[イベント]2018.2.4

明日使えるbeer知識(1) パイントオンスは何mL?

オンスパイント単位明日使えるbeer知識歴史
いきなりですがマルバツ問題です。
1.「1Pint」は、「500mL」のことである。
2.「12oz」は、「330mL」のことである。

缶や瓶ビールを購入した時や、ビアバーでビールを頼んだ時、見かける単位たち。
勘違いしやすいこれらを見ていきましょう。

 

まずは「Pint」、これは「パイント」と読まれます。
パイントはアメリカとイギリスで異なり、アメリカでは1パイント=「473mL」、イギリスでは1パイント=「568mL」です。
アメリカのパイントを”USパイント”、イギリスのパイントを”UKパイント”と言うことがあります。
筆者は「ヨーロッパだから”ゴーロッパ(568)”、ちなみ(473)にアメリカよんななさん」と(割と無茶な)語呂合わせで覚えています。

 

次に「oz」、これは「オンス」と読まれます。
このオンスもアメリカとイギリスで異なり、アメリカでは1オンス=29.57mL 、イギリスでは1オンス=28.41mLです。
アメリカでは12オンス=約355mL、イギリスでは12オンス=約341mLです。
オンスは物の重さ(質量)と物が占める量(体積)の2つがあります。すると「12オンス」と言っても、それが重さなのか体積なのかわからなくなる場合があります。
その為、特に液体の場合、「fl oz」と書いています。

 

では、なぜアメリカとイギリスでパイントとオンスの量が違うのでしょうか。ちょっと歴史のお話。
簡単にまとめると
  • 昔、イギリスでは一口に「1ガロン」と言っても、ものによって1ガロンの量が異なってた
  • コーン専用ガロンやワイン専用ガロンがあり、◯◯専用ガロンは10を超えていた
  • アメリカはイギリスの植民地時代、イギリスの単位を使っていた
  • アメリカ独立後、アメリカはイギリスの「ガロン」を2つ引き継いだ(乾物専用のコーンガロンと液体専用のワインガロン)
  • →この「ガロン」が今日使われている(1ガロン=8パイント、1パイント=473ミリリットル)。
  • 19世紀にイギリスは新たに「ガロン」を制定、ルールを1本化した
  • →この「ガロン」が今日使われている(1ガロン=8パイント、1パイント=568ミリリットル)。
それでは詳しく見ていきましょう。
西暦500年〜1000年ごろ、体積の単位がありませんでした。そこで、素性の知れたものの、特定の重さを用意し、その時の量を”1ガロン”にしていました。
例えば小麦の場合、「重さ8ポンドの小麦の体積を1ガロンとする」と決められました。
ただ、「同じ重さならば同じ体積になる」とは限りません。例えば同じ1kgでも、鉄と発泡スチロールでは体積が違います。
即ち、8ポンド用意しても、ものによって体積が異なります。
そこで、いろんなものの8ポンドをもってきて、それぞれのもの専用の1ガロンを作り始めます。
小麦専用ガロン、ビール専用ガロン、ワイン専用ガロンなどなど。
その結果、11世紀から17世紀の間、乾物や液体の体積を測る「ガロン」の種類は10を超えていました。
更に、乾物の場合
・2ガロンは1ペック、4ペックは1ブッシェルとする(8ガロン=1ブッシェル)
というルールが作られ、液体の場合
・1ガロンは4クォート、1クォートは2パイントとする(1ガロン=8パイント)
と決められます。なぜか液体と乾物で、異なった定義が作られていきます。

 

色々なガロンがあると、使いづらいし、計算ミスするし、といろいろと問題が出てきます。
これでは使いづらいので、代表的な3種類の「ガロン」を除き、それ以外は使わなくなりました。
代表的な3種類の「ガロン」は下記の通りです。
・1エールガロンを282立方インチと定める
・1ワインガロンを231立方インチと定める
・1コーンガロンを268と1/5立方インチと定める

 

さて、アメリカはイギリスの植民地である時代がありました。
すると、様々な単位もイギリスから到来し、アメリカで使わるようになります。
そして18世紀にイギリスから独立した時、単位の整理を始めます。
この時、乾物には「コーンガロン」を採用し、液体には「ワインガロン」を採用すると決めました。
これが今日でもアメリカで使われている「ガロン」です(1米ガロン=231立方インチ=3.79リットル)。

 

19世紀、イギリスは「10ポンドの水を1ガロンと定める」と決め、さらに「乾物も液体も同じガロンを使う」と定めることにしました。
この1ガロンは計算すると277.42立方インチでした。これがイギリスで使われた「ガロン」です(1英ガロン=277.42立方インチ=4.55リットル)。

 

1ガロン=8パイントでした。そのため、アメリカの1パイント=473ミリリットル、イギリスの1パイント=568ミリリットルとなりました。
このように、アメリカとイギリスでパイントのサイズが異なるようになりました。

 

オンスは、もうひと話あります。
アメリカのガロンは、「1ガロンは8パイント、1パイントは16オンスと定める」
と決められていました。その為、
1パイント=16オンス
→1オンス=473/16ミリリットル=29.5ミリリットル
となります。
しかしイギリスのガロンは定義の関係上、1パイント=20オンスとなっていました。
その為、
1パイント=20オンス
→1オンス=568/20ミリリットル=28.4ミリリットル
となっていました。

 

このように紆余曲折あり、今のパイントやオンスができたのです。
パイントはヤード・ポンド法で使われる単位で、リットルはメートル法で使われる単位です。
今、イギリスはメートル法を使っています。そのためヤード・ポンド法の単位でありパイントは、パブなどのごく一部でのみ使われています。
ということで、冒頭のマルバツクイズの答えはこちら
1.× 1Pintは、USパイントなら473mL、UKパイントなら568mL
2.× 12ozは、アメリカなら約355mL、イギリスなら約341mL

 

参考文献
・単位の歴史―測る・計る・量る 著者:イアン・ホワイトロー 発行所:(株)大月書店
・続 単位のお話 改訂版 著者:小泉 袈裟勝、山本 弘 発行所:(財)日本規格協会
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ヒラカワ タカシ

この記事を書いたひと

ヒラカワ タカシ

ビアジャーナリスト

1988年横浜生まれ、大事なことは漫画やゲームから学んだ人。第11期生大声担当であり、卒業発表で唯一マイクなしで挑んだ男。好きな数字な72。
色々と途方に暮れた時ビールと出会い、麦酒道に進むことを決意する。
お酒はなんでもござれ、ビールワイン焼酎日本酒...なんでも飲む。ビールも様々な種類を飲む。中でも好きなのはIPA。

趣味はゲームに飲酒と旅行。鉄道旅が好きで、鈍行の旅を楽しむことも。下調べをほとんどせずに行き、ノープランで歩き回るのも楽しいんですよ。
「のんびり楽しくゆる~りと」をモットーに活動。

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