2023年7月15日（土）にデビューする東武鉄道の新型特急「SPACIA X」。1号車「コックピットラウンジ」内にオープンするカフェカウンターで、全国のブルワリーと共創したオリジナルビールが飲める「X BEER PROJECT」がスタートします。

「SPACIA X」とは？

東武日光線・特急スペーシアの意志を受け継ぎ、正統進化を遂げた新型車両です。伝統と革新の融合を目指して、随所に江戸文化の精髄や日光の要素を取り入れながらエクステリア、インテリア、パフォーマンスなどそのすべてをアップデートしています。

外観は栃木県鹿沼に伝わる組子や竹編み細工といった江戸の手仕事を思わせる丁寧につくられた工芸品のような佇まいで大切なものを包み込んでいるかのようなデザインです。車体のカラーリングは日光東照宮陽明門・唐門・御本社に塗られた「胡粉」の白を彷彿とさせる高貴な白をイメージしています。

車両にもこだわっています。1号車は「コックピットラウンジ」で、現存する日本最古のリゾートホテル「日光金谷ホテル」や大使館別荘などをモチーフに、気品高く落ち着きのある空間とした車両は「時を超えるラウンジ」がコンセプトです。

2号車の「プレミアムシート」は、2列タイプと1列タイプの2種類。シートは、東武鉄道初となる電動リクライニングやネックサポート式可動式枕で、後部座席を気にすることなくリクライニングできるバックシェル構造になっています。

さらに5号車の一部は、パーティションにより周囲を遮った向かい合う2シートによる半個室「ボックスシート」。6号車はスペーシアの個室をアップデートした「コンパートメント」と、車内も個性あふれる座席で旅を盛り上げます。

「X BEER PROJECT」第1弾は伊勢角屋麦酒

色々と見どころのある「SPACIA X」ですが、ビールファンの注目は車内でどんなビールが飲めるのかではないでしょうか。

中心となるビールはNikko Brewingが担当。7月15日（土）からは「NIKKO LAGER（イタリアンピルスナー）」が登場します。こちらは「わびさび」という日本文化にも通ずる考え方に、ドライホップという革新的な製法を取り入れて日光らしい「和魂洋才」を表現。ファインアロマホップの上品な香りと飲み飽きない味が楽しめます。この他にシーズナブルビールもあります。第1弾は栃木を代表するいちごを使用した「ICHIGO ALE」です。

そして、「X BEER PROJECT」に参加するブルワリーのビールが飲めます。

「X BEER PROJECT」は、全国のブルワリーと企画・共創するプロジェクトで、地域の水や食材、人の手によって造られるクラフトビールと「SPACIA X」が交わることで、これまでになかった出会いや発見、新しい価値を共創して新しい旅行やライフスタイルを提案するものです。

第1弾は「SPACIA X YUZU IPA」

第1弾は伊勢角屋麦酒とコラボレーション。ウエストコーストIPAをベースに、宮ゆずを使用した「SPACIA X YUZU IPA」です。

使用したのは、床井ゆず園の光と風を育む北緯36度の香り豊かな宮ゆず。本来ゆずは、暖かい土地での栽培が適していると言われていますが、床井ゆず園では様々な工夫をすることで、香りが強くきれいな果皮の品質が良いゆずを生産しています。

「SPACIA X YUZU IPA」の販売は7月15日から。無くなり次第終了です。

第2弾はT.Y.HARBOR BREWERY

9月1日（金）からはT.Y.HARBOR BREWERYとのコラボレーション「SPACIA X STRAWBERRY SOUR ALE」が販売予定。

使用するいちごは、伊澤いちご園で栽培された「とちあいか」を200㎏使用。「いちごの酸味だけではなく、サワー酵母が醸し出す酸味を生かしたサワーエールで、収穫して砂糖漬けにしたいちごと冷凍したいちごで醸造の準備をしています。さらに乳糖も加えることでストロベリージェラートをイメージした味に仕上げるつもりです」とT.Y.HARBOR BREWERYの阿部和永さん。

第3弾は富士桜高原麦酒

10月16日（月）からは富士桜高原麦酒が販売予定です。今回は豊かな香り漂う自家焙煎スペシャリティコーヒーと、日光連山から湧き出る豊かな水に恵まれた土壌で育った地元食材を使用して上質な時間を提供する日光珈琲とコラボレーションします。

「コーヒーが好きな人も苦手な人も楽しめるコーヒーヴァイツェンです。実は私自身、黒いビールは得意じゃなかったですし、コーヒーも苦手です。そんなところからスタートするビールです。今、日光珈琲さんと何度も打ち合わせしながらレシピを構想しています。食事にも合わせやすい味にするので期待していてください」と富士桜高原麦酒の宮下天通さん。

3種類のコラボレーションビールは、東武百貨店（池袋本店、船橋店）、東武宇都宮百貨店 宇都宮店、東武ストア（川越店、東武動物公園店、北千住店、桶川店、西国分寺店）、ゴルフ場（東武藤が丘カントリー便楽部、宮の森カントリー側楽部、星の宮カントリー倶楽部）、ホテル（宇都宮東武ホテルグランデ、日光金谷ホテル、中禅寺金谷ホテル）、商業施設（東京ソラマチ内（とちまるショップ、世界のビール博物館）、東京スカイツリー天望デッキ SKYTREE CAFEフロア340）、飲食店（P-144、Hama House、Marunouchi Happ. Stand & Gallery、T. Y. HARBOR Brewery SHOP（当該商品の量り売りのみの提供）でも購入することができます。

お酒を飲みながら過ごすことができるのは鉄道旅の魅力の1つだと思います。今後の栃木のビール旅の中心になりそうな「SPACIA X」。時期で変わるブルワリーのビールを味わいながら栃木をはじめとする北関東のビール旅を楽しむのはいかがでしょうか。