[テイスティング]2016.5.5

プルトップまで真っ黒な缶ビール―ビアレポート(119)

アメリカピルスナー

相変わらずジャケ買いをしている私です。

約半年ぶりのビアレポートになります。久しぶりに書いてみるとこのビアレポートの書き方を少し忘れていて、継続する大切さを実感しているところです。今後も引き続き、ビールの周辺情報をメインに、ほんの少しのテイスティングレポートを書いていきたいと思います。

さて、今回のビールは、アメリカのスピークイージー「ポップガン」。

ポップガン(POP GUN)

ポップガン(POP GUN)

これまでも何回か書いてきたのですが、自分なりのビールを購入する基準のひとつに「ジャケ買い」があります。今回もジャケ買いです。ただ、この缶のデザインを見てみると、なかなかカッコいいデザインではありますが、棚に陳列されている状態では「おおおおおッ!」というほどではありませんでした。

しかし、手に取った瞬間、「おおおおおッ!」と思ったのです。理由はコレです。

 

 

 

 

 

 

プルトップが真っ黒! 一瞬で惹かれました。

プルトップに色を付けるデザインはあまり見たことがないというのが、惹かれた一番の理由。さらにタブにはスピークイージーのトレードマークとも言える目もワンポイントで入っています。

もう2年半前になりますが、スピークイージーの「Tallulah Extra Pale Ale」をこのビアレポートで紹介したことがあります(記事はこちら)。その時にも説明していますが、「スピークイージー」とはアメリカの禁酒法時代にあった「もぐり酒場」「酒類密売所」のこと。なので、黒の地色に目玉を描いて秘密に飲んでいる印象を造り出しています。それを、いままでデザインの範囲としてほとんど使われていなかったプルトップでも表現しているのがおもしろいですね。

当時の違法酒場を黒と目で表現している一方で、このビールの名前には「ポップガン」という軽さを出しています。ポップガンとはコレです。

コルクの栓を抜いたような音がするピストルのおもちゃですが、非合法酒場というイリーガルで緊張感のあるものに対して、ポップガンを描くことによって禁酒法時代を揶揄しているような感じもします(実際に醸造所が何を意図したのかは調べてもわかりませんでしたが)。こんなことを手に取った瞬間に思ってしまい、気がついた瞬間にはレジで購入していました。

スタイルはピルスナーで、グラスに注ぐとモルトだけでなくレモンやハチミツを思わせるアロマを感じます。軽やかな飲み口ですっきり喉を通っていき、少し酸味が感じられるせいか、レモンやグレープフルーツのようなフレーバーも。軽い苦味が余韻として残ります。

これは個人の印象ですが、ジャケ買いするビールというのは、なぜかおいしく感じられることが多いのです。ビール自体がおいしいということもあるのですが、デザインが味わいに作用する力も重要だなと思いながら、またひと口、またひと口とビールを飲む、特に何の予定もないゴールデンウィークの夜でした。

【BEER DATA】
ポップガン
生産地:アメリカ
醸造所:スピークイージー
スタイル:ピルスナー
アルコール度数:4.7%

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01004富江弘幸

この記事を書いたひと

富江 弘幸

ビアライター

1975年東京生まれ。法政大学社会学部社会学科卒業。卒業後は出版社・編集プロダクションでライター・編集者として雑誌・書籍の制作に携わる。その後、中国留学を経て、新聞社勤務。現在は日本ビアジャーナリスト協会ウェブサイトや『ビール王国』などで記事を執筆するほか、ビアジャーナリストアカデミーの講師も務める。
著書:BEER CALENDAR』(ワイン王国)
連載:あなたのしらない、おいしいビール』(cakes)
執筆:ビール王国』(ワイン王国)、『日本のクラフトビール図鑑』『ビールの図鑑』(マイナビ)、『東京人』(都市出版)など

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