[ビアバー,ブルワー,新商品情報]2018.5.28

熊本のクラフトビールに火を熾す ~ CITRUS MAXIMA

Bar herringboneblé bléCITRUS MAXIMAFar Yeast Brewing熊本

CITRUS MAXIMA(シトラス・マキシマ) は、熊本のクラフトビールシーンをひっぱるBar herringbone(バー ヘリンボーン、以下herringbone)とblé blé(ブレブレ)の2店が共同で造ったオリジナル・ビールである。その名は原料に由来する。

CITRUS MAXIMA @blé blé 【写真提供:Bar herringbone & blé blé】

今、熊本のクラフトビール・シーンが熱い

Bar herringboneの川村氏は、もともと学生の頃からイギリスのビールやベルギービールが好きでアイリッシュパブなどに通っていた。そして前職で東京に住んでいた時に国産のクラフトビールに出会う。当時よく行っていた店でよなよなエールやTOSHI’S IPA(アウグスビール)を飲んで日本のクラフトビールの美味しさに気づく。
そこからいろいろなビアバーに行き、いろいろなビールを飲み、日本のクラフトビールに魅せられ、川村氏はビアバーをやりたいと強く思うようになった。
Bar herringboneを熊本市 新市街にオープンさせたのは4年前になる。

落ち着いた雰囲気の店内にはバリバリのロックが流れている【写真提供:Bar herringbone】

Bar herringboneは基本的にはカウンター主体のザ・バーという感じの店で、国産、海外含む計7種のビールをタップで提供している。
シンプルな内装で照明もビアバーらしからぬうす暗さ。落ち着いた雰囲気だが、店内にはバリバリのロックが流れている。

ビールのほかにもカクテルやウィスキーもあり、3時まで営業しているので遅い時間にはビール以外を飲む人も多い。

ここの空気の中で更けていく夜を愉しみたい【写真提供:Bar herringbone】

この店の魅力はその雰囲気だけではない。
Facebookに掲載されたある日のメニューを見てみよう。

新しいブルワリーや小規模なブルワリーがラインナップされている。都内のビアバーでもこれだけ揃うことはなさそうだ。【写真提供:Bar herringbone】

川村氏のこだわりは国産のクラフトビール。特に新しいブルワリーのビールを積極的につなぐ。熊本にあってこれだけの情報を仕入れ、出来たばかりのブルワリーでもどんどん仕入れて地元に紹介していくポリシーと行動力に圧倒される。

blé bléは熊本で一番最初に出来たビアバーである。

開放感のある心地良い店内。通りがかっただけで、ふらりと立ち寄りたくなる。【写真提供:blé blé】

熊本を訪れたビアラバーなら行ったことがある人も多いのではないだろうか。
昼15時からオープンしている店内は開放感があり、カウンターは立ち飲みなのでふらりと気楽に飲める。テーブル席もあり、連れとの会話を楽しむのもいい。

両店舗は徒歩3分くらいの距離にあり、川村氏が仕事前にblé bléに立ち寄ったり、blé bléのオーナー高田氏が仕事終わりにherringboneに立ち寄ったりと交流も盛んだ。そんな中で「CITRUS MAXIMA」は生まれた。

コラボで作り上げられた特別なビール

きっかけは、去年の11月にFar Yeast Brewing(以下FYB)のタップテイクオーバーをherringboneで開催したことだ。その会場にはFYBの大城氏が駆けつけていた。
イベントの後、大城氏、高田氏、川村氏の3人でビールを飲みながら、「オリジナルビールをいつか作りたい」という話になった。FYBで委託醸造が可能であることが話を一気に加速させ、そこからはとんとん拍子に決まっていったと川村氏は言う。

以前からオリジナルで造るならゴーゼと決まっていました。

ゴーゼとはドイツのゴスラーという地方で造られた伝統的なビールで、副原料にコリアンダーと塩を使っており、塩味とスッキリとした酸味が味わえます。

あとは何を副原料で使うか。

せっかくなので熊本の食材を使おうということでコリアンダーの替わりに八代産の晩白柚(ばんぺいゆ)を、塩は天草産のものを使うことに決まりました。

醸造はFYBの源流醸造所。醸造時には川村氏と高田氏も熊本から参加した。

仕込みに参加した川村氏と高田氏。原料となる麦芽をミルにかけ粉砕する。楽しみで引き締る醸造の始まりの瞬間。【写真提供:Far Yeast Brewing】

原料となる晩白柚は高田氏の知り合いから直接入手した採れたての新鮮なもので、なんと約100kgもの量を使用した。
そしてこの晩白柚の英語名Citrus Maximaがそのままビールの名前に採用された。

FYBの源流醸造所での仕込み。原料となった晩白柚は人の顔ほどもある世界で一番大きな柑橘だ。【写真提供:Far Yeast Brewing】

源流醸造所のマスターブリュワー栁井氏はこのビールの醸造について以下のように振り返る。

初めてのGoseというスタイルだったので設計、ケトルサワーリングなど多くの心配事がありました。また、Fresh Fruitを使うために大量の晩白柚をみんなで手作業で加工したのも苦労したところです。
晩白柚の大きさ、上品な香り、甘さ(なんと桃より糖度が高い!)、に驚きました。工夫した点は皮はボイルし、味はジュースとして2次発酵に使用した点です。薄皮も少し混ぜることで、果物を丸かじりしている感じを表現しています。生ジュースを添加することで、果肉が少し浮いており、フレッシュ感も合わせて楽しめます。
晩白柚の上品な香りと塩味、乳酸発酵の酸味がものすごくよくバランスしており、Gose好きな方もそうでない方も満足できる味と思います。是非、熊本でお楽しみください!

こだわりのラベル・デザイン

ボトル・ラベルのデザインにもこだわりとセンスが込められている。このまま部屋に飾りたくなるぬらりと溶けるような絵画3種類をボトル・ラベルにした。ヨーロッパのブルワリーを思わせる世界観を見せる。

“高田さんの知り合いの興梠優護(こうろぎ ゆうご)さんという有名な油彩画家に依頼しました。 海外ボトルのようなカッコいいデザインになりました。”(川村氏談)【写真提供:Bar herringbone】

「CITRUS MAXIMA」は、今年4月に熊本市内早川倉庫でこの2店舗を含む熊本のビアバーを中心に開催したビールイベント「レッドランプ」にて初めてお披露目され、開始1時間で1樽が売り切れるほどの大好評を博した。とてもジューシーで爽やかな塩味と酸味を楽しめるゴーゼスタイルで、アルコール度数は4.5%と低く、飲みやすいビールだ。

この「CITRUS MAXIMA」を飲めるのは、Bar herringboneとblé bléの全国でも2か所のみ。FYBのイベントマスターをして「今九州で一番熱いのは熊本だ」とまで言わしめた熊本へ、ぜひ足を運んで特別なビールと彼らの熱を体感したい。

Bar herringbone: https://www.facebook.com/kumaherring/
熊本市新市街2-6 サンタカラヤビル3F  tel: 096-356-4747
【行き方:】
熊本駅から市電で市役所・熊本城方面に乗車 「辛島町」、「花街町」から徒歩5分程度
Bar herringbone : 東横INN新市街の斜向かいのビル
blé blé : シャワー通り ポールスミス向かい

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よしのたま

この記事を書いたひと

よしのたま

ビアジャーナリスト

1965年、南信州生まれ。峻険な南アルプスと中央アルプスに囲まれた自然豊かなリンゴ農家に育つ。1女1男の母。大学卒業後1年間、まだ東西に分裂していた時代に南ドイツに遊学し、各街々の地ワインにハマる。帰国後は、翻訳会社、雑誌編集、組紐製造など好奇心のままに仕事を転々とし今に至る。その好奇心はビールにも顕れ「好きなビールは?」と訊かれた際の返事が同じだったことがない。目下のところ友人のフォトグラファーが連載中のビアエッセイの影響で、アジアのビールに興味津々。趣味は着物だが、茶道や華道といった着物っぽいことには一切通じていないため、結局のところ着物を着てビールを呑みに行くというのが趣味になっている。

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