[ビアバー,ブルワー]2019.6.14

【ビールのある風景in岩手②】ビールも人生も楽しもう! 北上市のさくらブルワリーを訪問してきました。

岩手県北上市。岩手県の南西部に位置し、人口9万人超。県内では5番目に人口の多い市です。東北地方有数の流通・工業集積地であり、岩手県の中では数少ない人口増加地域です。その反面、東京駅を出発した新幹線のはやぶさの多くは、仙台駅に停車したあと盛岡駅まで止まらず、北上駅は通過してしまうので旅行者には印象に残りにくい場所かもしれません。
北上駅から行ける北上展勝地は、東北有数の桜の名所として知られ、「さくらの名所100選」「みちのく三大桜名所」に数えられています。2キロにわたる桜並木の他にも、約150種の様々な桜が園内に1万本あると言われ、4月中旬から5月初めまで楽しむことが出来ます。
桜が散ってしまった後の5月、北上市を2度訪問してきました。目的は北上市にあるさくらブルワリーのビールを現地で飲むこと、そしてイギリス人醸造家のスティーブン・マイケル・バットランドさんに会うことでした。

最初の訪問はゴールデンウィーク最終日の昼。北上駅から約2キロのさくらブルワリーまで歩きました。


11時から17時まで営業、以前はブルワリーが2階部分で、洒落たカウンターがあったという情報を得ていたのですが、実際に行ってみると、ここでは瓶ビールの販売のみとのこと。スティーブンさんも不在でした。
飲む気満々で歩いてきたのでちょっと残念でしたが、それでも初めて見る瓶ビール「展勝地さくらエール」と「羽山ラガー」の2種類を購入することが出来ました。

4日後の土曜日の夕方、再び北上駅へ。今度は、駅から500メートルほどの「エールハウス ロビンフッド(Ale House ROBIN HOOD)」へ向かいました。さくらブルワリーのビールが飲める専門店です。
18時の開店近くにお店付近をうろうろしていたら、ちょうどスティーブンさんとバッタリ。今までもイベントではお会いしたことがあったのですぐにわかり、お店に入れていただきました。

その日飲めるビールは、ボードにマグネットで印がついています。今日は6種類。

せっかくなので、飲み比べ4種を注文。上から、展勝地さくらエール、ケルシュ1918、イングリッシュポーター、ロイヤルレッドエールでお願いしたら、ロイヤルレッドエールが一杯分なく終わってしまったとのことでサービスしていただきました。その代わりに、飲み比べにはトリプルホップアメリカンペールエールを追加しました。

おつまみにはスパニッシュソーセージを注文。目の前でじっくり焼いて提供してくれました。

終わってしまったロイヤルレッドエールの代わりに、新しくボストンブラウンセッションエールをつないだとのこと。最初に味見したスティーブンさんが「本当に出来がよくて美味しい」とのことだったので、単独で追加。

こうしてビールを飲みながら1時間あまり、じっくりとお話しをすることが出来ました。もちろんビールの話もしましたが、それ以外の話のほうが圧倒的に多かったような気がします。
ビール造りに加え、アクセサリーショップの経営、シェフの経験も豊富というマルチなスティーブンさん。さらに新たにビール以外で手掛けはじめたことがあって、とても忙しそう。

でも、どんなに忙しくてもこのお店を臨時休業しようとは思わないとのこと。理由ははっきりと「好きだから」。そして、「もし今日休んだら困ったでしょう?」と笑うのでした。
「お金だったら都会でお店をするほうがいいかもしれない。でも、お金じゃない。好きな場所で好きなことをするのが一番」との言葉から、ビール造りもそれ以外のことも、本当に楽しんでいるんだな…というのが伝わってきました。

もちろん、ビールも美味しかったのですが、本音で語るスティーブンさんとじっくりお話し出来た時間がとても貴重でした。私事ですが、東京を離れ4月から始めた新生活に「素敵」という言葉のエールをいただくことも出来ました。
人生で新しいことを始めようとしているとき、何かを迷っているとき…エールハウス ロビンフッドに飲みに行くと、もしかしたらヒントと勇気をもらえるかも…そんな素敵な場所が、北上市にありました。

さくらブルワリー,岩手県,北上市,ロビンフッド

※記事に掲載されている内容は取材当時の最新情報です。情報は取材先の都合で、予告なしに変更される場合がありますのでくれぐれも最新情報をご確認いただきますようお願い申し上げます。

(一社)日本ビアジャーナリスト協会 発信メディア一覧

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この記事を書いたひと

きただ ともこ

ビアジャーナリスト

ビールと旅と野球観戦が大好きです。
主に、ビールがどんな土地で造られてどんな感じで飲まれているかに関心があり、気になるビールが出来るとその地元を訪ねたくなります。日本全国たまには海外にも足を運び、特に国内は岩手、海外は韓国のクラフトビールに注目してきました。
ビール好きがきっかけで岩手にどっぷりはまり、2019年4月から岩手沿岸の仮設住宅に住みながらの仕事を経験。現在も岩手に拠点を置き、得た情報を実際にこの目で確かめながら、岩手中心に東北地方のビール事情を発信してきました。最近は、日本語での情報が少ない韓国のビールについても、現地に足を運んで手に入れた情報をもとに記事にしています。

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