[イベント]2010.9.27

オクトーバーフェスト2010

 2010年9月18日(土)-19日(日)、日本ではジャパンビアフェスティバル横浜、アメリカではグレート・アメリカン・ビア・フェスティバル(デンバー)、そしてドイツではオクトーバーフェスタ(ミュンヘン)がおこなわれていた。まさに、地球を三分する(?)ビアフェスの集中日だったのだ。

 特にドイツのオクトーバーフェストは1810年の初回から数え200周年の記念式典でもあり、多いに盛り上がった。
 直訳すると「10月祭り」であるオクトーバーフェストは「10月第1日曜を最終日とする16日間」と決められている。どちらかというと“ほとんどの日が9月”ということになる。元々は10月のお祭りだったのだが、盛り上がりとともに期間を延長していった際、気候の問題などもあり、前倒しにして“ほとんどの日が9月の10月祭り”となったのだ。
 ちなみに、オクトーバーフェストの起源は古く、秋の収穫を祝うお祭りだった。そして、収穫された麦でビール造りを始める為に去年造ったビールを飲み干すお祭りだったのだ。そーしないと、樽が空かないから。そんなわけで、「収穫祭+新しいビールを造るために樽に残っているビールを飲み干す」お祭りが10月に行われていた。
そんなオクトーバーフェストが、現代のように世界的なお祭りになるのは1810年10月に行われたバイエルン王太子ルートヴィヒとテレーゼ・フォン・ザクセン-ヒルトブルクハウゼンの盛大なる結婚式披露宴からである。それ以降、毎年盛大になり、各国から観光客が集まるビッグ・イベントに成長していった。

 会場はミュンヘン中央駅から徒歩15分程度の「テレージエンヴィーゼ」という緑地でおこなわれる。ここに巨大なテントがいくつも建てられ、ミュンヘンはもちろん世界各国から集まったビール好きが飲み喰い唄い踊る。
 この会場で飲むことが出来るビールは「オクトーバーフェスト・スタイル」と呼ばれるビールで、マースと呼ばれる1リットル入りのジョッキで供される。他の選択はない。1杯飲み干したあとにおかわりすると2リットル、その次は3リットルという具合である。「もうひとくちチョビッと飲みたいなぁ」などということは許されない。「飲むからには最低ロット1リットルでお願いします」ということだ。
 ところが、これがなぜか不思議とスイスイ飲めてしまう。味わいは、日本の大手メーカーが造るピルスナー・スタイルのビールをモルト感ホップ感アルコール感のすべてをほんの少し高めにしたとイメージしてもらえばわかりやすいだろう。これが数リットル、飲めてしまう。なぜだろう? 個人的には、カーボネーション(炭酸の強さ)が低いことと、供される温度が若干高い(キンキンに冷えているという感じではない。日本のビールファンの中には「生温い」と感じる人もいるかもしれない程度の温度)というのが理由ではないかと感じた。また、ミュンヘンのカラッとした気候のせいなのかもしれない? 
 
 
 さらに詳しい画像やレポートは「藤原ヒロユキ日記」http://fujiwarahiroyuki.blog38.fc2.com/の9/18と9/20に掲載されています。

※記事に掲載されている内容は取材当時の最新情報です。情報は取材先の都合で、予告なしに変更される場合がありますのでくれぐれも最新情報をご確認いただきますようお願い申し上げます。

(一社)日本ビアジャーナリスト協会 発信メディア一覧

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この記事を書いたひと

藤原 ヒロユキ

ビール評論家・イラストレーター

ビアジャーナリスト・ビール評論家・イラストレーター

1958年、大阪生まれ。大阪教育大学卒業後、中学教員を経てフリーのイラストレーターに。ビールを中心とした食文化に造詣が深く、一般社団法人日本ビアジャーナリスト協会代表として各種メディアで活躍中。ビールに関する各種資格を取得、国際ビアジャッジとしてワールドビアカップ、グレートアメリカンビアフェスティバル、チェコ・ターボルビアフェスなどの審査員も務める。ビアジャーナリストアカデミー学長。著書「知識ゼロからのビール入門」(幻冬舎刊)は台湾でも翻訳・出版されたベストセラー。近著「BEER HAND BOOK」(ステレオサウンド刊)、「ビールはゆっくり飲みなさい」(日経出版社)が大好評発売中。

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