一般社団法人 日本ビアジャーナリスト協会

甲子園から熱気を全国へ!甲子園アウトフィールドブリュワリーの次なる挑戦

2025年4月にブリューパブとしてオープンした甲子園アウトフィールドブリュワリー(KOSHIEN OUTFIELD BREWERY 以下、KOB)。

同年8月より、店舗内の設備で醸造したビール「PLAY BALL」(セッションIPA)がお目見えし、その後は「LUCKY ZONE」(エクストラビター)、「GREEN FIELD」(ケルシュ)、最近では「AFTER NINE」(スイートスタウト)、「Wild Pitch」(アンバー/レッドIPA)など、多彩なスタイルを世に送り出してきました。

当初の「いろんなビールに挑戦したい」という意気込みが、そのままビールの幅広いラインナップに表れています。野球にちなんだビール名も楽しいです。

醸造したビールの一覧

醸造したビールの一覧 ※「甲子園スピリッツ」は Free Spirits Brewing(姫路)での醸造

甲子園でビールを造る!ブリュワーまでの道のりとこれから

そして、ブリューパブとしてオープンしてから間もなく1年が経とうとしているKOBは、次のステップに向けて着々と準備を進めています。

100個のケグが到着!

甲子園では選抜高等学校野球大会(春のセンバツ)が盛り上がりを見せていた2026年3月24日、KOBに新しい樽(ケグ)と瓶詰め機が到着。ブリュワーの高木さんにお話を伺いました。

今回購入したのは、中国製のケグ100個(15L 70個、10L 30個)と瓶詰め機。2025年9月末から業者と連絡をとり始め、12月中旬に注文。実際に届くまでには3ヶ月程度かかりました。「正月と春節がない時期であれば、1ヶ月くらいは短くなったのでは」とのこと。

ビアバーに行くと店舗の内外に積まれているケグは、ビールらしさを演出する重要なアイテムですよね。最近は使い捨てのプラスチック製も出回っていますが、やはりステンレス製がまだまだ主流です。

届いたピカピカのケグには、しっかりと「KOSHIEN OUTFIELD BREWERY」の名前が刻まれています。

KOBの名前入りケグ

KOBの名前入りの樽

ただ、ここで一つ苦労が。樽の口に取り付ける弁の役割を果たす器具(口金)が分かれているため、すべて自分で組み立てる必要があるのです。

樽の口に装着する器具

樽の口に装着する器具(口金)。蓋であると同時に、炭酸ガスでビールを押し出してサーバーへ送る役割がある。

ケグの組み立ては既に経験済みとはいえ、初回は不慣れでうまく組み立てられずに大変だったとか。しかし、最初から組み立て済みのケグに比べてかなり安価なため、コストを抑えるためには欠かせない作業です。

装着のための器具とビール充填のための器具

口金装着のための器具(左)とビール充填のための器具(右)

さらに、樽の洗浄機がないブリュワリーでは、器具を外し、樽に水を入れて振って洗浄するという重労働が必要になることもあるとか。

初回は、樽と口金の両方を一度洗い、組み立て後に洗浄機にかけて準備完了。コツコツと100個のケグを組み立てる……想像しただけで気が遠くなるような根気のいる作業です。

普段、私たちが美味しいビールを飲む裏側には、こうした地道な努力が隠されているんですね。

貯蔵室

100個のケグの追加で貯蔵室はいっぱいに

瓶詰め機導入のちょっとした罠

今回導入された瓶詰め機は、330mlのボトル4本に同時にビールを注ぐことができる優れもの。ボトル内を二酸化炭素で満たした後に加圧状態のビールを注入し、最後に王冠で蓋をする「カウンタープレッシャー方式」を採用しています。

瓶詰め機

瓶詰め機を確認する高木さん

製品仕様で確認していた大きさに合わせて、あらかじめ設置スペースを用意していました。しかし、いざ届いてみると、そのサイズは「台座部分」のものだったことが判明!横から見ると機器が突き出ており、実際はもう少しスペースが必要でした。

瓶詰め機の後ろ

瓶詰め機の後ろのはみ出し部分を何とか収めた

家具や家電製品でも、パンフレットのサイズと実物が違って焦ることはよくありますよね。今回は、瓶詰め機を乗せる台を少し前に動かすことで事なきを得たそうです。

現在はラベルデザインなどを検討中。色々とやることがあるため、実際の瓶詰めが開始されるまではもう少しかかりそうです。

缶より瓶?飲食店でのリアルな声

ところで、最近のクラフトビールは缶が主流になりつつあります。ラベルで使える面積の広さや、光からの保護を考えると缶の方が優れている面もありますが、キャニングマシン(缶充填機)は瓶詰め機よりもかなり高価になってしまうという事情があります。

しかし、理由はコストだけではありません。実は居酒屋などの飲食店では、缶よりも「ボトル」の方が人気だそうです。ボトルの方が、グラスに注ぐ所作やお店の雰囲気との相性が良く、より豊かな飲食体験を提供できるからなんですね。

機能面やコストだけでは測れない「現場のリアルな声」は、非常に興味深いです。

甲子園のビールを全国、そして自宅へ

準備は整いました!KOBでは、この3月から業務用のケグをBest Beer Japanで販売しています(販売中のビールはこちら)。今回新しく入った100個のケグも、これから全国のビアバーを飛び回ることでしょう。

また、4月18日、19日に開催される兵庫県のクラフトビールイベント「ばくえん HYOGO」にも出店予定です。

ボトル詰めが開始されれば、甲子園のお土産として買って帰ることもできるようになり、甲子園の外でもKOBのビールを見かける機会がグッと増えるはずです。自宅で野球中継を見ながらKOBのボトルを開ける……そんな日が今から待ち遠しいですね!

これからの活躍や新しいビールについても、引き続き追いかけてご紹介したいと思います。

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店舗情報

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※記事に掲載されている内容は取材当時の最新情報です。情報は取材先の都合で、予告なしに変更される場合がありますのでくれぐれも最新情報をご確認いただきますようお願い申し上げます。

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この記事を書いたひと

古川 人士

ビアジャーナリスト

1975年名古屋生まれ。2003年に就職して上京。
社会人になって趣味で登山を始め、山頂で飲むビールの美味さに感動。
さらに、登山で訪れた街のビアバーでクラフトビールの美味しさに目覚める。
ビールの魅力にはまり、2017年に日本ビール検定2級に合格。

自分の感じたビールの魅力や楽しみ方を、様々な方法で発信していきたいと考えています!