[テイスティング,ビアバー,ブルワー]2023.10.12

【ビールを通して感じる韓国⑫】釜山のブルワリー(5) 工場跡地でクラフトビール! Praha993@F1963(望美洞)

これまで釜山のブルワリーの直営店について何度か書いてきましたが、ソウルとは違い釜山では、残念ながら平日の昼間からクラフトビールを飲めるところはほぼありません。
私が釜山で昼にクラフトビールを飲みたいときに足を運んでいたブルワリーも、昨年12月に様子を確認しに行ったときには閉まっていて残念な思いをしました。ところが、今夏に営業を再開しているとの情報を得たので、先月改めて訪問してきました。
旅行中は曜日にかかわれず昼から飲める、飲みたいと思うこともけっこうあると思います。そこで今回はそのブルワリー「Praha993」を紹介したいと思います。

F1963とはどんな場所?

Praha993があるのは、釜山の水営区(수영구)の望美洞(망미동)にあるF1963という場所です。


F1963は、もともとは1963年から2008年まで45年間使われたワイヤー工場でした。閉鎖後、工場の建物は文化空間にリニューアル。工場を意味する英語「Factory」のFと、工場の創業年を足して「F1963」と名付けられました。館内には、カフェ、ギャラリー、書店などが入店しているので、ゆったりと時間を過ごすことができます。

(2022年12月撮影)

F1963の真ん中には、F1963スクエアと呼ばれる屋外スペースがあり、イベントが開催される空間としても使用されています。

建物の入り口の向かい側には、ワイヤー製造設備があった工場の床を利用して造られた「音の道」と呼ばれる竹林の散歩道もあり、歩いていると、風で竹の葉が触れ合う音や水の流れに癒されます。

自然と芸術、そして人と文化がひとつになって誕生した文化空間、それがF1963です。

Praha993

F1963の建物に入ってすぐ左手にあるPraha993は、チェコスタイルのビールを提供するブルワリーです。ランチタイムから営業していることもあって、バーガーとパスタも売りにしています。


店内は明るく広々としています。奥には醸造タンクも見えます。


この日到着したのは14時を回ったところ。ランチを食べた最後のお客さんと入れ替わりになり、店内は他に誰もいない状態でしたが、ビールの4種飲み比べ(15000ウォン・約1650円)とハンバーガー(12000ウォン・約1320円)を注文することができました。ビールの4種は定番のラガー、IPA、ウィット、スタウトです。


複数で来ると、こんなお得なセットもよさそうです。

Praha993のビールは全体的にスッキリとした味わい。誰でも飲みやすい美味しいビールだと思います。前回飲んだのは2018年と5年ほど前。もう飲めないかも…と思っていたので、今回また味わうことができて嬉しく思いました。相変わらず昼から飲めることもありがたいです。

◎Praha993(F1963)所在地:부산광역시 수영구 구락로123번길 20(20, Gurak-ro 123beon-gil, Suyeong-gu, Busan)
営業時間 11:00~23:00(曜日によって変更あり・定休日なし)

Praha993(F1963)へ行くには…

最寄り駅は釜山地下鉄3号線望美(망미・Mangmi)駅です。徒歩だと20分はかかりますが、観光地ではないところを歩いてみるのも楽しいと思います。
駅の2番出口を出てすぐの高速道路の高架下は、B-CON GROUNDとしてお店やちょっとした集まりができるスペースとして使われています。


望美小学校のすぐ裏がF1963の敷地の裏口になっていて、そこからも入ることができます。この小学校か反対側にあるコストコ釜山店を目指して歩くとわかりやすいと思います。

(2022年12月撮影)


少し遠回りになりますが、水営史跡公園も近くなので、興味があれば寄ってみるのもいいかもしれません。

水営史跡公園(2018年12月撮影)

F1963は丘の上にあるので、どこから歩いても少しは急坂を上ることになります。もし歩くのがどうしても嫌なら、タクシーをお勧めします…

ルーフトップPraha993について

F1963以外にもPraha993の直営店が新しく誕生しました。
場所は地下鉄1号線の楊亭(양정・Yangjeong)駅の5番出口から徒歩数分の新しいビル(国際食品)の11階、ルーフトップです。

1階はちょっと高級そうなフードマートでした。

ビルの外からはPraha993が入っていることはわからなかったのですが、11階まで上れるエレベータの前にはちゃんと表示が出ていました。

訪問した日は日曜日でしたが早い時間だったためか、まだ人の気配がなく営業していないようだったので、今回は場所確認だけで飲むのは断念。やはり、ルーフトップは夜でしょうか? こちらは、今度機会があれば時間帯を変えて訪問してみたいと思います。

◎ルーフトップPraha993所在地:부산광역시 부산진구 거제대로 70, 국제식품 11층(11F, KukjeFood, 70, Geoje-daero, Busanjin-gu, Busan)

*参考文献:「CRAFT BEER KOREA(KOREAN CRAFT BREWERY GUIDE BOOK 2020)」BEER POST PUBLISHING
*100ウォンを約11円として換算しています
*撮影時期の記載のないものは、すべて2023年9月に撮影しています

PRAHA993釜山韓国クラフトビールF1963

※記事に掲載されている内容は取材当時の最新情報です。情報は取材先の都合で、予告なしに変更される場合がありますのでくれぐれも最新情報をご確認いただきますようお願い申し上げます。

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この記事を書いたひと

きただ ともこ

ビアジャーナリスト

ビールと旅と野球観戦が大好きです。
主に、ビールがどんな土地で造られてどんな感じで飲まれているかに関心があり、気になるビールが出来るとその地元を訪ねたくなります。日本全国たまには海外にも足を運び、特に国内は岩手、海外は韓国のクラフトビールに注目してきました。
ビール好きがきっかけで岩手にどっぷりはまり、2019年4月から岩手沿岸の仮設住宅に住みながらの仕事を経験。現在も岩手に拠点を置き、得た情報を実際にこの目で確かめながら、岩手中心に東北地方のビール事情を発信してきました。最近は、日本語での情報が少ない韓国のビールについても、現地に足を運んで手に入れた情報をもとに記事にしています。

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