[テイスティング]2015.8.23

枝豆「と」発泡酒? いえ、枝豆「の」発泡酒です! 狛江市生まれの【こまえ~る】

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朝晩は少し涼しくなりましたが、まだまだ暑いですね~。世間的にも、あと1か月は空の下でビールを飲める機会がありそうです。
さて、ビアガーデンで注文するおつまみの定番といえば? そう、枝豆ですよね! そんな良き“相棒”枝豆で造られた発泡酒があるのを、ビアLoverの皆さんはご存じですか?
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その名も「こまえ~る」! 先日「KOMAE BEER FESTA 2015」の記事でも触れましたが、日本で2番目、東京都で最も小さな市・狛江市生まれの発泡酒です。

 
 原料
 大麦、麦芽、糖類、枝豆、ホップ、香料
 ABV
 4.5%
 麦芽使用率
  25%未満

 

さあ、何はさておき、テイスティングです……!
栓を開けてグラスに注ぐと、枝豆の甘い香りがホップの香りと混ざり合って立ち上ります。口に含むと感じられるのは、爽やかな酸味と程よいカーボネーション。飲んだ後は甘い豆の風味が口の中いっぱいに広がり、そのフレーバーは最後の一滴を飲み干すまで続きます。これは想像以上に枝豆! 麦芽25%未満ということもあり、“麦麦しさ”はあまり感じないかわりに清涼感豊かで苦味は少なめ。よ~く冷やして屋外でグビッと飲みたいタイプの発泡酒です。

販売しているのは、狛江市にある明治35年創業の老舗酒販店「籠屋」さん。実は開発も籠屋さん自身が携わっているんです。お店を訪ねて直接お話を伺ってみました。

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籠屋さんは創業明治35年。百十余年の歴史を感じさせる風格のある店構えです。


籠屋・秋元慈一さんインタビュー

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籠屋4代目の秋元慈一さん。

枝豆は狛江市の特産品

 

開発を担当した籠屋4代目・秋元慈一さんは東京農業大学醸造学科卒ということもあり、10年ほど前から「ビール(発泡酒)を造りたい」という思いを抱いていたのだそうです。

 

「ご存じの方は少ないと思いますが、枝豆は狛江市の特産品なんです。地元でも認知度は半数にも満たないらしいのですが……、それって特産品としてどうなんだ?と(苦笑)。『えだまめアイス』という商品も地元にあったのですが夏季限定販売なので、通年販売できるような商品があればいいのになあ、と思ったのが開発のきっかけです。そこで以前新潟ビールさんから、『うちでオリジナル商品を造りませんか?』というお話があったのを思い出し、枝豆を原料にした発泡酒の試作をお願いすることにしたんです」

 

開発はなかなか順調にはいかず、最初に上がってきた試作品はゴボウのように土臭く、決しておいしいとは言えないものでした。根気強く何度もやりとりを重ねた末、現在の味が完成したそうです。

 

 「枝豆の特徴を出しつつも飲みやすいものに仕上がればいいなと思っていました。最終的に上がってきたサンプルのいくつかを試飲した結果『これがいい』と直感し、生産・発売の運びとなりました。初年度(2012年)のものからレシピのマイナーチェンジはしていますが、最近のほうがより枝豆の香りが立つようになったなと感じますね」

 

ボトルのラベルは、秋元さん自身によるデザイン。狛江市は「絵手紙発祥の地」でもあるため、“絵手紙”風に仕上げました。「当時僕のポケットマネーで開発していたので、外注する予算もなくて」と照れ笑いしながらおっしゃっていましたが、手作りの温かみが伝わる素敵なラベルデザインですよね。

 

農家の若手にやりがいをもってもらいたい

 

こうして「こまえ~る」開発プロジェクトを遂げた秋元さん。手間暇かけ身銭を切ってまでプロジェクトを遂行した、そのモチベーションはどこから来るのでしょうか?

 

 「『造った人の見える商品を、顔の見える人に売りたい』というのが、僕のポリシーであり弊店の基本コンセプトです。うちは地元の農家にもつながりが多くて、こまえ~るの原料に使う枝豆は、僕が所属している消防団の分団仲間が作ったものなんです。常々、若手の農家と協力して楽しい仕事をしたいと思っており、農業団体のイベントにもよく参加しています。ですから市の活性化のために励んでいる人が大勢いることは知っていますが、それと同時に、農作業という重労働に日々追われる若手の姿も目に入ります。重労働を軽減してあげることができない分、少しでも『もっといいものを作りたい』とか『農業って面白い』と思ってもらえるように、彼らにお客さんの『おいしい』の声を聞いてもらう機会を増やしたいと思っています。何事もそうですが、能動的に動き始めた途端に見えてくるものってあるはずなので」

 

公言してはいないが、地元・狛江を盛り上げることは自分の使命だと思っていると語る秋元さんは、今年35歳。こまえ~る開発も10年計画でしたが、まだまだ改良の余地はあるとおっしゃいます。しかしこのプロジェクトも、秋元さんにとってはスタートにすぎないのだとか。老舗酒販店の4代目として、そして狛江市を盛り上げる一員として、未来を見据えた長期的な計画があるようです。

 

地発泡酒という考え

籠屋の品ぞろえは日本酒と焼酎が中心。

籠屋は日本酒と焼酎が中心。

さて、話をこまえ~るに戻しましょう。副原料に枝豆が使用され麦芽率25%以下であるため、いずれにしても日本の酒税法的にこまえ~るは「発泡酒」に属します。ボトル1本310ml入りで440円(税別)という価格は、クラフトビールファンにとっては驚くほど高くはありませんが、そうでない方からしたら……どうなのでしょう?

 

 「確かに、クラフトビールに馴染みのない方からすれば高いかも知れませんね。ただ、この『こまえ~る』は、クラフトビールというよりも“地ビール(発泡酒)”に属するものだと僕は思っていて。つまり、お客さん自身がご自宅で飲むためというよりも、ご親戚やご友人などに贈る“狛江のお土産品”として買っていただくシーンを想定しているんです」

 

なるほど。敢えて狛江市内のみで販売する理由も腑に落ちます。ところで、こまえ~るは何をおつまみに、そして何度ぐらいで味わうのがおすすめですか?

 

 「『いちばん合うのは狛江産の枝豆です』というのが模範解答なのでしょうが(笑)、すでにシーズンが終わってしまったので……。そうですね、枝豆を食べなくてもその風味を十分に感じられるので、敢えて鶏の唐揚げなどをおつまみにするのも良いかも知れません。持ち味である甘味を感じられるよう、あまり冷やしすぎず8℃くらいでお飲みいただくのが良いと思います。さらに温度の上昇に伴う香りの変化もお楽しみください」

 

なお、こまえ~るは籠屋さんの店頭購入以外に、通信販売での取り寄せも可能とのこと。また、下記の狛江市内の飲食店でも飲むことができます。百聞は一見、いや“一飲”にしかず! 気になった方はぜひ、テイスティングしてみてください!


【SHOPデータ】
籠屋(有限会社 秋元商店)
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ビール好きのスタッフの意見を積極的に取り入れて、クラフトビールの仕入れをしているそうです。

東京都狛江市駒井町3-34-3
Tel: 03-3480-8931 / Fax: 03-3489-2044
http://www.houzan.com/
火~土曜 9:00~20:00 / 日曜・祝日 10:00~20:00
月曜定休
★全国への宅配も受け付けています。詳細は上記の公式サイトまで。

 【こまえ~るを飲めるお店】

 

鳥政(とりまさ)
03-3489-1115
狛江市東和泉2-2-1

花水木(はなみずき)
03-3480-2687
狛江市岩戸北4-17-19

旬香(しゅんか)
03-3480-8919
狛江市中和泉1-2-13

太乃志(たのし)
03-3489-6455
狛江市岩戸北1-14-2

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くまざわ ななこ

この記事を書いたひと

くまざわ ななこ

ビアジャーナリスト/ビアライター

ビールとカレーと小田急線をこよなく愛するライター/エディター。インタビューの場数だけは踏んでいる自負があるので、その経験を活かしてビールに携わる人たちの思いを伝えるべく、ビアジャーナリストとしても邁進している。「小田急ビア散歩」「カレーをつまみにビールが飲みたいっ!」シリーズを連載中。

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