[コラム]2024.5.3

音楽とのペアリング-hide-

5月2日、日本のロック史にとって衝撃的なニュースが流れた日である。
1998年5月2日、元X JAPANのギタリストhideの死。
(元X JAPANとは書いたが当時、であり、再結成後はメンバーの一人。)

残念ながら、筆者自身、世代ではない。
hideの亡き後にhideの残した音楽に触れ魅了されたファンである。

そんな筆者自身、毎年5月2日にやることがある。

hideの音楽を聴く!

ただ、今年は少し違う!この毎年のルーティンをやるこの日のために取っておいたビールがあるのだ!

その名も
hide生誕60周年記念”Born in YOKOSUKA”CRAFT BEER「hide 60th Anniversary Hazy IPA」

まず、hideとは

日本を代表するバンドX JAPAN(デビュー時はX)のギタリストとしてデビュー。
その後、並行してソロ活動を開始する(ちなみに表記はX JAPAN活動時はHIDE、ソロ活動時はhideだが、ここでは全てhideと表記する)
ヘヴィーなギターサウンドの曲が多いバンドのギタリストというイメージとは裏腹に、ポップな曲、さらにはソロライブツアーのまるでおもちゃ箱をひっくり返したような革新的な演出なども人気の一つだろう。
残念ながら筆者は映像でしか見ていない。しかし映像からでもわかる。観客を楽しませ、びっくりさせることを何よりも意識したライブなのだ!

また、音楽ジャンルの一つになっている「ヴィジュアル系」という言葉も元々はhideがX JAPANのキャッチコピーとしてつけた「PSYCHEDELIC VIOLENCE CRIME OF VISUAL SHOCK」から生まれた。つまりヴィジュアル系の生みの親とも言えるだろう。

hideと酒

hideは大のお酒好きとして有名、といいたいところだが、そこはその時代のミュージシャンというか、酔っぱらって色々やらかしてるので有名だ(同じくX JAPANのYOSHIKIと合わせて多数ある。)。
地球と戦って踵の骨を折ったり(おそらく酔っ払って倒れて地面にかかと落とし的な?)、また音楽でもD.O.D(DRINK OR DIE)という曲を作ってたりという具合である。
しかし思うのは、hideに関わらずこの時代のミュージシャンの伝説みたいなものを見ていくと、今のコンプライアンスでは考えられないことをしているよなぁ、ということ。でも、だからこそ、今の時代にないような、刺激的なロックスター像が出来上がっていた、とも言えるのではないか?とかおもったりするのだ。

hide生誕60周年記念”Born in YOKOSUKA”CRAFT BEER「hide 60th Anniversary Hazy IPA」

2024年は生誕60周年を迎える年

「生誕60周年を迎えるhideに味わってもらいたいビール」

をコンセプトにhideの生誕の地、横須賀、その地にタップルームを併設するマイクロブリュワリーGRANDLINE BREWINGさんとのコラボで生まれたビールである。

hide生誕60周年記念”Born in YOKOSUKA”CRAFT BEER「hide 60th Anniversary Hazy IPA」

発売とともに即完売。悔やんでいたところに再販され、筆者は限定グラス付きセットを狙っていたのだが即完売。
なんとかビールだけ手に入れはした。
さらに、昨日、5月1日、今までのアルバムの最新リマスター版と2023年に25年ぶりに集結したhideのソロプロジェクトのバンドhide with Spread Beaverのライブ(ちなみに筆者はこのライブ、参戦した)の映像付きの「REPSYCLE~hide 60th Anniversary Special Box~」が発売された。

hide Memorial Day 2023 “hide with Spread Beaver appear!!”

なら、このビールを飲んで聴くしかあるまい。

音楽を聴きながら飲んでみる。

PSYENCEというセカンドソロアルバムを聴きながら飲んだ。

「PSYENCE」と「hide 60th Anniversary Hazy IPA」

「うん、いいね」

と思わず言ってしまう。

リマスター版、今まで聴こえていなかった音も聴こえてきていい!
そして肝心のビール、hazy特有のトロピカル感もありつつ、少し苦味がくる。でも飲みやすい。
音楽を楽しみながら飲む、と徐々に体温は上がってくる、そして、ビールも温度変化してくる。
すると最初のトロピカルな雰囲気は薄まり、草のような香りと苦味が強調されてくる。
温度変化とともにリマスターされたかのような感覚だ。
まるでhideのポップでインダストリアルな曲もありながらも聴きやすい楽曲達のよう。
「hideに味わってもらいたいビール」が、「hideと味わえてしまうビール」になる。

最後に

5月2日、実はもう一人レジェンドの楽曲を聴くことにしている。忌野清志郎である。
実はhideと忌野清志郎、命日が同じなのである。
そんな日に色褪せない楽曲達とともにビールを飲む、最高のペアリングではなかろうか。

音楽ペアリング

※記事に掲載されている内容は取材当時の最新情報です。情報は取材先の都合で、予告なしに変更される場合がありますのでくれぐれも最新情報をご確認いただきますようお願い申し上げます。

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この記事を書いたひと

西條伊里也

ビアジャーナリスト/ジャパンビアソムリエ

ビールは元々好きだったが、イギリス滞在中に、新型コロナの影響でロックダウン生活を送ることになり、意気消沈している時に近くのブリューパブが寄付という形で一週間に一度、販売していた持ち帰り用の4パイントのビールに救われた気がして、ビールとの関係性が、友達以上恋人未満の関係から恋人に昇格。ただ、それ以外にも宝塚歌劇、ミュージカル、演劇、音楽も愛していたりする。シャンソン、ドラム、パーカッション、その他色々もやってる時もあればやっていない時もあったり。

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