[コラム]2022.1.12

【JBJAChannel】各社2022年事業方針をゆるく読み解く

ビールに愛された皆さまへ!

今日公開のJBJAChannelは、1月6日にビール大手の各社から出ている「2022年事業方針」のニュースリリースを読み解く、という内容です。
サイトに行けば読める内容ですが、何かの機会が無ければ、なかなか読むきっかけが無い方も多いと思います。

是非、この機会に、各社がどんな想いで昨年を過ごしてこの2022年を迎えていく意向なのかを読み解いてみてはいかがでしょうか。

アサヒビール株式会社

https://www.asahibeer.co.jp/news/2022/0106_1.html

主力ブランドの価値向上とスマートドリンキングの推進
~お客さま一人ひとりにとっての豊かなライフスタイルを提案する~

アサヒビール株式会社(本社 東京、社長 塩澤賢一)は、
「すべてのお客さまに、最高の明日を。」のビジョン実現に向けて、
“Value経営への変革”に取り組んでいます。
2022年は「主力ブランドの価値向上とスマートドリンキングの推進 ~お客さま一人ひとりにとっての豊かなライフスタイルを提案する~」を事業方針としました。

<主力ブランドの価値向上>

注目すべきは2022年2月からのアサヒスーパードライのフルリニューアルですね!ホップの香りがするスーパードライ、楽しみです。新旧飲み比べを絶対にしなくちゃ!と思いませんか?
そして、発売されるやいなや、人気沸騰のアサヒ生ビール通称マルエフ。<黒生>が出るということなので、こちらも期待してしまいますね。

<「環境」への取り組み>

クリーンな再生可能エネルギーへの転換も各社が頑張るなか、アサヒビールも大奮闘しています。投資家の方々も、その取り組みの姿勢を見ていますよね。

<その他の取り組み>

「うまい!樽生ビール」を提供する飲食店を認定する制度を活用し、アサヒビールをおいしく提供する店舗を更に増やしていくそうです。

2021年のアサヒビール概況と2022年アサヒビール 売上目標と前年実績

■ビール類 売上目標と前年実績
2022年目標 前年比 2021年実績 前年比
ビール類計 6,020億円 111.8% 5,387億円 96.0%
<主要ブランド>
スーパードライ 7,070万箱 116.2% 6,082万箱 93.3%
スタイルフリー 1,300万箱 104.3% 1,246万箱 107.0%
クリアアサヒ 1,500万箱 97.0% 1,547万箱 87.5%
■ビール類以外のカテゴリー 売上目標と前年実績
2022年目標 前年比 2021年実績 前年比
洋酒 530億円 107.3% 494億円 94.0%
RTD 510億円 138.6% 368億円 79.6%
ワイン 422億円 99.1% 426億円 106.0%
焼酎 190億円 92.2% 206億円 88.1%
アルコールテイスト清涼飲料 505億円 125.3% 403億円 125.7%
  • ※箱は大びん633ml×20本で換算
  • ※2021年実績(金額)は、1,000万円の桁を四捨五入
  • ※2021年実績(箱)は、1,000箱の桁を四捨五入

 

キリンビール株式会社

https://www.kirinholdings.com/jp/newsroom/release/2022/0106_01.html

キリンビール株式会社(社長 堀口英樹)は、2022-2024中期経営計画の初年度として、2022年のスタートを切りました。
従業員一人一人が「CSV※1マインド」を持ち、ブランドを磨き上げることで、ブランドを通じてお客様と社会に貢献していきます。
※1 Creating Shared Valueの略。お客様や社会と共有できる価値の創造

1.2021年の振り返り

コロナ禍の中で、昨年3月に発売した「SPRING VALLEY 豊潤<496>」、同じく3月から本格展開を開始した会員制生ビールサービス「キリン ホームタップ」など新たな挑戦がビール業界の活性化につながったと振り返ります。
「これぞクラフト」の標語に、日本におけるクラフトビール市場の柔軟さを見た思いがしましたよ。

2021年販売実績

ビール類計 ビール 発泡酒 新ジャンル RTD 洋酒 ノンアルコール飲料
1億2,410万箱
(-4.1%)
3,751万箱
(+4.1%)
3,061万箱
(+0.9%)
5,599万箱
(-11.2%)
7,489万箱
(+4.7%)
226億円
(-14.5%)
387万箱
(+10.9%)

*単位:ビール類・ノンアルコール飲料 大びん633ml×20本換算、RTD 250ml×24本換算
*販売実績数はKLから万箱に換算後、1桁目を四捨五入し10万ケース単位で算出

2.2022年の取り組み

「強固なブランド体系の構築」、「新たな成長エンジンの育成」を軸とした事業戦略を継続するということで、それぞれどのような取り組みになっていくのでしょうか。

(1)強固なブランド体系の構築

「一番搾り」、「一番搾り 糖質ゼロ」の育成に再注力することで、「一番搾り」ブランドを“日本のビールの本流”へと成長させていくことを目指します、と力強く宣言しています。私たちの大好きな「一番搾り」がどこまで上り詰めていくのか、目が離せませんね!

(2)新たな成長エンジンの育成

「SPRING VALLEY 豊潤<496>」のリニューアルも挙げられています。SVBの立ち上がりから見守ってきたビアファンとしても、今後どこまで進化していくのかをずっと追い続けていきたいです。

2022年販売目標

ビール類計 ビール 発泡酒 新ジャンル RTD 洋酒 ノンアルコール飲料
1億3,230万箱
(+6.6%)
4,730万箱
(+26.0%)
2,850万箱
(-6.9%)
5,660万箱
(+1.0%)
8,200万箱
(+9.5%)
250億円
(+8.7%)
460万箱
(+17.8%)

*単位:ビール類・ノンアルコール飲料 大びん633ml×20本換算、RTD 250ml×24本換算
*販売目標数はKLから万箱に換算後、1桁目を四捨五入し10万ケース単位で算出

サッポロビール株式会社

https://www.sapporobeer.jp/news_release/0000014456/

サッポロビール(株)は経営ビジョンである「誰かの、いちばん星であれ」のもと、
2022年も新しいお酒のカイタクやお客様の課題と社会課題の解決に取り組み
「新しい楽しさ・豊かさをお客様に発見していただけるモノ造りを」追求し続けます。

1.2021年の振り返り

2020年にも増して業務用酒類市場が苦しんだ一年という中で、「サッポロ生ビール黒ラベル」の缶商品が7年連続売上アップ、ヱビスブランドの缶商品が前年超えを実現するなど、既存ビールブランドで着実な成長をしてきました。

2.2022年の事業方針

ブランドの個性や歴史に裏付けられたストーリーを丁寧に伝えることで、自分らしさやこだわりを重視するお客様から支持された。
その上で、2022年もプレミアム価値とリーズナブル価値を追求し、ビールでは引き続きブランドの魅力最大化していくそうです。

(1)ビールは「個性」と「物語」で魅力化

それぞれが強い個性と魅力ある歴史やストーリーをもっており、その「個性」と「物語」をリアルとデジタルを融合させた当社ならではの新しいブランド体験を通じてお客様に伝え、ビールを選ぶ楽しさを広めたい。
「サッポロ生ビール黒ラベル」については、2月製造分から順次リニューアルを実施。ヱビスブランドは、恵比寿ガーデンプレイスに、醸造機能を有するリアルなブランド体験の場を2023年開業予定として準備しているそうなので、大好きな恵比寿の街にまた名所が増えるのが嬉しいですね。

(2)家飲みブランドは集中

新ジャンルカテゴリーでは「サッポロ GOLD STAR」が人気。更にプッシュしていくそうです。
RTDはReady to Drink ですがRTS(Ready to Serve の略。氷やソーダなどで割るだけで楽しめるお酒)にも力を入れていくそうです。
そういえば、行きつけの立ち飲み屋さんで男梅サワーを取り扱っているのですが、「シロップの部分だけでアルコールは別なので、サッポロビールじゃなくてポッカサッポロなんですよ」とお店の方に言われました。なかなか、複雑な仕組みがありそうですね。

(3)新しい市場創造への挑戦

拡大するノンアルコール市場では、疲労感を軽減する機能性表示食品「サッポロ LEMON’S FREE」を新たに発売の予定です。
疲労感の軽減とは嬉しいですね!「キレ―トレモン」というポッカサッポロの清涼飲料もありますが、私は疲労回復効果を期待して、たまに飲んでいます。そういう流れを汲んでのLEMON’S FREEなのでしょうか。糖質を抑えて甘すぎないノンアルコール飲料だったら、と大きく期待してしまいます。

(4)社会課題の解決

適正飲酒啓発では「責任ある飲酒の推進」をテーマとして、2021年6月より純アルコール量をホームページに掲載し、11月製造分からは缶商品のパッケージに純アルコール量表示を順次開始しているということです。ビールを飲むとき、選ぶときに「純アルコール量」が分かるということは、健康診断のお医者様との問診でムニャムニャ胡麻化していたことがハッキリしてしまう方も多いと思います。これは、良い傾向だと思いませんか?

<2021年実績および2022年計画>

(注)2021年実績およびそれに基づく前年比はすべて速報値。


※1 商品ブランド単体
※2 ビールテイスト飲料には、ノンアルコールビールテイストおよび微アルコールビールテイストを含む。
単位:万ケース (ビールテイスト、ビールテイスト飲料は633ml×20本換算。RTDは250ml×24本換算)


単位:億円 金額は1,000万円の桁を切り捨て

サントリービール株式会社

https://www.suntory.co.jp/news/article/14055.html

サントリービール(株)は、“最高のうまさで、ワクワクさせたい。”をビジョンに掲げ、事業を展開しています。2021年は、「ザ・プレミアム・モルツ」ブランドのお客様の変化を捉えた新プロモーションや“四季の金麦”の継続展開、健康を気遣いながらリフレッシュしたいというニーズにお応えするための「オールフリー」のリニューアル、「パーフェクトサントリービール」新発売など、新たな需要創造に挑戦しました。2022年は、高品質なものづくりと最高のおいしさを真摯に追求するとともに、新たなビール類の価値創出に挑戦します。サントリーのDNAである「やってみなはれ」精神の象徴として、ビール事業の活動を強化していきます。

先日、サントリー国内酒類事業の2022年事業方針の説明会に直接行ってきたので、単独で記事にしております。もしよろしければ、そちらも併せてお読みいただければ嬉しいです。

1月10日公開
サントリー国内酒類事業2022年事業方針 2022年1月6日於サントリーホール | 日本ビアジャーナリスト協会 (jbja.jp)

 

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※記事に掲載されている内容は取材当時の最新情報です。情報は取材先の都合で、予告なしに変更される場合がありますのでくれぐれも最新情報をご確認いただきますようお願い申し上げます。

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この記事を書いたひと

MJ

ビアジャーナリスト/Youtube JBJA Channelプロデューサー

ビールと昆虫とリコーダーと天然石が大好きです。JBJAではイベントサポートやBJAチューターも楽しんで取り組んでおります。人に寄り添う記事作成を心がけ、JBJA公式動画サイトJBJAchannelではMCを担当しております。
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