[JBJA活動]2015.7.23

【意外なビアスポット探訪】掛川花鳥園で飲める「フクロウビール」の秘密

各地で梅雨明けが発表され、いよいよ本格的な夏を迎えます。
ビアラバーの皆様、夏のご予定はお決まりでしょうか?
海でビール、山でビール、BBQでビール、ビアガーデンも真っ盛り。
飲むにはもってこいの口実がゴロゴロしていますね。

旅先の観光スポットやレジャー施設でも、ついついビールに目を奪われてしまうのがビアラバーの性。行く先々でその地域やご当地食材・名物にちなんだ、いわゆる「地ビール」を見かけます。思わず手に取ってしまいます。しかし中には、

“ 一見何の縁もゆかりも無さそうなのに、なぜかそこにある ”

というビールもありませんか?
その謎の裏には秘められたドラマやロマンがあるのかもしれません(ないのかもしれません)。そこで、思いがけない場所で遭遇するビール&ビアスポットを紹介し、できる限りその由来を探ってみるシリーズです。
※勢い余ってシリーズと書いてしまいましたが、シリーズ化できるほどネタが集められるのか不安なので不定期連載です。


 猛禽好きにはたまらない、鳥パラダイス

P1250319_1『掛川花鳥園』

東名掛川ICから車で5分、JR掛川駅から徒歩15分。
手前味噌で恐縮ですが、子供が生まれてから年数回は訪れているホームです。
一年中色とりどりの花が咲き誇る温室内で、フクロウやインコなどの鳥類とふれあえるテーマパークです。全天候型だから雨の日でも安心。
ここに、謎のビールがあります。

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入口から受付担当りり嬢がお出迎え。いつか本気で飼いたいと思ってる体長20㎝程のアフリカオオコノハズク

 

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すぐ横にはフクロウやミミズクなど大型猛禽類の展示室があり、早くも猛禽好きのテンションはダダ上がり

いつ見ても不可解なメンフクロウの寝顔(平常時は半分に切った梨にしか見えない)

いつ見ても不可解なメンフクロウの寝顔。平常時の顔も「半分に切った梨」にしか見えない。比べてみてほしい

大温室内では、手を伸ばせば届きそうな位置にフクロウが休んでいます。

鳥は朝の方が活発なので午前中がおすすめ。午後になると寝ているかほとんど動かない

鳥は朝の方が活発なので午前中がおすすめ。午後になると寝ているかほとんど動かない

かっこいい! でも決して目を合わせてはくれない

予想以上にハードなふれあい

広大な温室内ではエリアごとに鳥が放し飼いにされており、文字通り自由にふれあえます。

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エサを持つとインコが一斉に飛来して、頭だろうが背中だろうがお構いなしに突っつかれるという超絶鳥モテ期が味わえる(ひっかき傷にならないように、ちゃんと腕カバーが用意されている)

鳥好きには鳥パラダイスですが、鳥嫌いには鳥地獄ともいえます(昔、鳥が苦手な義妹をそうとは知らずに連れてきてトラウマを植え付けたことが悔やまれます)

迫力満点のバードショー

ショータイムでは羽が顔に当たるぐらい低空飛行で飛来するフクロウや、疑似餌にアタックするハヤブサの狩りが見られます。

あの巨体でよく飛べるなと思いますが、羽毛なので見た目よりずっと軽いとか

あの巨体でよく飛べるなと思うが、羽毛なので見た目よりずっと軽いとか

めったに拝めない、走るフクロウ。胸キュンもの

めったに拝めない、走るフクロウ。ポテポテした走り方が胸キュンもの

ショーの合間にはフクロウやハリスフォークを腕に乗せて記念撮影も。
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もっふもふで最高の気持ちよさ。でもこの子も目を合わせてくれなかった

もっふもふで最高の気持ちよさ! でもこの子も目を合わせてくれない

ちなみに私のプロフィール画像も、掛川花鳥園のハリスホークのよしのさんです(発情期のため、しばらくふれあいはお休み)。屋外にはエミューの牧場やペリカンや白鳥が佇む池もあり、ここでもふれようと思えばふれあえます。

神話ロマンが息づく「フクロウビール」

お待たせしましたが、ようやくビールの話です。
P1250449_1園内のレストランエリアで販売しているのがこちら。
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フクロウビール(税込515円)

やや濃いめの琥珀色に、注ぐとふわっと広がる柑橘系ホップの香り。程よい苦みが調和しつつも、全体的にスッキリして癖のない、とても綺麗な味わいです。
スタイルはエール初心者でも飲みやすい、ライトでスタンダードなイングリッシュ・ペールエール。

フクロウのマークといえば馴染み深いのが木内酒造さんの『常陸野ネストビール』ですが、こちらはネストビールとは全く関わりのないフクロウビールです。
こんなに美味しいペールエールが花鳥園にあるなんて……!
ラベルを見ると、

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製造者は鳥取県の「久米桜麦酒株式会社」

そう、実はフクロウビールの中身は「大山Gビール」で有名な、
久米桜麦酒株式会社のペールエールなのです。
いったいなぜ静岡のレジャー施設に大山Gビールが……?

――そこで、関係各所に問い合わせて判明した「フクロウビール」の由来。

●もとは2003年開園の『掛川花鳥園』より先に、2001年に島根県松江市で開園した『松江フォーゲルパーク』で販売を開始した。
●企画したのは花鳥園グループの創業者であり、静岡県掛川市で代々続く旧家の当主、加茂元照氏。加茂氏の遠縁に山陰地方の企業があり、そのグループ会社である久米桜麦酒株式会社が受託製造することに。
●その後、『掛川花鳥園』(現在は別会社が運営)や富士花鳥園、神戸どうぶつ王国(旧、神戸花鳥園)でも取り扱うようになった。
●現在は『掛川花鳥園』と『神戸どうぶつ王国』の2園で販売中。

 

しかしこのラベル。家族向けレジャー施設に置くビールにしては、かなりシリアスなデザインです。闇を背負っているわ目はランランと輝いているわ、正直ちょっと怖い。

実はこのラベルは花鳥園グループの創業者、加茂元照氏のデザインで、描かれたフクロウは「ミネルヴァの梟」。国内屈指の鳥類コレクターであり、フクロウ研究の第一人者でもある加茂氏は、梟と深い関係があるギリシャ神話についても調べ上げ、古代ギリシャ文明の遺跡が数多く残されている地中海のクレタ島を幾度も訪問。そこで「クレタ島の考古学博物館に収蔵されたミミズクの彫刻」に感銘を受けてモチーフにしたそうです。
ギリシャ神話でミネルヴァは知恵の女神、フクロウはその化身であり使者であることから、昔から西洋においてフクロウは「知恵の神様」とされています。
日本でも長寿の象徴や、縁起物として愛されていますね。

ラベル下にあるドイツ語の文言は、「ミネルヴァの梟」の有名な一文。

ラベル下のドイツ語の文言は、ドイツ人哲学者ヘーゲルの『法の哲学』の序文にある「ミネルヴァの梟は黄昏どきに飛び立ち始める」という有名な一説

ドイツ人哲学者ヘーゲルの『法の哲学』に記された「ミネルヴァの梟は黄昏どきに飛び立ち始める」という序文。解釈には諸説あるが、フクロウは夕方になると活動を始めることから、「歴史や時代が闇に包まれたとき(つまり終焉を迎えるころ)、新たな知恵が生まれ、新時代を築いていく」という意味があるそう

ドイツ文学にも造詣が深い加茂氏は、ドイツ人とビールの切っても切れない関係も踏まえ、英知の象徴である「ミネルヴァの梟」をイメージしたビールを造ることにしたとか。 ちなみにラベルのフクロウ(ミネルヴァの梟)の種類は、ミミズク科では世界最大級の「ヨーロッパワシミミズク」だそうです。
リアルなフクロウラベルにこれほど文学的、哲学的背景があったとは!
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現在は「掛川花鳥園」と「神戸どうぶつ王国」のみで販売中のフクロウビール。
訪れた際は、是非このビールを飲みながら、フクロウと神話の深い世界に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。

フクロウのロールケーキもお供に!(レストランエリアではインコに突っつかれず、安心して味わえる)

フクロウのロールケーキもお供に!(レストランエリアではインコに突っつかれず、安心して味わえる)

涼しげなフクロウの手びねりグラスもあります

フクロウ好きビアラバーの方は、涼しげなフクロウの手びねりジョッキをお土産に


【取材協力】

掛川花鳥園、 久米桜麦酒株式会社、松江フォーゲルパーク、松江市観光文化課
加茂荘花鳥園/加茂元照氏

 

掛川花鳥園

住所:静岡県掛川市南西郷1517
電話:0537-62-6363
アクセス:東名高速掛川ICより車で5分、 JR掛川駅より徒歩15分(バスあり)
営業時間:平日9:00~16:30(最終入園16:00)、土日祝9:00~17:00(最終入園16:30)
定休日:年中無休(GW、お盆、年末年始は土日祝の営業時間)
公式ホームページ:http://k-hana-tori.com/
※2015年5月時点

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この記事を書いたひと

山口 紗佳

ビアジャーナリスト/ビアライター

1982年愛知県知多半島出身。結婚情報誌のディレクターを務めた後、東京の編プロで企業広報、教育、文化、グルメ、健康、美容、ライフスタイル、アニメなど多媒体の制作経験を経てフリーの物書きに。静岡県西部より家族で楽しめるビアライフをお送りします。休日はグラウラーを積んでオートバイでツーリング。猛禽と赤も好き。
■実績:『世界が憧れる日本酒78』(CCCメディアハウス)、『東京カレンダー』(東京カレンダー)、グルメ情報サイト『メシ通』(リクルート)、ダッシュエックス文庫(集英社)各種ツール制作

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