[JBJA活動,コラム,ビアバー]2020.4.18

行きつけの店が、明日には潰れるかもしれない

飲食店支援

新型コロナウイルスの感染拡大、そして非常事態宣言を受けて、多くの飲食店の営業が困難になっています。特に居酒屋などの夜間の営業が主体の店舗は、ほとんどが営業休止せざるを得ない状況です。

私は以前に20席程度の小さな居酒屋を経営していたことがありますので、いま飲食店の経営がどのような状況に置かれているのか想像がつきます。

今回は、自分の経験を踏まえて、そのあたりを解説してみたいと思います。

まず、私が以前に経営していた店の経費構造を要約してグラフにすると、以下のとおりです。(居酒屋の経費構造は、立地や業態などで大きく異なりますので、あくまで一例としてお考えください。)

ここで、突然の営業休止で売上がゼロとなり、それがいつまで続くか見えないという状況になったらどうなるのか。このグラフをもとに、経営者の立場に立って考えてみたいと思います。

食材原価は当然ゼロになりますので、問題にはなりません。水道光熱費、消耗品費、販促費も、ほぼゼロになります。(電気や水道等の基本料金など、若干の固定費部分はあります。)

問題となるのは、その他の経費です。

まず家賃です。店が営業していなくても家主さんと物件の賃貸借契約を交わしている以上は当然、支払う義務があります。昨今の状況では家主さんとの交渉次第で減額、あるいは支払いの先延ばしなどの可能性もありますが、あくまで家主さん側の経済的な状況に余裕がある場合に限られます。

次に人件費の部分です。労働基準法第二十六条には、「使用者の責に帰すべき事由による休業の場合においては(中略)その平均賃金の百分の六十以上の手当を支払わなければならない」という規定があります。正社員に対してはこの規定を順守するべきでしょう。そもそも、今回の事態が「使用者の責に帰すべき事由」に該当するものとは考えにくいところですが、営業再開時に備えて、店舗の重要な戦力である正社員を繋ぎとめておくためにも、安易に解雇するわけにはいきません。

アルバイトについては、厳しい判断が必要となるでしょう。先述した労働基準法の適用も考えられますが、現在の状況がいつまで続くか先が見えない中では、アルバイトの方には経営状況を理解してもらった上で、当面は無給で休んでもらうしかないでしょう。もしアルバイトの方から、退職して他の仕事をすると言われても、その方の生活もかかっている以上は止むを得ないことです。

そして当然のことながら、経営者としては、自分の人件費(=利益)は真っ先にカットして考えるしかありません。

以上の事柄を要約すると、20席程度の居酒屋の経営者は、「自分の収入がゼロになるばかりでなく、月間50~60万円程度の支払いを続けていかなくてはならない」ということになります。しかも、それがいつまで続くのか全く見えないという現実にさらされているわけです。

この状況に耐えられる資金を十分に蓄えている個人経営者が、果たしてどれほどいるのでしょうか。

ビールを愛する私たちは、今までどれほどの楽しい時間をビアバーや居酒屋で過ごしてきたことでしょうか。私たちは、今は店に行けないけど、また行ける日を楽しみに待つことができます。しかしその日が来たときには、もしかしたらその店は無いかもしれません。

幸いにも、このような飲食店を支援するための取り組みが官民ともに色々と始まってはおりますが、この危機は時間との戦いでもあります。私たちも危機感を共有し、継続的な協力を惜しまずに店を守ってゆかなくてはなりません。

まずは、皆さまが自分の行きつけの店の現状を確認してみてください。ホームページをチェックする、電話で問い合わせるなどして、何かできることを見つけ、アクションを起こしましょう。

また、現在、日本ビアジャーナリスト協会では、以下の支援活動を行っております。

 

《「あのビアバー・ビアパブ」を救おう!》JBJA支援ページ
https://note.com/jbja/m/maa58e9acdfa5

 

【随時リスト更新中!】

全国の通販可能ブルワリー&持帰り可能ビアパブ
https://www.jbja.jp/archives/29495

 

皆さまで力を合わせて、店を守ってゆきましょう。また店で乾杯できる日が来るまで。

 

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津田 敏秀

この記事を書いたひと

津田 敏秀

ビアジャーナリスト

1972年、東京都出身。獨協大学外国語学部ドイツ語学科卒業。
外食チェーン企業に15年間勤務の後、独立。串揚げとクラフトビールの店を7年間経営。今までの経験を活かし、飲食店の経営に関する記事を得意とする。
好きなビールはスタウト。趣味は乗り鉄。

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