[イベント]2012.3.9

山梨・甲府:“Outsider Brewery”の始まり – 03

アウトサイダーブルワリー丹羽智

山梨・甲府:“Outsider Brewery”の始まり – 02の続き:
このブルワリーの大きな特徴。それは、醸造家である丹羽 智さんが、醸造設備をいちからつくりあげた点だ。

「設計から設置、内装まですべて自分でやりました。設計図? 無いんです。内装も全部、頭の中でシミュレーションして指示してますから」

予算は決して潤沢とは言えなかったため、ブルーハウス(仕込み機械)は、インターネットで中古品を見つけ容量500Lのものを購入した。本来ならば同じ容量のタンクが必要なのに、中古品を探しても500Lがない。他のサイズは売っていたが、大きすぎて寸法的に入らない。仕方なく値段の安い中国でタンクを作ってもらった。オーナーのメイジャーさんのところへ集まるディーラーや情報サイトなど、有益だと思われるものをすべて精査し決めていった。

さらに安く設備を作るために、配管作業をすべてひとりで行った。外注すればとても予算内では収まらない。11月から工事をはじめ、3ヶ月かけてコツコツ手がけた、まさに手づくりだ。

コストを下げるための工夫のひとつとして、冷却装置の素材を変えたことが挙げられる。これまではステンレスを使用していたが、樹脂系の架橋ポリエチレンに変えた。樹脂でもアルコールを循環させて冷却でき、熱の交換率は変わらないことがわかった。プロピレングリコールに触れても腐食しないことは、事前に確認済みだった。

しかし、中古品を海外から購入した故の問題にもぶつかった。買ったブルーハウスの電圧が380V仕様だったのだ。国内規格である220Vで使えるようにするため、モーターやヒーターなどの部品を取り替えなければならないという、想定外の負荷がかかる。部品を調べ注文して取り寄せ、すべて自分で取り替えた。

「博石館時代も、機械据え付けの経験があったんです。その際にはイタリアからモーターカッターや切削機械などものすごく大きなプラントを輸入して、据え付けも外国人と一緒にやっていました。だから電気や機械のことは普通の人よりも知っているつもりではいたんですけど…、さすがに大変でしたね(笑)」■(04へ続く)


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003 野田 幾子

この記事を書いたひと

野田 幾子

ビアジャーナリスト/ビアアンバサダー

94年にベルギービール、96年に国産地ビールの美味しさに目ざめ、ビアアンバサダー活動を開始。2007年にビアバー・ビアパブムック『極上のビールを飲もう!』(エンターブレイン刊)の全体構成、執筆、編集を皮切りに、ほぼ毎年シリーズを刊行。雑誌でのクラフトビール特集の執筆/監修、共著、講習、イベント企画など多数。
食のキュレーションサイト「ippin」でクラフトビールキュレーターを務める。
http://r.gnavi.co.jp/ippin/curator/nodaikuko/

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