[JBJA活動]2015.5.8

BJA卒業生対象 ベルギービール・ラボ

新年度が始まってようやく街が落ち着きを取り戻した4月18日、東京駅地下のグランアージュ内にあるベルギービールバー、フリゴ・ルポにてとある勉強会があった。
ビアジャーナリストアカデミー卒業生による「ベルギービール・ラボ」である。アカデミー卒業生のスキルアップのために設けられた初の試みである「研究会」はこのベルギービール・ラボが第1号。開催する方も参加する方も手探りの中での船出だ。

 

ラボ立ち上げの経緯
ラボマスターは私、アカデミー2期生の川端ジェーン。アカデミー内でも、なんとなく専攻のようなものがある。一番多いのはクラフトビールだろう。アカデミーの交流会ではベルギービールは、気になるけどよくわからないとか、種類が多すぎてどこから手を着けたらいいのかわからない、とか腰の引けた発言が多く聞かれる。一般の方よりビールに詳しいはずの人たちでさえこのありさま。赤信号は一人でも渡ってはいけないが、ベルギービールはみんなで学べば怖くない。ベルギービールのスタイルと味わいを理解し、心の中にあるベルギービールへの垣根を取り払うべく、このラボを立ち上げた。

 

第1回のテーマは「ホワイトビール」
参加者は4名。ラボマスターの好みで選ぶと味わいが偏ることが考えられるため、選定した銘柄はインポーターが被らない様にした。今回の銘柄は4種5本。グリゼット・ブロンシュ、セリス・ホワイト(2本)、ティチェ・ブロンシュ、ワトウズ・ウィット。
セリス・ホワイトはインポーター2社のものを飲み比べ。輸送ルートの違いがどのように味わいに変化をもたらすのか、を自分の五感で確かめた。また、ヴェデット・エクストラ・ホワイトを3つの状態のグラス(乾いたグラス、水で内側を濡らしたグラス、氷水で冷やしたグラス)で試飲させていただき、グラスの温度がビールにもたらす差異をも確認できたことは想定外の学びとなった。

O社とM社の飲み比べ。 「最終判断は好みではないか。」とは参加者の弁

O社とM社の飲み比べ。
「最終判断は好みではないか。」とは参加者の弁

 

真剣に色や泡の状態などの外観をチェックしてから試飲
真剣にテイスティングしてはメモ用紙に書き込んでいく。1本につき、10分を取っていたのだが、それでは足りないほどの熱気だった。一口目をすするように、恐る恐る口に運んでは顔がぱっと明るくなり、また真剣な表情に戻る。グラスの中の淡く濁った液体を通してホワイトビールの本質に迫ろうと殆ど誰も口を開かない。
テイスティングのあとは感想を公表。先程までとは違い、みんな少しほっとしたような笑顔で発表するのが印象的だった。そのビールに対して持つ印象がはっきりと出たのが「どんな時に飲みたいか」であった。「連休のお昼から飲みたい」、「ピクニックに行った時に芝生の上で」、「山菜のてんぷらと合わせたい」「休日の午前中から飲みたい」などホワイトビールの持つ爽やかさを各人の言葉で表現し、それに皆が大きく頷く。笑顔で盛り上がる瞬間。だが、ラボマスターの「次のビール、行きまーす。」の声にまた空気が締まる。その繰り返し。4種のテイスティングが終わった時の全員の何かをやり遂げたかのような安堵感の満ちた雰囲気は、ラボでの新たな絆が生まれたことを感じさせてくれた。

 

次のラボの立ち上げ
既にいくつかのラボが産声を上げようとしている。ベルギービール・ラボのようにアカデミーの卒業生を対象としたものもあれば、一般の方も参加できるものもあるそうだ。とりあえず、私はこのラボでベルギービールの種類を学んでもらい、終了する頃にはラボメンバーがベルギービールの虜となるように今から次の手を考えている。本当にベルギービールは我々を魅了して止まない。

 

※写真提供:ビアジャーナリストアカデミー1期生 渋田見正俊氏

ビアジャーナリストアカデミーベルギービール

※記事に掲載されている内容は取材当時の最新情報です。情報は取材先の都合で、予告なしに変更される場合がありますのでくれぐれも最新情報をご確認いただきますようお願い申し上げます。

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この記事を書いたひと

川端 ジェーン

ビアジャーナリスト

ベルギービールをこよなく愛しています。笑顔でビールを酌み交わせば世界平和は実現すると考えています。ビールが好きすぎてたまに他人と知人の境目がなくなってしまいます。ビールの美味しいお店で見ず知らずの人に話しかけていたら、それは私かもしれません。
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