[新商品情報]2016.8.29

「瀬谷の小麦ビール」ができるまで【横浜ビール】

岩﨑農園横浜ビール横浜市瀬谷区

横浜に拠点を置き、「地域に根ざした“街のビール屋”でありたい」という理念のもと、地元の食材を使ったビールを世に出し続けている【横浜ビール】。同社がこの度新たに、横浜市瀬谷区の小麦を使った新作ビールを完成しました。

 その名も

「瀬谷の小麦ビール」

その開発秘話が、横浜・桜木町にある直営レストラン「驛の食卓」にて行われたお披露目会で明かされました。

“モノ”ではなく、“人”との関わりを大切に

この新作ビールは、瀬谷区竹村町の「岩﨑農園」の小麦を使ったウィートエール。グラスに注ぐとふわりと優しい小麦の香りが漂い、口当たりもやわらかで食事と合わせやすい逸品です。

瀬谷区はもともと小麦の生産の多い地域でしたが、安い輸入小麦に押されその量は激減していました。現在、小麦を作る農家は10軒にとどまり、うち外販をするのは岩﨑農園のみ。横浜ビールは数年前からこの農園に「あまぎ二条大麦」の生産を委託していましたが、「瀬谷で小麦を作っていることを知ってほしい」という岩﨑氏の思いを受けて、「瀬谷の小麦ビール」の開発に踏み切ります。

DSCN0050

左:横浜ビール・太田久士社長、右:同・五條芳範醸造長、中央:岩﨑農園・岩﨑良一さん。

かねてより、「地元・横浜のビールを地元の食材とともに地元の方々へ」をスローガンに、料理やオリジナルビールを提供してきた横浜ビール。これまでも綱島の桃や小机のドラゴンフルーツを使ったビールで、地元・横浜の農業を応援してきました。“地元食材を使う”と聞くと、「地産地消」という言葉を連想しがちですが、同社の太田久士社長は「間違いではないけれど、その言葉にはちょっと抵抗がある」と語ります。

「地元でとれたものを使った料理やビールを提供するだけなら、ファックス1枚で食材を発注すれば事は済む。それを“地産地消”と言うのは誰でもできることです。けれども、私たちが欲しいのは“モノ”ではなくて、その奥にいる“人”との関わり。生産者さんたちの思いを、私たちを通してお客様に伝えたいのです」(太田社長)

こういった理念から、同社では食材を仕入れるだけでなく、それを作った生産者のもとまで出向き、日ごろから交流を深めるなどして、つながりを大切にしてきました。今回の「瀬谷の小麦ビール」を開発するにあたっては、スタッフ一同が種まきから収穫まで折に触れて手伝いをし、小麦生産の工程を体験しました。

12月の種まきから、6月の収穫まで

2015年12月6日、100メートルの長さの畑に種まき。1~2週間で発芽します。

種まき1

2016年2月4日、麦踏みをして根の張りを良くします。実際は機械で行う作業ですが、「敢えて元来のやり方をしたい」と、横浜ビールのスタッフが申し出ました。霜柱で浮いてしまう土を一歩一歩足で踏みしめていきます。

麦踏み9 麦踏み0

4月10日、前年(2015年)収穫分の小麦で作ったビールの完成品を、太田社長自ら訪問して岩﨑農園に贈呈。そこに地元・テレビ神奈川の取材も入りました。まだ青々とした小麦畑で出来立てほやほやのビールを愛おしそうに飲む岩﨑氏の姿は、そのままラベルの写真に使われることに。

青い小麦畑4 4月の畑5

ゴールデンウィーク頃、小麦の穂が出始めました。穂は小麦色ですが、葉はまだ緑色。その後は次第に葉も小麦色に色づいていきます。

6月頭が収穫の時期。季節は梅雨ですが、小麦に水分が入るのはタブーであるため雨天では収穫はできません。かといって穂が発芽してしまうと、ビールはもちろん小麦粉にもできなくなります。その日程の見極めが難しいのだそうです。

収穫19

岩﨑農園から「今日、収穫作業を行います」と連絡があり、スタッフが畑に駆けつけました。収穫は稲と同様にコンバインで行います。麦粒をとった後の葉は土に戻して畑の養分に。麦は乾燥して水分をとばします。いくつもの過程を経て、無事収穫が終了しました。

「瀬谷の小麦ビール」は今後通年生産となる予定です。今年も11~12月に種まきをして、2017年分の醸造用に備えます。

地元・横浜の人に愛されてこそ

DSCN0046

地元食材を使ったビールで生産者の思いを地元のお客様に伝えたい。お客様はビールの背景にある物語を知ることで、自分の街に思いを馳せてほしい。

この横浜ビールの理念には、「クラフトビール」よりも「地ビール」という言葉が似合います。太田社長はテレビ神奈川の番組出演時に、こう話していました。

「地元の街の人に愛されて初めて地ビールでしょ?という考えが、根本にあります。地ビールはどうあるべきか。愛されるビール屋としてどうあるべきかと、私たちは常に考えていたような気がしますね」

その言葉の通り、6月に収穫した“新麦”を使った「瀬谷の小麦ビール」は、岩﨑農園に近い横浜市瀬谷区の飲食店にも続々と出荷されています。もちろん全国に向けて横浜ビールオンラインショップでも販売されているので、ビアLoverの皆さんもぜひ飲んでみてください!

「瀬谷の小麦ビール」が飲める店
居酒屋 牛たん大助
横浜市瀬谷区瀬谷3-7-19
045-301-0038
鳥向(とりこう)
横浜市瀬谷区瀬谷4-8-13
045-301-3044
Wild Gybe ワイルドジャイブ瀬谷店
横浜市瀬谷区瀬谷4-8-13
045-301-9343
【ブルワリーデータ】
横浜ビール醸造所 Yokohama Brewery
横浜市中区住吉町6-68-1 横浜関内地所ビル1階
045-640-0271
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

※記事に掲載されている店舗のメニューや営業時間、イベント内容などの情報は予告なしに変更される場合があります。店舗のホームページやイベントの告知ページなどをご確認の上、ご来店・ご来場くださいますようお願い申し上げます。

日本ビアジャーナリスト協会 公式facebookページ

公式facebookページの右上にある「いいね」をポチッとしてくださいね。よろしくお願いします!

くまざわ ななこ

この記事を書いたひと

くまざわ ななこ

ビアジャーナリスト/ビアライター

ビールとカレーと小田急線をこよなく愛するライター/エディター。インタビューの場数だけは踏んでいる自負があるので、その経験を活かしてビールに携わる人たちの思いを伝えるべく、ビアジャーナリストとしても邁進している。「小田急ビア散歩」「カレーをつまみにビールが飲みたいっ!」シリーズを連載中。

このエリアに掲載する広告を募集しています。
詳しくはこちらよりお問い合わせください。