。

「今日もおつ豆さま」、なかなか罪深い商品です。


しかも生成AIはヱビスも推薦していました

さらに問題があります。

実は生成AIは、このときヱビスビールも候補に挙げていました。

ところが、この日だけ、なぜか手元にヱビスがありませんでした。

なんと残念なことでしょう。

今回、黒ラベルとプレモルがこれだけよく合ったことを考えると、ヱビスもかなり気になります。

もしヱビスまで同じような反応を示したらどうなるのでしょうか。

黒ラベル。

プレモル。

ヱビス。

恋人三つ巴です。

大変なことになりそうです。

これは改めて、個別に検証したいと思っています。


「とりあえず生」で出てくる4銘柄なのに、こんなに違いました

今回飲み比べた4本は、日本では非常に身近なビールです。

サッポロ黒ラベル。

アサヒスーパードライ。

キリン一番搾り。

ザ・プレミアム・モルツ。

どこかの街の飲食店で、

「生ビールください」「とりあえず生中」

と注文すれば、何気なく出てきそうな銘柄でもあります。

もちろん、それぞれの味わいは違います。

しかし、日常的に飲んでいると、その違いをそれほど意識しないこともあります。

われわれJBJAChannelでも、ビールの違いについて熱心に話しています。

もっとも、ブラインドテイスティングになると、なかなか当てられないという妙技を披露することもあります。

ところが今回、ひとつの料理に4銘柄を合わせてみたところ、その違いが非常に分かりやすくなりました。

単体で飲み比べるより、

「料理と合わせたときに何が起きるのか」

を比べた方が、ビールの個性を感じ取りやすい場合があります。

これは、今回の大きな発見でした。


4銘柄の違いを整理してみます

今回感じた違いを、簡単に整理すると次のようになります。

サッポロ生ビール黒ラベル

枝豆の香りが立ちやすく、麺とビールが自然になじみました。

料理とビールの境目が薄くなり、結果として非常に飲み進みやすい組み合わせでした。

「ビール泥棒」度はかなり高めです。

アサヒスーパードライ

焼そばと合わせても、ビール自身の輪郭が比較的はっきり残りました。

料理との一体感よりも、スーパードライらしいキレや爽快感が独立して感じられます。

合わないわけではありませんが、今回の4本の中では「料理と溶け合う」という方向性からは最も遠い印象でした。

キリン一番搾り生ビール

麦の味わいと焼そばの穀物感が自然につながります。

派手な変化はありませんが、違和感なく寄り添う組み合わせです。

黒ラベルほどビール泥棒にはなりませんでしたが、安定した相性の良さがありました。

ザ・プレミアム・モルツ

焼そばの味わいに厚みが出て、口の中で非常によくなじみました。

黒ラベルとは少し違う方向から、一体感が生まれます。

こちらもかなりのビール泥棒でした。


なぜこれほど差が出たのでしょうか

今回の「明星 東京デザイン専門学校コラボ 今日もおつ豆さま えだ豆味焼そば」は、濃いソース味で押してくるタイプではありません。

麺。枝豆。塩味。油分。

比較的シンプルな構成です。

だからこそ、合わせるビールの特徴が見えやすかったのではないかと考えています。

黒ラベルやプレモルでは、ビール側の麦の旨味やコクと、麺や枝豆の穀物的な味わいに連続性が生まれました。

その結果、料理とビールを別々に感じるよりも、一つの味わいとして感じやすくなったのかもしれません。

一方、スーパードライでは、料理との共通項よりも、キレのよさやビール自身の輪郭が強く残りました。

一番搾りは、その中間に位置する印象です。

もちろん、これは成分分析による結論ではありません。

あくまで実際に食べ、飲み、口の中で合わせたときの官能的な印象から考えた仮説です。

ただ、

「どのビールでも同じように合うわけではない」

ことは、今回かなり明確に感じられました。


「合う・合わない」より、「何が起きたか」を楽しみたい

ペアリングでは、ときどき、「この料理にはこのビールが合う」という言い方をしたくなります。

しかし、本当はもう少し自由でいいと思っています。

今回のスーパードライも、「合わない」と断定するほどではありませんでした。

むしろ、料理の味を残しつつ、ビールはビールとして楽しみたい人なら、この組み合わせを好む可能性もあります。

黒ラベルやプレモルのように一体化していくペアリングが好きな人もいます。

一番搾りのように、穏やかに寄り添う組み合わせが好きな人もいます。

ですから、「合うか、合わないか」だけを見るより、

合わせたときに、料理とビールがどう変化するのか

を感じてみる方が、ペアリングはずっと面白くなります。


生成AIは「正解」ではなく、検証のきっかけになりました

今回、生成AIに聞かなければ、黒ラベル1本だけで終わっていたかもしれません。

ところが、「スーパードライは合いにくいかもしれません」と言われたことで、

「本当に?」という疑問が生まれました。

そしてスーパードライを開けました。

そこで違いが出たから、一番搾りも開けました。

さらにプレモルまで開けました。

気付けば4本です。

生成AIの回答が正しかったかどうか以上に、

生成AIの回答を疑ったことで、比較検証が始まった

という点が面白かったと思います。

AIはペアリングの答えを決めるものではなく、

「これを試してみたら?」

と仮説を出してくれる存在として使う。

そのくらいが、ビールを楽しむうえではちょうどいい距離感なのかもしれません。


結論。「今日もおつ豆さま」はビール泥棒でした

最初は、「ビールに合うと書いてあるから、ちょっと試してみましょう」くらいのつもりでした。

ところが、結果的には定番ビール4銘柄を開けて比較することになりました。

今回、とくに「ビール泥棒」になったのは、

サッポロ生ビール黒ラベルと、ザ・プレミアム・モルツ。

一番搾りも自然によく合いました。

スーパードライは、料理と一体化するというより、ビール自身の個性を残しながら合わせるタイプでした。

そして、まだ試していないヱビスビール。

もしヱビスまで大泥棒だったら、運命の恋人が三つ巴です。

これはぜひ、続きを検証したいところです。

そして今回、改めて感じました。

普段何気なく飲んでいる定番ビールでも、ひとつの料理を用意して複数銘柄を比較すると、驚くほど違いが見えてきます。

ビールに詳しくなくても構いません。

専門用語で説明できなくても構いません。

「こっちだと枝豆がおいしく感じる」

「こっちはビールの味が残る」

「こっちは、なぜかどんどん飲んでしまう」

それだけで十分です。

そこから、「なぜでしょう?」と考えてみる。

それもまた、ビールの楽しみ方のひとつです。

ということで、今回の結論。

「今日もおつ豆さま」は、なかなかのビール泥棒でした。

次はヱビスです。

恋人三つ巴になるのか。ならないのか。

これは実際に飲んで確かめたいと思います。

動画でも楽しくご紹介しています!是非ご覧くださいね。

※本記事のペアリング評価は、筆者および出演者による試食・試飲時の官能的な感想です。各商品の品質や優劣を示すものではありません。

※生成AIによる提案は、入力した条件に対して生成された回答の一例であり、各メーカーの公式な推奨ペアリングではありません。

※お酒は20歳になってから。飲酒運転は法律で禁止されています。適量を楽しみましょう。

※記事に掲載されている内容は取材当時の最新情報です。情報は取材先の都合で、予告なしに変更される場合がありますのでくれぐれも最新情報をご確認いただきますようお願い申し上げます。

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この記事を書いたひと

MJ

ビアジャーナリスト/Youtube JBJA Channelプロデューサー

ビールと昆虫とリコーダーと天然石が大好きです。JBJAではイベントサポートやBJAチューターも楽しんで取り組んでおります。人に寄り添う記事作成を心がけ、JBJA公式動画サイトJBJAchannelではMCを担当しております。
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