[JBJA活動]2014.2.3

ビールについて淡々と勉強する 歴史その2

 こんばんは。酒屋好きの池田です。現在行きたい酒屋さんは千住の成田屋酒店さんです。

・最初の輸入ビールはバートン・アポン・トレントから

 前回はコープランドの名前が出てきたところまで。1858年(安政5年)に部分的に(箱館・兵庫・神奈川・長崎・新潟)開国した日本ですが、その中でも最も江戸に近かったのが横浜。自然と各国の商館が軒を連ねるようになります。最初期に輸入されていたビールは、ロンドンから北西に200㎞くらい、バーミンガムのちょっと上にある街、バートン・アポン・トレントの2種、「オールソップ Allsopp」と「バス Bass」です。

DSCN1536

 バスは言うまでもありませんね。今でも飲むことができます。オールソップは、岩倉具視ら使節団が直接視察したそうで、19世紀にはバスと共にアジア向けの展開を大々的に行っていたメーカーですが、最終的には1971年にアライド・ブルワリーズに合併されています。明治期のエールは結構苦かったという記載があり、輸出用ということでIPAみたいに苦みが強めだったのかもしれません、。

・「オールソップ」を検索するのに30分かかった

 ところで、ネットでメーカーを探すとき、英語のつづりがわからない時がありませんか。私はよくあります。ちょっとした綴りの間違いでつからないんですよね。今回も、読んでいるのが日本語の本で、綴りの記載がないため、検索しても出てこず、見つけるのに30分以上かかってしまいました。意外とアルファベットが1つ抜けているだけで出てこないものです。

 探す過程で、綴り違いに気を付けよう、という例としてまさにふさわしい、こんな記事がありました。

http://www.newlifeauctions.com/allsopp.html

 160年前に醸造されたオールソップのビールがネットオークションのE-bayに出品されます。1852年に醸造されたビールとのことですから、明治期に輸入されていたものと大体同じでしょう。

290ドルからのスタートで、手を挙げたのはたった二人、落札額は304ドル。

その8週間後、落札者が再びE-bayに出品したところ、56人が参加、なんと50万ドルになったというのです。

 なぜこんなことが起こったか。「ALLSOPP」の最後のPが抜け、「ALLSOP」になっていたため、検索にひっかからなかった、というのです。
恐ろしい話ですね。気を付けましょう。

・他のビールはなかったのか

 1860年代には、すでにビールは一定の人気を得ていたようです。1869年(明治2年)~70年(同3年)にはローゼンフェルトRosenfeldtにより「ジャパン・ブルワリー」、コープランドCopelandにより「スプリング・ヴァレー・ブルワリー」、ヘフトHegtにより「ヘフト・ブルワリー」が創設されます。ちなみに「ジャパン」は74年(明治7年)には早くも閉鎖、「ヘフト」も間もなく閉鎖してしまったようです。のちの麒麟麦酒である「スプリング・ヴァレー」は1884年(明治17年)にいったん倒産してしまい、再生します。昨日各ブルワリーの跡地を撮影しようと思ったのですが、失敗しました。再訪し、リベンジしたいと思います。

 日本人によるものとしては、72年(明治5年)には大阪に「渋谷(しぶたに)麦酒」が、74年(同7年)に甲府(!)で「三ッ鱗麦酒」、77年(同10年)には「札幌開拓使麦酒(北海道)」、79年(同12年)に「桜田麦酒(新橋→紀尾井町)」、84年(同17年)に「朝日麦酒(大阪)」「恵比寿(現恵比寿だが昔は三田村と呼ばれた)」、85年(同18年)に「浅田(現在の中野あたり)」などが続きます。結構あるんですよね。

 桜田麦酒は、もとは「醗酵社」といいました。昔の桜田本郷町、今の西新橋1丁目~新橋1丁目のあたりです。
西新橋
 
 現在では面影もありませんが、このあたりでビールを製造していました。翌年には、水の問題などがあり紀尾井町に移転してしまうようですが。

 現在、そのころの名残を残す場所として、ビールとは関係ありませんが、洋菓子店「田村町キムラヤ本店」があります。明治33年創業、桜田本郷町に店を構え、今に至ります。

田村町キムラヤ

 海外のビールとしては、ドイツから輸入された「ストックビール」がかなりの人気をほこったとのこと。これはフレンスブルガーを製造するフレンスブルグ醸造所が製造していました。「すっきりしてうまい」ということで、バスをはじめとしたエールを駆逐していきます。ちなみに、「エールは苦い」という評価だったそうで、輸出用にホップが強めだったのかもしれません。

しかし、その5~6年後にはドイツビールも下火になり、ここからは国産ビールの時代になります。

次は、「新橋って言っても新橋じゃない」的な話になります、多分。


  • このエントリーをはてなブックマークに追加

※記事に掲載されている店舗のメニューや営業時間、イベント内容などの情報は予告なしに変更される場合があります。店舗のホームページやイベントの告知ページなどをご確認の上、ご来店・ご来場くださいますようお願い申し上げます。

日本ビアジャーナリスト協会 公式facebookページ

公式facebookページの右上にある「いいね」をポチッとしてくださいね。よろしくお願いします!

02001池田大輔

この記事を書いたひと

池田 大輔

ビアジャーナリスト

ビールを造る人、売る人、飲む人に興味があって、突撃取材で話を聞くのが好きです。 取材を通して、ビールを楽しむシーンがもっと広がる楽しみを皆さんと共有できたら嬉しいです。

このエリアに掲載する広告を募集しています。
詳しくはこちちよりお問い合わせください。