[イベント,ビアバー,ブルワー]2018.6.15

北のビール王国から~月と太陽BREWING 森谷祐至氏

サッポロクラフトビアフォレスト月と太陽BREWING森谷祐至

モダンな白いのれんが目印の「月と太陽BREWING」

札幌の中心街を南北に流れる創成川。そのほとりで風をうけてのれんを揺らすのが「月と太陽BREWING」。コンクリート質の外張りにステンレスの醸造設備がのぞく店舗は、札幌市内では数少ないブルーパブです。夕方にもなると、一人また一人とのれんをくぐって店内に吸い込まれていくお客さん。気づくと36席の店内はいっぱいで、にぎやかな談笑と乾杯の声で溢れかえります。そんな人気の「月と太陽BREWING」のOwner Brewerオーナーブルワーであり、サッポロクラフトビアフォレストの実行委員、また起業家としても注目される森谷祐至氏を訪ねてきました。

Owner Brewerオーナーブルワー森谷祐至氏

ブルーパブをやりたい!でもビールってどうやって造るの?

森谷氏は24歳から調理師の道に入り、飲食店での約10年間の修行を経て、2013年末にかねてからの目標であった独立へ踏み切ります。普通に起業するだけでも大変なはずですが、目をつけたのはブルーパブ。「ビールは好きで飲んでいたのですが、造り方はもちろん、そもそもビールとは?って感じで、そこからスタートしました」と驚きです。

しかし、素材に向き合い組み立てるという調理師の経験と自負から、自分の好きなビールの造り方がわからないことに違和感を感じたと語ります。関連書籍を読み漁り、ビールを一から勉強し、さまざまなブルワリーから教えを請い、瞬く間に起業に向けて走り始めるのでした。

仕込み窯とタンクは、ブルワリーのつながりで知り合った北海道石狩市のステンレス加工会社から納入

開業までにはビールの勉強だけではなく、資金調達、店舗の確保、醸造設備の準備、醸造免許の取得などの数々の課題が待ち構えます。融資申請では、当時はなじみが薄かったブルーパブという形態や、目指す事業規模が大きすぎて門前払いを受けたこともあったそうです。それでもあきらめず、あの手この手を尽くして2014年10月にオープン。起業に向けて動き出してから10ヵ月が経過していました。様々な苦労があったはずですが、「楽な仕事はないです。だったらどんどん楽しんでいきたい」と、困難を前向きに捉える姿勢が森谷氏のスタイルです。

 

起業家森谷氏

資金調達のために日本政策金融公庫や札幌市の創業融資制度を利用した流れから、「2015年SAPPOROベンチャーグランプリ」にノミネート。見事に準大賞を受賞し、現在は先輩としてベンチャーを目指す若者に講演するなど、起業家としての顔がクローズアップされています。また、札幌市清田区の誕生20周年記念ビールの醸造や、北海道・札幌市政策研究みらい会議でビールの楽しさを伝える啓蒙活動を行うなど、行政とのかかわりが深いのも森谷氏の活動の特長です。「創業当初から行政とつながりたいと考えていました。行政は発信力や影響力がある。TVやメディア関係は瞬発力はありますが、長くは続かない」と、起業家の目がキラリと光ります。

開店準備中の店内。笑顔の絶えない森谷氏だが、一つ一つ丹念にこなす姿が印象的

清田区だけではなくて、他の区や町のビールを醸造する可能性について問いかけると、「自分の町ビールを造って地域を盛り上げたい方がおりましたら相談に乗ります」と力強く答えます。「自分たち(月と太陽BREWING)だけではなく、大小ブルワリーみんなで協力して、一緒に地域を盛り上げていきたい」と森谷氏の視線は広く、札幌や北海道がますます楽しくなりそうです。

「素材」と「気持ち」に寄り添って

「陽は昇りまた繰り返す」 ラガーのキレと、シトラホップの柑橘フレーバーのバランスが巧い

話をビールに戻して、得意のビールスタイルを聞きました。「エールが中心ですが、真摯に素材に向き合うことに気を付けています。その時々のモルトやホップという素材、そこに作り手として、飲み手としての気持ちが一致することを意識しています」。ビールに付けられる名前も独特で味があります。「陽は昇りまた繰り返す(シトラシングルホップラガー)」「煙霞〔えんか〕の憧憬(スモークエール)」と自由な発想から生まれるこれらの名前も、素材とその時々の自然の状態に自分の気持ちを添わせて付けるとのことで、まさしくアートです。「月と太陽BREWING」で醸造されるビールはすべて限定のため、次に行ったときには新しい名前のビールがあるかもしれません。楽しみですね。

すべてがみえるキッチンはライブ感満載

素材感を大事にする店内に目を向けると、内装がバーチ調で統一されて暖かみがあります。その中で特に目を引くのがカウンター奥のスケルトンキッチンです。カウンターに座ったお客さんからは、スタッフの手元がすべて見えます。その意図については、「ライブ感やシズル感(活きの良さや瑞々しさ)を出したかった。自分が頼んだ料理ができるところを見て楽しんでもらいたい。それに、一つ一つをきっちりやっている自信があるので、隠すものはないです」と目を輝かせて語ります。味覚だけではなく視覚も楽しませようとするエンターテイメント精神が、このお店の人気の理由の一つだと思います。

冷静な起業家としてのセンスと、気持ちを大切にする情熱をあわせ持つ森谷氏。まさに月と太陽の顔を持つ森谷祐至氏の活躍にこれからも注目です。

最後に、7/7(土)・8(日)に開催されるサッポロクラフトビアフォレスト2018に向けた抱負を語ってもらいました。

「来てくれた方に、100%『楽しい!おいしい!』と言ってもらえるようにがんばります!!」

画像提供:サッポロクラフトビアフォレスト公式FB

札幌のさわやかな初夏に開催されるサッポロクラフトビアフォレスト2018。札幌の中心地からわずかな距離にあるスキー場が会場という、まさにフォレストなロケーションでクラフトビールが楽しめる人気ビアフェスです。ただいま前売り券が販売中です。前売り券は、当日500円のビールチケットが7枚分で3000円というお得さに加え、当日入場料が無料になります。また、用事ができて行けなくなった場合でも、8月いっぱいまで実行委員の店舗で金券として使えるとのことです。購入方法などの詳細は公式HPをご覧ください。

【サッポロクラフトビアフォレスト2018】

公式HP:http://www.sapporo-craft-beer-forest.com/

公式FB:https://www.facebook.com/sapporo.craft.beer.forest/

 

【月と太陽BREWING】

公式HP:http://moonsunbrewing.com/

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小泉 進八

この記事を書いたひと

小泉 進八

ビアジャーナリスト

2018年、関東から北海道にUターン。これを機に、北海道のビール業界を盛り上げる一助になればとビアジャーナリスト活動を開始。『ひとりひとりのビールに対する思いを大切にする』をモットーに、地域に根ざした活動やそこで生活をする人たちの思いを紹介していきたいです。
趣味は絵画鑑賞とファンラン

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