[コラム,ブルワー,新商品情報]2021.5.5

業界の構造を根本から改革する!新プロジェクト 999Heads(スリーナインヘッズ) 始動!

ビールに愛された皆さまへ!

クラフトビール業界の構造について、考えたことってあるでしょうか。そして、それを理解をしていますか?

私たちビールを飲む側としては、ブルワリーのリリースを待ち、新発売のビールを喜び、新規ブルワリーに期待をし、いつもの銘柄に舌鼓を打つ。
若い飲み手もどんどん増えて、ビールの知識が豊富なファンも増えて、だいぶ底上げされてきているなぁ、などと感じることもあるのではないでしょうか。

クラフトビールを飲む私たちは20歳以上のオトナで、働いて収入を得ているという人が大半だと思います。

自分の働く業界についての問題点や諸事情に思いを馳せて飲むビールもあるかと思いますが、それはこのクラフトビールの製造・販売にまつわる業界についても同じように、多々の問題をはらんでいるということを、他人事ではないと感じて頂きたいのです。

999Headsがスタート

このプロジェクトの目的は、高い価値のビールを高い価格で売ることです。
ビール職人たちが技術のすべてを注ぎ込んだビールのみを販売します。
(999Headsトップページより抜粋)

このプロジェクト名である999Headsは、999人を上限としたHEADS-つまり熱狂的なファンを指すのですが、高い価値のあるビールを適正価格で売るという、会員制の限定サービスです。
Headsは、ライトなファン層と偏狭的なギークの間にいて、社会性を保ちながら人生の大半を注ぎ込むような情熱を持った層を指します。ビールに関してということになると、皆さん自身、あるいは身近に思い当たるような、あの方々のことですね。(私ももちろん、その一人です)

私たちは会員権を購入することにより、プロジェクトに参加したブルワリーの最高品質のビールを購入する権利を得ます。
それは、私たち飲み手側も、この業界の構造的問題を変革させていこうという志を表していく行動なのです。

999Heads公式サイトはこちら

ブルワリーの人材問題

今現在、日本国内のクラフトビールの商業的な活動は、地ビール解禁の創成期からの情熱ある有能なメンバーによって支えられていると言っても過言ではないでしょう。しかし、人材というのは有限です。1994年の地ビール解禁の時に30代・40代の働き盛りだったブルワーさんたちも、四半世紀が過ぎた今、定年を迎え引退するような時期になってきました。新しい人材が必要な時期であることは間違いありません。

中途でこの業界に入りブルワーとなった方について言うと、皆それなりの職業・地位を持っていたが「ビール醸造をやりたい」という一つの理想を持ち、情熱を捧げて続けています。その裏では、実はその収入面において、前職の半分以下、1/3にもなっているというのが現実なのです。

ブルワリーに就職する、あるいは新規でブルワリーの立ち上げをして人材を募集しても、生涯賃金や地位の向上と、「やりがい」や「ビールへの愛情」と天秤にかけた有能な若者たちは、どちらに進んでいくでしょうか。将来設計が立ちいかず、有能で適性がありながら道をあきらめた人がどれほどいたことでしょうか。

大きなお金が動かない場所には、人は集まりづらいのです。

それはそう遠くない将来、この業界がゆるやかに衰退していくことを意味しています。

プロジェクトの目的

ブルワリーの人間で、金持ちになった人間は1人もいません
(999Heads運営のあいさつより抜粋)

高い学歴や知性を持ち、もちろんビール醸造への情熱に燃え、絶え間ない研鑽により技術を磨く。そういった職人であれば、優れた商品を生み出し、注目され、いずれは確固たる地位を築いてその活動に見合った報酬を得ていく。これは、会社員であってもそのような目標設定をして、見本となる先輩の背中を目指し、業務に打ち込むものではないでしょうか。

ですが、今のクラフトビール業界において、一番の問題点として999Headsが挙げているのが、
高い技術で作られた素晴らしいビールも、まずいビールと変わらない価格で世に出回っているという点です。

なんだったら、技術的に劣った雑味のあるビールの方が、高価な場合もあるぐらいなのです。

そしてそれは、いかに優れたビールを生み出しているブルワリー/ブルワーでも、その給料に反映されない、ということにつながっているのです。

頑張っても意味が無いという構造を変えていく

今の状態が続けば、「フレーバーシロップを投入するビール」と「副原料を考え抜いてブレンドし、漬け込む手間をかけたビール」が、同じスタイル・商品名で同価格帯で売られてしまうことを考えても、

「そこまでしなくても、いいかな」と技術の向上をあきらめるブルワリーも出てくるかもしれません。

技術に価値を置く。その人だからこそ、磨いてきた感性や技術、そして醸造工程において費やした手間や時間という、目に見えないところに金銭的価値を創り出す。それが今回のプロジェクトの目的になります。

例えばワインなどはその最たる酒類で、ブドウの品種や畑や土のテロワールや収穫時期。そして長い歴史を生き抜いてきた名のあるワイナリーやドメーヌ。微に入り細に入り気遣って作られたワインに、ロバート・パーカーの評価がつけば、倍どころか10倍、100倍の値段でだって買う人たちがいるのです。

技術に付加価値があることを理解し、高価格のビールをビアファンが受け入れ購入することが常態化すれば。
ブルワーの技術の研鑽は今まで以上に意味のあるものになり、収入面での向上にダイレクトに繋がっていくことになります。

若い人が希望に燃えて業界に入ってくる、それはビール業界を活性化し、そしてユーザーをも幸せにする状況でしょう。

高価格にする理由

「高くする理由をつけません」と田上氏は断言します。

例えば、一年長期熟成。木樽仕込み。ラベルに金箔を施している。そういったものに価格を吊り上げるための理由をつけない。
フェアトレードやSDGsですら、このプロジェクトにおける「高品質ビール」の煽り文句に入れない、ということでした。

今までのキャリアの全てを注ぎ込み、技術の粋を集めた、丹精込めたビール。

それが、このプロジェクトが掲げる高価格のただ一つの理由になるのです。

あくまで中身、ビールで勝負です。

(ただし、後発で参加のブルワリーがそれを入れても問題はないということです)

成功の最終目標

このプロジェクトを進めるにあたり、酒類に関わる様々な許認可・免許について国税局とも相談を重ね、「免許の要らないシステム」を構築した、という田上氏。通常は、醸造所で作られたビールを消費者に販売する、という仲介の業務をするのに必要となるのは「酒類の販売代理・媒介業免許」です。

この媒介業という免許は大変ハードルが高く、一般の人がすぐに取得できるものではありません。例えば、「年間媒介量が100kl以上」などと規定があるのですが、100キロというのは10万リットルという意味です。330mlの小瓶で販売しようものなら、30万本は出さないといけません。それ以外にも、酒造・販売のスペシャリストであることが必要なので、よほどの企業や人でないと難しいでしょう。一言でいえば、不可能です。

ですが、様々な方法で媒介と等しい立場を取りながら、それらの問題をクリアするノウハウを見つけたという田上氏。
「真似しやすいことを一番に考えました。誰でもすぐに始められるほどのシステムを構築しました」とのたまいます。

「ただし、黙って真似しないでください。間違えると違法となる可能性があるので、そうならない方法をお教えします」

このプロジェクトを成功させた、とする理想形として、

自分たちにとどめない

この形態が広がっていく、真似する企業などが現れて、僕たちを喰ってしまっても構わない。
同じような販売方法が次々に現れて、飲み手は「ああ、またこれか」と思うほどになるのが理想です。

そうすれば、クラフトビール業界はどんどん活性化していくことでしょう。

999Heads公式サイトはこちら

本当のプレミアムビール

さて、今回のプロジェクトの開始に伴いリリースされる999Headsの最初のビールは、

東海道BEER川崎宿工場で醸造されたPremium Pilsner 「Antarcticite2021」(アンタークチサイト)というピルスナースタイルのビールです。

これは、醸造技師の田上氏がはじめて手掛けるラガービールです。もう、それだけで飲む前からワクワクしてしまいますね。

飲む宝石、Antarcticite 2021-アンタークチサイト 2021-

 

理科の先生をしていたという田上氏。
「さて、常温で液体となる鉱物が、現在3つ確認されています。分かりますか?」と聞いてきました。

「はい、先生。水銀と、水です」
「氷ですね。水銀はメジャーですが、水→氷が鉱物ということが出てきたのはえらいですね。あと一つは?」
「分かりません」
「3つ目の鉱物が、Antarcticite-アンタークチサイト-です。知ってますか?」

1963年、南極大陸(Antarctica)で日本人の冒険家で地球科学者の鳥居哲也によって発見されたのが、アンタークチサイトという新種の鉱物です。でもそれは、25℃が融点で、つまり24度以下でないと固体の形を保てず、液体に変わってしまうという特殊な鉱物だったのです。

飲む宝石をイメージした」という田上氏。
はじめて醸造するピルスナースタイルということで、飲み手側としても期待値が上がります。

大手のつくるピルスナーの真似をしても意味がないですね。
ラガービールのスッキリ感と、クラフトらしい香りの付け方を融合させることで、新しいものが生まれると思いました。
新しい形のピルスナーを目指して作り、思った通りのものに仕上がったと思います。

(個人の感想です)
ピルスナーだけどボディ感があり、飲みごたえのあるタイプです。
ネルソン・ソーヴィンの特長ある香りが顔をのぞかせ、シムコーの爽やかなアロマが、ふんわりと柑橘とアンズのような甘いフレーバーをもたらします。
苦みは程よく感じられ、喉を通るときにはキレがよく抜けていき、

もう、ずっと飲んでいたい

と思わせるくせにスルスルと喉を通り、グラスは思ったより早く空いてしまうという、本当にPremiumな時間を過ごせるビールです。

 

技のすべてを注ぎ込んだ特別品として

ブルワリー/ブルワーの技術の高さに対しての価値にお金を払ってもらうのですが、必ず満足してもらえるという品質のビールを提供します。今回の限定ビールAntarcticite 2021は3本で5000円と設定しました。送料込みで、会員は1セットのみ購入可能。

3本で5000円というと、心理的障壁があるかもしれませんが、ビールへの満足の対価として、それを越えてでも購入したいというファンが集まることを信じています。また、その期待に応えられるように、頑張っていきます。

そんなに大量には用意できないので、最初は会員数より少ない数量での提供になります。

今後も一流のブルワリーに声をかけて、このプロジェクト用に価値のある逸品を提供していきます。最初はシーズン毎に1商品、少しずつ増やしていく予定です。

 

 

さて、皆さま。業界の構造を根底から変えるのは、Headsとしてプロジェクトに参加する皆さま方でもあります。
スタートアップメンバーとして、時代の証人となるチャンスです!

会員権は30円ですよ。え?30円? 驚きますよね。
でも、999名しか買うことができません。
1000人目からは、蚊帳の外になると思うと、これは買って参加しておいた方がいいと思いませんか?

999Heads公式サイトはこちら

999Headsクラフトビール新規プロジェクト
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この記事を書いたひと

松原 順子(MJ)

ビアジャーナリスト/Youtube JBJA Channelプロデューサー

ビールと昆虫とリコーダーと天然石が大好きです。JBJAではイベントサポートやBJAチューターも楽しんで取り組んでおります。人に寄り添う記事作成を心がけ、JBJA公式動画サイトJBJAchannelではMCを担当しております。
JBJA公式動画サイト:YouTube JBJAチャンネル

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