一般社団法人 日本ビアジャーナリスト協会

イベント

川口VS.さいたま、ビールで乾杯!──9ブルワリーが集う「川口BEER!BEER!BEER!」~2026年10月31日・11月1日開催~

開催概要

川口BEER!BEER!BEER!

2026年10月31日(土)15:00~20:00
2026年11月1日(日)11:00~17:00

会場:キュポ・ラ広場
JR京浜東北線「川口駅」東口 徒歩30秒
入場無料

出店ブルワリー

川口市:川口ブルワリー/星野製作所(麦)/GROW BREW HOUSE/ぬとりブルーイング

さいたま市:氷川ブリュワリー/AQUWA brew works/U.B.P BREWERY/団地キッチン田島/GECKO BEER

乾杯タイム

10月31日(土)15:00/16:30/18:00/19:30
11月1日(日)11:00/12:30/14:00/15:30

公式サイト:https://1110beer.jp/
クラウドファンディング:https://camp-fire.jp/projects/963602/backers/new

画像提供:川口BEER!BEER!BEER!実行委員会


ビールに愛された皆さまへ。

秋は忙しい。

暑さがようやく引いて、外で飲むビールが気持ちよくなるころ、こちらもあちらもビールイベント。魅力的なブルワリーが各地へ出かけ、飲み手は週末の予定と財布と肝臓をにらみながら行き先を決める。

そんな激戦区に、今年ひとつ、新しいイベントが加わる。

10月31日、11月1日。場所は川口駅東口から徒歩30秒。

「川口BEER!BEER!BEER!」

川口市4社、さいたま市5社、計9ブルワリー。

しかし、このイベントが集めたいのは、ブルワリーだけではない。

川口という街そのものを、ビールの前に座らせようとしている。

“ビール工場があったまち”の、その先へ

川口には、ビールの記憶がある。川口とビールの縁は、最近始まったものではない。

その昔、川口は水の豊かな地域で、湧水が噴き出す「噴き井戸」というものがあちこちに存在していた。

1925年、その豊かで良質な水を求めて、日本麦酒鉱泉の東京工場でビール製造が始まり、「ユニオンビール」などが造られた。

その後は大日本麦酒、戦後の日本麦酒を経てサッポロビール川口工場となり、1987年には埼玉工場へ改称。

2003年にその長い歴史を閉じるまで、約78年間にわたり首都圏へのビール供給を支えた。

戦災や戦後の業界再編も経験した、文字通り川口の近代史とともに歩んだビール工場だった。

現在の川口には、川口ブルワリー、星野製作所(麦)、GROW BREW HOUSE、ぬとりブルーイングという4つの造り手がいる。

規模も、造るビールも、それぞれ違う。

けれど、共通していることがひとつある。

川口で造っている。

このイベントの公式サイトに掲げられた言葉は、「クラフトビールを、まちの誇りに。」

地元にブルワリーがあることを、ビール好きだけの秘密にしておくのはもったいない。

名前を知らなかった人が飲む。
名前だけ知っていた人が造り手と話す。
飲んで気に入った人が、今度は店へ行く。

地元のビールが「珍しいもの」から「いつもの一杯」へ変わるには、そんな小さな接点が必要だ。

「川口BEER!BEER!BEER!」は、その接点を駅前につくる。

川口VS.さいたま──ビールで決着をつけようじゃないか

ところが、このイベント。地元愛だけで静かにまとまる気はない。

川口の4ブルワリーに対して、さいたま市から5ブルワリーが乗り込んでくる。

氷川ブリュワリー、AQUWA brew works、U.B.P BREWERY、団地キッチン田島、GECKO BEER

題して、

川口VS.さいたま。

画像提供:川口BEER!BEER!BEER!実行委員会

勝敗を決めるのは、ビアジャッジやビアテイスターではなく、イベントに参加する飲み手なのだ。

飲み終えたカップを、それぞれのまちの応援ブースへ積み上げる。一杯飲めば、一票。イベントの最後に結果を発表する。

ずいぶん平和な代理戦争である。

川口市民なら地元を守るもよし。

さいたま市民なら敵地で一杯重ねるもよし。

そして両方飲みたい人は、遠慮なく裏切ればいい。

これはビールの品質を競うコンペティションではない。

「どっちを飲もうか」と迷うための、楽しい口実だ。

その迷いの先で、知らなかったブルワリーに出会えればいい。

90分に一度、勝負を中断して乾杯する

川口とさいたまがカップを積み上げて戦っている最中、90分に一度だけ勝負が止まる。

一斉乾杯タイムだ。

画像提供:川口BEER!BEER!BEER!実行委員会

クラフトビールでもいい。

サッポロ生ビール黒ラベルでもいい。

ソフトドリンクでもいい。

会場にいる人が、それぞれ好きな一杯を持ってグラスを上げる。

土曜日に4回、日曜日にも4回。

数百人で乾杯する予定だという。

この企画が、とてもいい。

ビールイベントでは、とかく液体に目が向く。

スタイルは何か。ホップは何か。限定か。新作か。

それを追いかける楽しさはもちろんある。

でも、ビールという飲み物が長い時間をかけて育ててきた文化のひとつに、誰かとグラスを合わせることがある。

初めてクラフトビールを飲む人と、何千種類も飲んできた人。

ブルワーと飲み手。

川口市民とさいたま市民。

乾杯の瞬間には、その区別はほとんど意味を持たない。

さっきまで敵だった人とも、とりあえずグラスを上げる。

乾杯とは、実に便利である。

一杯の向こう側に、造った人がいる

9つのブルワリーが集まることにも、もうひとつ意味がある。

距離近く、造り手と話せる。

これはクラフトビールイベントの大きな魅力だ。

詳しい人なら、レシピや原料、醸造について尋ねてもいい。

よく分からなければ、

「どれがおすすめですか?」

それだけでいい。

ブルワーの話を聞いてから飲む一杯は、ときどき味まで変わったように感じる。

もちろん、本当に液体が変わったわけではない。

そのビールが、どこで、誰によって、どんな考えで造られたのか。

情報が味覚の周りに輪郭を描く。

そして「あの人が造っているビール」という記憶が残る。

イベントが終わったあと、そのブルワリーの店へ行く。販売店で、ボトルや缶を見かけて手に取る。

誰かに「あそこ、おいしかったよ」と教える。

造り手への応援は、案外そんなところから始まる。

開催前から、この乾杯に参加できる

「川口BEER!BEER!BEER!」は現在、CAMPFIREでクラウドファンディングにも挑戦している。

タイトルは、

「『クラフトビールは、まちの誇りだ。』地元で乾杯する楽しさを、川口から届けたい」

イベントは、当日にビールサーバーをつないだ瞬間から始まるものではない。

会場を整え、人を集め、安全に飲める場所をつくり、造り手と飲み手をつなぐ。

その準備には、当然ながら手間や人、時間、そして費用がかかる。

クラウドファンディングには、イベントを支えるためのプランに加え、当日の楽しみにつながるリターンも用意されている。

その中には、

「乾杯の発声権」

まである。

何百人ものグラスが、自分の「乾杯!」で上がる。

ビール好きとして、これはちょっと心が動く。

支援する、しないはもちろん自由だ。

ただ、このイベントがどんな場所をつくろうとしているのかを知るには、クラウドファンディングのページもぜひ読んでほしい。

当日まであと2か月あまり。

川口駅前の大宴会は、もうすでに少しずつ始まっている。

さて、この秋はどこで飲もう

10月31日と11月1日。

きっとほかにも魅力的なビールイベントがある。

素晴らしいブルワリーも来るだろう。そこでしか飲めないビールもあるだろう。

だからこそ、行き先を選ぶ理由が欲しい。

「川口BEER!BEER!BEER!」には、地元で造られたビールを地元で飲む、という明快な理由がある。

そこへ、さいたま市という好敵手が来る。

一杯飲むごとに一票が入り、90分に一度、戦いを忘れて全員で乾杯する。

そしてイベントが終わったあとも、ブルワリーはそこに残る。

この秋の一杯をきっかけに、いつものまちに「好きなブルワリー」がひとつ増えるかもしれない。

それなら、駅前で飲む一杯にも意味がある。

川口か、さいたまか。

どちらを応援するかは、グラスを持ってから決めればいい。

まずは川口駅前へ。

勝負の前に、乾杯しよう。

このイベントを立ち上げた人

画像提供:川口BEER!BEER!BEER!実行委員会

「川口BEER!BEER!BEER!」実行委員長を務めるのは、ビアジャーナリストの南原卓也さん。

地元のビールをもっと身近に楽しんでもらいたい。ブルワリーと飲み手がつながり、その土地のビールが「まちの誇り」になってほしい。そんな思いを形にしたのが今回のイベントだ。

川口とさいたまをあえて“対決”させ、飲んだカップを一票にし、90分ごとに会場全体で乾杯する。仕掛けはにぎやかだが、その根っこにあるのはとてもまっすぐなものだ。

地元で造られたビールを、地元の人に楽しんでもらうこと。

そのための2日間を、南原さんは川口駅前につくろうとしている。

※記事に掲載されている内容は取材当時の最新情報です。情報は取材先の都合で、予告なしに変更される場合がありますのでくれぐれも最新情報をご確認いただきますようお願い申し上げます。

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MJ

ビアジャーナリスト/Youtube JBJA Channelプロデューサー

ビールと昆虫とリコーダーと天然石が大好きです。JBJAではイベントサポートやBJAチューターも楽しんで取り組んでおります。人に寄り添う記事作成を心がけ、JBJA公式動画サイトJBJAchannelではMCを担当しております。
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