[コラム,ブルワー]2017.4.1

5年で販売量が2倍に!? サッポロラガービールの魅力を追う!

今年は「黒ラベル」が誕生して40年。「スーパードライ」が誕生して30年。しかし、それよりも大先輩のビールがあることをご存知ですか。「サッポロラガービール」は今年で誕生140年を迎えました。この国産ビール最古のビールがこの5年で、販売量が2倍になっているそうです。レトロなビールが「今、何故人気なのか?」。サッポロビールさんに聞いてきました。

「赤星」はサッポロビールの歴史!

赤星の誕生は1877年「サッポロビール」の前身、「開拓使麦酒醸造所」で誕生しました。発売当初は「札幌ビール」と呼ばれていました。ちなみに「赤星」の由来は北海道の開拓使のシンボルである五稜星からきています。

昔から変わらず、赤い星がトレードマーク!

しかし、サッポロビールの主力商品といえば、冒頭でもお伝えしたように今年40周年を迎えた「黒ラベル」と「ヱビスビール」です。しかも、現代は生ビール全盛期です。古くからの醸造方法は効率が悪いのではないかと聞いてみると、「培ってきた歴史自体が大きな資産になっています。何かスペックを変えるということはお客様に対する信頼関係を損なうことになるという思いから守り続けています」とブランド戦略部の武田悟季氏は話します。

「赤星」はサッポロビールの原点ともいえるビールなのです。

醸造技術が進歩し、熱処理を行わなくても品質を保てるようになったなかで、『赤星』の生産中止が社内で検討されたことはなかったのかを聞いてみると「それは聞いたことがないですね」とのことでした。

今回、「赤星」の魅力や人気の理由を教えてくれたブランド戦略部の武田氏

「お客様からは『厚みがある』、『飲み応えがある』と言われる方が多いです」とのこと。

話を聞いていくと「生ビールだから」、「熱処理ビール」だからという理由が「赤星」の人気が高まっているわけではないようです。

酒場ブームが人気の要因

「『赤星』が置かれているのは主に飲食店さんで、1つは大衆居酒屋さん。もう1つがレトロ感を特徴にしている業態の飲食店さんに入荷されていることが多いです。そうした業態のお店には40~50歳代の背広組の方ではなく、30歳代の女性グループが増えてきています。そこで、『見たことのない商品がある』ということで、注文されるようです」と今まで飲んでいなかった世代から注目を集めるようになったことが、人気の要因になっているようだ。

「サッポロビールでは広告やキャンペーンといった積極的にマーケティング活動をしているわけではなく、通常の営業活動のみをしています。営業担当の方がきちんと関係作りをされていること。ファンとなってくれている店主さんが指名してくれること。レトロ感のある業態が見直されていることが5年で販売量が2倍になっている理由ではないかと考えています」と武田氏は分析します。

「やっているのはwebページでの『赤星★探偵団』くらいです。SNSを通じて、ファンの方々が『あそこで飲める』とか『○○に置いてあった』と情報交換をしていらして、宣伝としてはちょっと珍しい形ですね」と予想外ともいえる展開を楽しんでいるようでした。

サッポロビールのサイトにある「赤星★探偵団」。赤星が置いてあるお店の情報もある

積極的なマーケティング活動を行っていない理由として「『赤星』を飲んでみたいと思う人たちが自分たちでお店探しを行う楽しみもある」と語ります。

瓶ビールだからこそ選ばれる!

お店側からの指名が多い「赤星」。その理由として「『瓶だからいい』、『どこでも買えるわけではないから』とお店側のこだわりの1本として扱いたい」とのことです。

「メニューに『サッポロラガービール』ではなくて、『赤星』と表記しているお店もあります(笑)」と通なお店もあると言います。

現在は瓶での提供のみとなっています。「昨年は創業140周年ということもあり、缶で限定販売をし、『通年で販売してほしい』といったご要望もいただきました。今年ですか? 検討はあると思いますが、現段階では未定ですね」と話します。

基本的には飲食店さんでの取り扱いが多い「赤星」ですが、業務用の酒屋さんで購入することも可能です。

「注ぐ行為」これこそが瓶の良さ!

「瓶の良さはやっぱり注ぐ行為にあると思います。お店の方からや仲間内で、コミュニケーションが発生しやすいツールだと思います。そういったところを大事にされているお店もあると思います。もちろん手酌も絵になりますしね。あとはグラスで飲む量をその時の気分で決められるのも良いところではないでしょうか」

自分のペースで好みの量を注げるのも魅力の1つだ

たしかにジョッキだと各々が飲みきらないと次を頼めませんが、瓶であれば、1本を共有することで「もう1杯いかがですか?」、「あ、もうこのくらいで」とか「もう1本頼みますか?」と相手を気遣う気持ちが自然な形で作りやすいと思います。

「マーケティング活動の範囲もあり、商品としての認知は決して高くありません。でも、見方を変えれば、伸びしろも大きい商品だと思います。ただ、現在の『赤星』ファンが離れず、新規のファンを獲得できるようにしていきたいですね。新たに知った方たちが酒場で飲んだときに『あぁ、こんないい酒場があるのだなぁ』とつなげていけることが、『赤星』の役割だと思っています」と今後について語ります。

個人的には宅飲みで、好きなつまみを作ったりして、ゆっくりと語りながら注ぎ合ったり、昔懐かしく風呂上がりに晩酌で、素敵な時間が過ごすのもいいと思います。

酒場で楽しむのもいいが、家族と食卓を囲みながら飲むのも楽しい

国産ビールとして最も歴史ある「赤星」は古くからの愛し続けるファンと珍しさから注目を集める新規ファンによる相乗効果により人気が高まっています。

新年度を迎え、仕事終わりに交流をもつ機会も多いこの時期に「赤星」でコミュニケーションを深めるのもいいですし、家で家族と晩酌をしてみるのもいいと思います。あなたならではの「赤星」の楽しみ方を見つけてみてはいかがでしょうか。

◆サッポロビールのサイトはこちらから

http://www.sapporobeer.jp/

サッポロビールサッポロラガービール赤星

※記事に掲載されている内容は取材当時の最新情報です。情報は取材先の都合で、予告なしに変更される場合がありますのでくれぐれも最新情報をご確認いただきますようお願い申し上げます。

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この記事を書いたひと

こぐねえ(木暮 亮)

ビールコンシェルジュ

『日本にも美味しいビールがたくさんある!』をモットーに応援活動を行っている。実際に現地へ足を運び、ビールの味だけではなく、ブルワーのビールへの想いを聴き、伝えている。飲んだ日本のビールは4000種類以上(もう数え切れません)。また、ビールイベントにてブルワリーのサポート活動にも積極的に参加し、ジャーナリストの立場以外からもビール業界を応援している。

当HPにて、「ブルワリーレポート」「うちの逸品いかがですか?」「Beerに惹かれたものたち」「ビール誕生秘話」「飲める!買える!酒屋さんを巡って」などを連載中。

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