[イベント]2010.9.20

オクトーバーフェスト・スタイル

「オクトーバーフェスト」はその名を冠したビア・フェスが日本各地でおこなわれていることもあり、非常に認知度の高いドイツのビア・フェスティバルだ。
本場のオクトーバーフェストは1810年にバイエルン王国のルートヴィッヒ王太子の結婚式を記念した宴に端を発するもので今年はちょうど200周年にあたる。
期間は「10月の第1日曜日を最終日とする16日間」と決められており、今年は9/18(土)から始まった。
私も今年は、このオクトーバーフェストに出かける。(この原稿がアップしたときは、すでに現地でビールを飲みあさっているということになる)
レポートはまた日を改めてお伝えしたい。

 さて、この巨大なビール祭り、オクトーバーフェストで飲まれるビールは、その名もズバリ「オクトーバーフェスト・スタイル」というビールである。毎年3月に仕込まれる長期熟成ラガーで、「メルツェン・スタイル」とも呼ばれている。

その特徴はどんなものなのだろうか?

伝統的なオクトーバーフェスト・スタイルはリッチなジャーマンモルト(ヴィエナ・モルトやミューニック・モルト)のアロマが香る。焼いたパンのようなトースト・モルトのアロマもしばしば感じられるが、砂糖が焦げたようなカラメル・アロマではない(カラメル香は弱いレベルまでなら容認される)。ホップの苦味は中程度でクリーンな印象をあたえるが、香りは”あまり強くない、もしくはほとんど感じられないレベル”である。
口に含むと、モルトの甘味がホップの苦味を上回っているが、フィニッシュはあくまでもドライ。甘味はあとを曳かない。
色は黄金色から赤みがかったオレンジ。
ボディはミディアムでスムーズ。
アルコール度数は通常のジャーマンピルスナーが4~5%なのに対して5~6%と若干高めに設定されている。これは、3月に仕込んだビールが夏の暑さで傷んでしまわないようにアルコールを高めに造っていた伝統を踏襲している。

なお、現在のオクトーバーフェスト・スタイルは、やや色味が明るく、苦味も甘味と調和する程度にクリーンなものに仕上げられる傾向がある。

日本で飲むことが出来るドイツの銘柄は、シュパーテン・オクトーバーフェスト、ホフブロイ・フェスト、パウラナー・オクトーバーフェスト-メルツェンなど。

ジャーマンポテト、ローストチキン、ソーセージ、アイスバインなどに合う。熟成したバルサミコ酢を使ったイタリアン、甜麺醤を使った中華料理、栗御飯、すき焼きなどにも合う。

本場、ドイツのオクトーバーフェスト200周年を記念して、ザート商会の各レストランでシュパーテン・オクトーバーフェスト樽生を飲むことが出来る。(期間限定)
http://www.zato.co.jp/shop/okt2010_200.html

文責:藤原ヒロユキ

※記事に掲載されている内容は取材当時の最新情報です。情報は取材先の都合で、予告なしに変更される場合がありますのでくれぐれも最新情報をご確認いただきますようお願い申し上げます。

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この記事を書いたひと

藤原 ヒロユキ

ビール評論家・イラストレーター

ビアジャーナリスト・ビール評論家・イラストレーター

1958年、大阪生まれ。大阪教育大学卒業後、中学教員を経てフリーのイラストレーターに。ビールを中心とした食文化に造詣が深く、一般社団法人日本ビアジャーナリスト協会代表として各種メディアで活躍中。ビールに関する各種資格を取得、国際ビアジャッジとしてワールドビアカップ、グレートアメリカンビアフェスティバル、チェコ・ターボルビアフェスなどの審査員も務める。ビアジャーナリストアカデミー学長。著書「知識ゼロからのビール入門」(幻冬舎刊)は台湾でも翻訳・出版されたベストセラー。近著「BEER HAND BOOK」(ステレオサウンド刊)、「ビールはゆっくり飲みなさい」(日経出版社)が大好評発売中。

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