[コラム]2022.10.18

Beer&Life Style〜Fashion編〜「ビールとベストのペアリング」

ビールのペアリングはフードだけではない。

どんな装い=ファッションで、どんなビールを飲むか……。
それが「ビールとファッションのペアリング」だ。

IVY、トラッド、渋カジなんてのが青春だった世代には懐かしく、若い世代には一周まわって新発見になる連載企画。

第2回目は【ビールとベスト】のペアリングだ。
第1回目、【ビールとボーダーシャツ】は、こちらで。

【10月下旬】体の芯を冷やさない! フィールドビールとベスト

チョッキってなんすかっ?

ベストのことをチョッキと言って「はぁ? それ、なんすかっ?」と笑われた人は、昭和生まれに違いない。

他にも、バンド、ズック、トックリ、ランニングシャツ、パンタロンなど、ファッション業界には死語がいっぱいだ。

素材に関してもコール天、ベッチン、メリヤスなど若者には通じない場合がある。背広はジャケット、Gパンはジーンズ、ジャンバーはブルゾンの時代である。

ファッション用語は目まぐるしく進化し、チョッキはベストとなり、今やジレと呼ばれはじめているとのことだ。
が、今回は「ベスト」でお話を進めさせていただきたい。笑

胴体部分を保温しつつ、腕を軽やかに

ベストと言ってもいろいろある。
3ピースのベストとダウンベストでは雰囲気もその機能もまったく違う。

しかし、どれも「胴体部分を保温しつつ、腕を軽やかに」というところは同じである。
半袖のTシャツにニットのベストを合わせている人に「暑いんか寒いんか、どっちやなん!」と突っ込んでいたが、今思えばこれぞ究極の「胴体部分を保温しつつ、腕を軽やかに」だったのだ。失礼いたしました。

チルデンベストにトライ

セーターには早いが、ちょっと薄ら寒いという今の季節、ベストはとても重宝だ。
そんなベストの中で定番といえば、ニットのベストだと思う。

前ボタンのものもあるが、多くは被り物=プルオーバーだ。
無地のグレーあたりが”まずはの1着”だろうが、他人との差別化を狙うのであれば「チルデン」にトライしてみてはどうだろう。

チルデンとは、ウイリアム(ビル)・チルデンという名テニスプレーヤーの名前に由来するセーターやベストのデザインで、Vゾーンにストライプが施され、身頃はケーブル編みになっている。
上品さとスポーティさのバランスが絶妙で、良家のご子息ご令嬢感が醸し出される。

Vゾーンが広く見えるので小顔効果も期待できる

「偏差値高そう」と思わせる着こなしで

オッドベストを使い分ける

次に持っておきたいのがオッドベストだ。
オッドとは「Odd=余分の、奇数、片方の」といった意味で、「3ピースのベスト」に対する考え方である。3ピースの”替えベスト”といったニュアンスだ。

3ピースのベスト&パンツはキッチリとしたイメージなので、着崩すとかえってだらしない印象を与えるが、オッドベストだとラフな感じにも着こなせる。

着こなしによってイメージがガラリと変わるのがベストの良さ

オッドベストは、Vネックで前ボタン。後ろ身ごろ(背中側)はサテンなどのツルツルした生地のものが一般的だ。

これは、ジャケットを重ね着する際に滑りを良くするという理由からである。後ろ身ごろに、サイズを調節する尾錠が付いているものが多い。

Vゾーンに襟が有る物と無い物があるが、どちらを選ぶかは好み次第である。個人的には襟つきが好きだが、胸元をスッキリさせたい人には襟なしがおすすめだ。

前身ごろの打ち合わせはシングルとダブルがあり、これも好み次第である。ダブルの場合はショールカラーのものも見かける。

デザインにもよるが、一番下のボタンは外して着るのが一般的

アウトドア派にはダウンベスト

ベストにおけるもうひとつの勢力はダウンベストである。
最近は薄手のダウンベストをスーツのインナーにといった着こなしも見かけるが、ダウンベストはカジュアルに着こなすのが一番だと言い切りたい。

チェックのネルシャツの上に羽織るとアメリカのトラック運転手のようだし、フーディ(フデットパーカー)の上に着るとIVYリーグのスポーツコーチのような雰囲気となる。寒さをしのぎつつ腕は軽やかにしておけるというベストの実力が存分に発揮できる着こなしと言える。

ダウンベストの着こなしもさまざまある

 

個性派ベストも着こなしたい

個性派ベストにも手を伸ばしてみたい。
ワンピースの上に、”古着屋で見つけたちょっとくたびれた男物のベスト”を気負いなく羽織っている女性なんて実に魅力的だ。

ネイティブアメリカン柄のベストも面白い。
アメリカのナバホ族やニューメキシコに入植したスペイン系オルテガ族の用いる幾何学的な柄が人気だ。
アメリカ先住民のアートにかぶれたパリの画家って感じに着こなしたい。

カウチンベストも使い勝手が良い。
カナダのバンクーバー島に住むカウチン族の伝統的な防寒着で、鹿やイーグルの柄が一般的だ。柄だけ真似た「カウチン風」も見かけるが、未脱脂の羊毛を使用した本格派をお勧めしたい。

私も、古着を見かけ「暑いんか寒いんかどっちやねん! の究極じゃねぇ?」と思いつつ、安さにひかれて購入したところ、これが大活躍。

冬の朝はカウチンベストをパジャマの上にひっかけて顔を洗いに行くって感じである。体の芯を冷やさなければ、体調も良い。

古着や民族的デザインを取り入れておしゃれの幅を広げたい

体を冷やさない『根菜』使用のフィールドビール

せっかくベストが「体の芯を冷やさない」という働きをしてくれているのであれば、それに反する食べ物を口にするというのも申し訳ない気がする。

食べ物や飲み物には「体を冷やす」物と「体を温める」物があると言われている。
残念ながら、大麦に体を冷やす作用があり、ビールをゴクゴクと飲むのは体を冷やすことになる。
せっかくベストを着て体の芯を温めても、ビールで相殺されてしまうのは悲しい。

しかし、やっぱりビールは飲みたいのである。
そんな時、野菜を原料の一部に使用した「フィールドビール」、なかでも根菜類を使ったビールが狙い目である。

なぜか?
根菜類には体を温める効果があるとのことだ。

今回紹介するCOEDO BREWERYの「紅赤-Beniaka-」は、さつまいもが原料として使われている。アルコール度数が高いので、冷やしすぎずにゆっくりと味わえるビールというのも嬉しい限りである。

COEDO BREWERY「紅赤-Beniaka-」

COEDOは埼玉県川越市に拠点を置くブルワリー。
COEDOの名は、昔から川越が「小江戸」と呼ばれていることに由来し、海外でも読みやすいようにCOEDOと表記されている。

ワールドビアカップやヨーロピアンビアスターなど海外での受賞歴も多数あり、日本を代表するクラフトビールメーカーのひとつだ。

定番の銘柄には、瑠璃、伽羅、白、漆黒、紅赤、毬花と日本の色の名前がつけられていて、マークもホップを家紋風にデザインしたものである。
紅赤の原料には、川越名物の金時薩摩芋が焼き芋にして使われている。

銘柄:紅赤-Beniaka-
ビアスタイル:フィールドビール(ベジタブルビール)/インペリアルスィートアンバー
醸造所:COEDO BREWERY
アルコール度数:7%

藤原ヒロユキ テイスティングレポート:
赤みがかった琥珀色が美しい。焼かれた薩摩芋由来のほっこりとした甘味と香ばしさが、モルト由来の甘味や香ばしさと手を繋ぎ、リッチな気分になる。
7%のアルコール度数もホワァ〜と体と心の芯を温めてくれる。
ベストを着た日はCOEDOの紅赤! これぞまさしく”ベスト”な組み合わせである。

《今回紹介したファッションアイテム》
グラミチ コーデュロイ
アディダス スタンスミス
アウトドアプロジェクツ カーゴパンツ
ロックス MG WOODパンツ
シェラデザインズ ダウンベスト
MUJI 無印良品 フランネルシャツ
ペンドルトン
CA4LA 羽根飾り
ブルックスブラザース パジャマ

では、また!季節が変わる頃に、、、

Beer & Life Styleチョッキベスト藤原ヒロユキコラム
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※記事に掲載されている内容は取材当時の最新情報です。情報は取材先の都合で、予告なしに変更される場合がありますのでくれぐれも最新情報をご確認いただきますようお願い申し上げます。

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この記事を書いたひと

藤原 ヒロユキ

ビール評論家・イラストレーター

ビアジャーナリスト・ビール評論家・イラストレーター

1958年、大阪生まれ。大阪教育大学卒業後、中学教員を経てフリーのイラストレーターに。ビールを中心とした食文化に造詣が深く、一般社団法人日本ビアジャーナリスト協会代表として各種メディアで活躍中。ビールに関する各種資格を取得、国際ビアジャッジとしてワールドビアカップ、グレートアメリカンビアフェスティバル、チェコ・ターボルビアフェスなどの審査員も務める。ビアジャーナリストアカデミー学長。著書「知識ゼロからのビール入門」(幻冬舎刊)は台湾でも翻訳・出版されたベストセラー。近著「BEER HAND BOOK」(ステレオサウンド刊)、「ビールはゆっくり飲みなさい」(日経出版社)が大好評発売中。

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