[ビアバー]2020.6.28

渋谷CIDER SHACK クラフトビールとサイダーの拠点オープン!

2020年6月1日、東京都渋谷区に「CIDER SHACK」がオープンしました。クラフトビールとサイダー(リンゴのお酒、シードル)を愛する二人が開いたお店。その魅力をご紹介いたします。

CIDER SHACK

「CIDER SHACK」は、渋谷駅から明治通りを南に徒歩7~8分ほど、恵比寿駅からは徒歩10分ほどの距離にあるCIDER&BEER PUB。明治通り西側の歩道を歩いていると、お店のロゴマークの入った看板が見えます。白い塗装に「CIDER SHACK」と店名が大きく表記され、ガラスにもロゴマークが描かれているので分かりやすいです。

(左)CIDER SHACKの看板、(右)店舗外観

店内に入ると、木材を多く使った内装から、気軽にクラフトビールやサイダーを楽しめる印象を受けます。席数は2人掛けのソファー席、カウンター8席の合計10席。カウンターは今後10~12席に増やす予定です。ビールおよびサイダーは、カウンターに設置された5タップのタップスタンド2つ、ハンドポンプが2基、独立した1タップの13タップから提供。6/14現在、タップからの提供はクラフトビールが主ですが、クラフトビール50%とサイダー50%の比率にしていく予定とのことです。

CIDER SHACK店内

お店のコンセプトは「Wild、Real、Natural、Artisan」。野性的、リアル、自然、職人的を意味する4つの単語は、ビールづくりやサイダーづくりに通じるものです。店舗の内装には、自然を意識した木材を多く使っており、農園に立つ小屋をイメージされています。日本国内やイギリスやベルギーなど海外のブルワリーとビアバーを巡り、ビールのエバンジェリストとして活動する「土肥 泰士」氏。イギリスのサイダリー(サイダーメーカー、サイダー醸造所)「ROSS ON WYE」にて、原料のリンゴ収穫・粉砕からサイダー醸造の一連の工程、ボトル詰めや配送など、サイダーづくりの修行を収めた「ちゃぁりぃ」氏。そんな二人が開いたお店です。

左:「ちゃぁりぃ」氏、右:「土肥 泰士」氏

提供するビールは、ブリティッシュやベルジャンなどヨーロッパの伝統的なスタイルが主です。6/14現在、樽生では「大山Gビール」、「松本ブルワリー」、「TDM 1874 Brewery」などから、ヨーロッパの伝統的スタイルの銘柄を提供。また、ボトルでランビックビールの提供もあります。サイダーは「ROSS ON WYE」を主として、イギリスをはじめとした銘柄を樽生やボトルで提供。サイダー(英語)はリンゴのお酒のことで、シードル(フランス語)とも呼ばれます。日本では甘いリンゴのお酒の印象ですが、伝統的なイギリスのサイダーは甘味が強くありません。ドライな味わいのもの、樽熟成したもの、ランビックビールの様なワイルドな風味なものなど、とても多様。多様なビールとサイダーを交互に飲み比べるのも良いでしょう。

(左)大山Gビールのペールエール、(右)ROSS ON WYEのサイダー

提供するフードは、マッシュポテト付きのチョリソーの鉄板焼き、ボリュームたっぷりのターキーレッグ(七面鳥の足)など、ビールによくあうもの。もちろん、サイダーにもあいます。今後はバリエーションを増やしていく予定で、たこ焼き提供も考えているとのことです。

(左)チョリソーの鉄板焼き、(右)ターキーレッグ

営業時間は、2020年6月現在では下記の通り。2020年7月から週1で定休日を定めますが、曜日は未定とのこと。
月~金 17:00 – 24:00
土日  15:00 – 24:00
※臨時休業や営業時間の変更の可能性もありますのでFacebookInstagramなどを事前にご確認ください。

CIDER SHACK開業までの経緯

ビールを愛する「土肥 泰士」氏は、日本各地のブルワリーやビアバーを巡り、クラフトビールについて学びました。また、ベルギー、イギリスやドイツなど海外のブルワリーやビアバーを訪れたこともあり、知見を広めました。そして、クラフトビールを提供する側に立つことを決意。当時は会社員でしたが、兼業で埼玉県戸田市のCraft beer & Bistro Dining「O’VAL」にて、サービングや接客などを学びました。その際、「ちゃぁりぃ」氏と共にサイダーの紹介イベントを開催。ビールのエバンジェリスト活動をしつつ、サイダーにも深く関わりを持つ様になりました。

Craft beer & Bistro Dining「O’VAL」にて修行中の「土肥 泰士」氏

サイダー大好き「ちゃぁりぃ」氏は、仕事やイベントを通じてサイダーと様々な関わりを持っていました。本格的に修行するため、イギリスで学ぶことを決意。2019年9月にイギリスへ旅立ちました。リアルサイダーと呼ばれる、野生酵母でつくられる伝統的なサイダーを求め、サイダリー(サイダーメーカー、サイダー醸造所)のあるウェールズ近く、ヘレフォードシャー(Herefordshire)へ向かいました。ヘレフォードシャー(Herefordshire)では、ハンドポンプで注ぐリアルサイダーを味わい、地元の方から情報収集。その後、教えてもらったサイダーミュージアム(サイダー博物館)を訪れることになります。このことが修行先を決める運命の選択になりました。

写真提供:CIDER SHACK、サイダーミュージアム

サイダーミュージアムではサイダー歴史、醸造方法、貴重な設備などを見学。博物館の方より、サイダールートというヘレフォードシャー(Herefordshire)のサイダーメーカー案内地図をもらいました。その情報をもとに、サイダーメーカーの1つ「ROSS ON WYE」へたどり着きました。「ROSS ON WYE」のパブにてサイダーを味わった際、すごくきれいで尖ったことない落ち着いた味に感激。

写真提供:CIDER SHACK、パブにて、ROSS ON WYEのサイダー

お店の方(オーナーの息子)に、この先にオーチャード(果樹園)があるので、行ってみると良いとアドバイス。そこには2人の英国人(1名はオーナーMike Johnson氏)がおり、『サイダーがどうやって作られているか知りたくて、日本から来ました』と修行の意思と熱意を伝えました。そして、リンゴ園の小屋に案内され、明日からここに泊まり、学んでよいと認められました。こうして、「ちゃぁりぃ」氏の「ROSS ON WYE」でのサイダー修行が始まりました。リンゴ園の小屋のことは「CIDER SHACK」と呼ばれ、オープンする店名の由来になりました。

写真提供:CIDER SHACK、リンゴ園の小屋

約6か月間「ROSS ON WYE」にて、リンゴの収穫~粉砕・絞り~発酵・熟成、ボトル詰め、配送などサイダーづくりの一覧の作業を経験。野生酵母でつくられる伝統的なサイダーづくりを始めとした修行を収めました。

写真提供:CIDER SHACK、木樽で熟成中のサイダー

2020年3月13日、「ちゃぁりぃ」氏は日本に帰国。「土肥 泰士」氏と共にオープンに向け、内装整備を開始しました。当初は、2020年3月20日ごろオープン予定でしたが、新型コロナウイルスによる、外出自粛など世情を考慮して見送り。2020年4月~5月にかけてはオンラインイベントを開催し、オープンを待ち望む方々と交流を深めました。そして、2020年6月1日にオープンを迎えました。

写真提供:CIDER SHACK、(左)修行を収め帰国した「ちゃぁりぃ」氏、(右)内装整備中の「土肥 泰士」氏

CIDER SHACKでクラフトビールとサイダーを楽しもう

「CIDER SHACK」は、クラフトビールとサイダーの拠点を目指すお店。ビール好きとサイダー好きの交流点であり、「ROSS ON WYE」などイギリスの伝統的なリアルサイダーを味わえるお店でもあります。今後は、この地域の人たちにクラフトビールやサイダーのことをより知ってもらう活動を進めていくとのこと。今後がとても楽しみなお店です。是非、訪れてみてはいかがでしょうか。

この記事が素敵なビールとの出逢いに役立てれば幸いです。


■CIDER SHACK
所在:〒150-0011 東京都渋谷区東1丁目27−9 奥山ビル 1階
FACEBOOK:https://www.facebook.com/CIDER-SHACK-104671051088484/
INSTAGRAM:https://www.instagram.com/cider.shack

※臨時休業や営業時間の変更の可能性もあります。訪れる際は、事前にご確認をお願いします。

CIDER SHACK渋谷

※記事に掲載されている内容は取材当時の最新情報です。情報は取材先の都合で、予告なしに変更される場合がありますのでくれぐれも最新情報をご確認いただきますようお願い申し上げます。

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この記事を書いたひと

Atsushi Taguchi(田口 篤史)

ビアジャーナリスト/ビアライター

ビール大好き!ビールを求めドイツやベルギーを中心にヨーロッパをよく旅していました。
世界にも日本国内にも、素敵なビールはまだまだたくさんありますので、巡りたいところは尽きません。
ビールの素晴らしさ、楽しさを多くの人に伝えていきたいと思います。
Enjoy!Beer!

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