ニュージーランドの風を感じる。個性派クラフトビール3種、飲み比べレビュー
ビールに愛された皆さまへ。
近年、日本でもその存在感を高めつつあるニュージーランドのクラフトビール。南半球の恵まれた自然と、自由な発想から生まれるその味わいは、ただの“輸入ビール”では語りきれない魅力に満ちています。
今回は、エムエスエンタープライズが取り扱う3本のNZクラフトビールを実際に飲み比べ。その印象を動画でご紹介しています。
目次
素材の甘みと爽快さの共演「Yum Yum Yuzu(DUNCAN’S)」

DUNCAN‘SBREWING公式サイトより
ニュージーランド北島・パラパラウムの地で造られるDUNCAN’S(ダンカンズ)の1本。地元密着型の小さなブルワリーでありながら、革新的なレシピと高品質な仕上がりで注目されています。
YUM YUM YUZUは、その名の通り柚子を使用したドライ・ラガー。……のはずなのですが、実際に飲んでみると、「ドライって書いてあるけど、思ったより甘い?」という第一印象が残りました。
もちろん、それは悪い意味ではありません。モルトや柚子由来と思われる、やわらかい甘みがほんのりと残り、素材の良さを感じるような仕上がりです。
炭酸の刺激は控えめで、全体的に丸みのある口当たり。のど越しよく飲める爽やかさがありながら、香りと味も楽しむタイプのラガー。「余計な甘さがない」ではなく、「自然な甘みが生きている」と表現するのがしっくりきます。
和食やサラダといった軽やかな食事にもよく合いますし、「今日はちょっと優しい気分で飲みたい」というときにもぴったりです。
🌊 苦味と香りが交錯する「Sea Beast(Mount Brewing Co.)」

Mount Brewing公式サイトより。
2本目に飲んだのが、「Sea Beast(シービースト)」。
Mount Brewing Co.が醸すニュージーランドIPAで、ABVは6%。使用ホップはWaimea、Nelson Sauvin、Taiheke、Pacific Jade、MotuekaというNZ産5種。
グラスに注ぐと、まず立ち上がるのはパッションフルーツやグレープフルーツのようなトロピカルな香り。柑橘の爽やかな香りや、松や草を思わせるグリーンなニュアンスもあり、香りだけで相当の情報量があります。
味わいは、苦味がしっかりと効いていて、フルーツ感とのバランスが見事。中程度のボディで飲み応えもあり、飲み手を選ぶ一本ですが、IPA好きにはたまらない構成。ひと口で南半球の豊かな気候を感じられます。
味わいは濃密で芳醇。しっかりとした苦味が広がったあと、ホップ由来の甘みと複雑な余韻が続き、飲むたびに新しい表情を見せてくれる奥深さがあります。IPAファンを唸らせる完成度。ぜひ、ゆったりと語らう夜のお供に。
🌿 ローカルレジェンドの微笑み「Mermaid’s Mirth(Mount Brewing Co.)」

Mount Brewing公式サイトより。
最後に飲んだのは、同じMount Brewing Co.の「Mermaid’s Mirth」。アメリカンペールエール(APA)で、ABVは6%。
ホップはCitra、Simcoe、Chinookを使用し、柑橘の香りが豊かに立ち上がります。グレープフルーツ、レモンピール、松のようなアロマが折り重なり、海辺の風を感じるような爽やかさがあります。
口当たりはクリーンで、クリスピー。軽やかな飲み口でありながら、ホップのキャラクターはしっかりと主張しており、バランスの妙を感じさせます。飲みやすいのに、ちゃんと深い。
ラベルに描かれた赤毛の人魚は、どこかミステリアスで、伝説の存在のように物語を感じさせます。実際、このビールはMt Maunganuiではローカルレジェンドとされる存在。かわいらしさの中に潜む危険性。軽快な飲み口に油断して、つい飲みすぎてしまうという“警告”も、あながち冗談ではありません。
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動画でも楽しくご紹介
いずれのビールも、個性と完成度が高く、飲んだ人それぞれに物語を届けてくれる存在でした。ビールは単なる飲み物ではなく、感性と時間を共有するパートナー。あなたの今日の気分にぴったりの一本が、ニュージーランドにはきっとあります。
動画でも楽しくご紹介しています!是非ご覧くださいね。
※記事に掲載されている内容は取材当時の最新情報です。情報は取材先の都合で、予告なしに変更される場合がありますのでくれぐれも最新情報をご確認いただきますようお願い申し上げます。