[ビアバー,ブルワー,新商品情報]2021.7.15

【東北で出会うビールの世界④】青森市のAomori Brew Pubの初醸造ビールを求めて…

青森市は、人口約27万人の青森県の県庁所在地です。青森湾に臨む交通の要地であり、三内丸山遺跡や青森ねぶた祭などが知られています。東京駅から新幹線で新青森駅までは約3時間で到着することが出来ると聞くと、首都圏からでも意外と近いと感じられる方もいらっしゃるのではないでしょうか?
この青森市の初のクラフトビール醸造所「Aomori Brew Pub」が、7月に初醸造ビールの瓶販売を開始しました。

Aomori Brew Pub

「Aomori Brew Pub」は、以前紹介させていただいたギャレス・バーンズさんが、新たに青森市に手がけているお店です。

以前の紹介記事→【東北で出会うビールの世界②】~楽しく飲める日が早く来ることを待ちながら瓶ビール販売中!~ 青森・弘前市のBe Easy Brewing

青森県はりんごの生産量では全国第一位。全国の生産量の約60%を占めています。そのため、アルコール類に関してもシードルの占めるスペースが多く、県庁所在地の青森市でもクラフトビールが売っているところや飲めるところはかなり限られていました。
そんな青森市に出来たのが「Aomori Brew Pub」。昨今の情勢もあり、これまでは弘前の「Be Easy Brewing」で醸造したクラフトビールや曜日限定で日本各地のクラフトビールを販売してきましたが、2021年5月に待望のクラフトビールの醸造を始めました。
そして7月に初醸造のビールが販売開始となり、合わせて常設で日本各地・世界各国のクラフトビールの販売をしています。

「Aomori Brew Pub」は新青森駅から奥羽本線でひと駅の青森駅から徒歩6分ほど。AOMORIのAをイメージした地上15階の三角形の建物「青森県観光物産館アスパム」にほど近いので、初めて訪れた方でも分かりやすいと思います。

青森県観光物産館アスパム

アスパムから徒歩2分ほどのこちらの建物の2階に「Aomori Brew Pub」はあります。

店内奥のガラス越しには、クラフトビールの醸造場所も見ることが出来ます。向かって右手にはクラフトビールの冷蔵ケースが並び、50種類ぐらい揃っていました。なかなかの充実ぶりです。

テーブルの奥には、津軽伝統工芸風の小上がりスペースもあります。
今でも店内で購入した瓶ビールを店内で飲むことは出来ますが、いずれはここで樽生ビールを飲めるようになるのを期待しています。

残念ながら、7月1日から販売開始になった3種類の初醸造ビールは、この日(約1週間後の訪問)では完売となってしまっていました。でも、今月中にはまた新しいビールが販売予定とのことです。

まだまだ現在進行中の「Aomori Brew Pub」。次の青森市訪問時にはどこまで進化しているのかが楽しみです。

タップルーム「ギャレスのアジト」その後

今年1月の記事で「残念ながら現在臨時休業中」と紹介した青森県弘前市のタップルーム「ギャレスのアジト」ですが、嬉しいことに4月中旬から金~日曜日限定で営業を再開しています。(それ以外の曜日でも、ビールの瓶販売は行っています。)
今回、青森市から弘前市にも足を伸ばしてきました。青森駅から弘前駅までは、奥羽本線の普通列車で約45分で到着します。



11時30分から15時まではランチタイムで食事も出来ますが、ビールとおつまみだけで過ごすことも可能です。
私は、ナッツ3種(スモーク・プレーン・味噌)をおつまみに、「オラホのポーター(ラオホビア)」と「もつけのギャレス(セッションIPA)」をいただきました。



「オラホのポーター」はスモーキーで独特な風味がありますが、意外と軽めに感じる飲みやすいラオホビール。「もつけのギャレス」は、度数4%でフルーツの味わいで、ドリンカブルなセッションIPAでした。
こちらのビールは現地で飲むだけでなく瓶での通信販売も行われていますので、興味がある方はぜひ購入してみてださいね。

*ちなみに「もつけ」とは津軽弁で「熱中する人」「おだてにのる人」「ふざける」といった意味だそうです。

「Aomori Brew Pub」の初醸造ビールを飲んでみた

「Aomori Brew Pub」では完売していた初醸造ビールですが、「ギャレスのアジト」で販売されていた分をかろうじて手に入れることが出来ました。

左から「First Batch English IPA」「Yasutaka American Pale Ale」「Marron Coffee Porter」です。

「First Batch English IPA」はアルコール度数7.5%ですが、全体的に穏やかな印象。「Yasutaka American Pale Ale」はアルコール度数5.5%で定番になっていきそうなペールエール。「Marron Coffee Porter」はアルコール度数6.5%で、アルコールの入ったブラックコーヒーを飲んでいるよう。この中では一番個性的でした。どのビールも美味しかったです。
ちなみに弘前で造るビールの名前は津軽弁が使われていますが、青森で醸造するクラフトビールには町の名前を使う予定とのこと。今回の「安方(Yasukata)」はAomori Brew Pubの所在地の町名です。これには「地名をボトルのラベルにすることで、青森のことを世界中の人に知って欲しい」という想いが込められています。
地元を大切に考えて造られているビール…青森を訪れる機会と瓶販売のタイミングがうまく合ったら、是非味わっていただきたいと思います。

Be Easy Brewing
青森県弘前市松ヶ枝5-7-9
TEL/FAX 0172-78-1222
https://www.beeasybrewing.com/
◎Aomori Brew Pub
青森市安方1-5-11 ギャレスビル2F
TEL 017-711-8254
営業時間:10:00~19:00(月曜定休)
◎ギャレスのアジト(弘前市)
営業時間:11:30~21:00(金~日)
(その他の曜日は9:00~18:00に瓶販売のみ)

Aomori Brew PubBe Easy Brewingギャレスのアジト弘前青森

※記事に掲載されている内容は取材当時の最新情報です。情報は取材先の都合で、予告なしに変更される場合がありますのでくれぐれも最新情報をご確認いただきますようお願い申し上げます。

(一社)日本ビアジャーナリスト協会 発信メディア一覧

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この記事を書いたひと

きただ ともこ

ビアジャーナリスト

ビールと旅と野球観戦が大好きです。
主に、ビールがどんな土地で造られてどんな感じで飲まれているかに関心があり、気になるビールが出来るとその地元を訪ねたくなります。日本全国たまには海外にも足を運び、特に国内は岩手、海外は韓国のクラフトビールに注目してきました。
ビール好きがきっかけで岩手にどっぷりはまり、2019年4月から岩手沿岸の仮設住宅に住みながらの仕事を経験。現在も岩手に拠点を置き、得た情報を実際にこの目で確かめながら、岩手中心に東北地方のビール事情を発信してきました。最近は、日本語での情報が少ない韓国のビールについても、現地に足を運んで手に入れた情報をもとに記事にしています。

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