【ビールを通して感じる韓国㊵】ソウルとその近郊でクラフトビールを飲む(11) 7年ぶりの再訪! DEVIL’S DOOR@高速バスターミナル
韓国・ソウルで2014年11月に開店すると、日本の一般的なガイドブックにも取り上げられるようになったビアレストランがあります。その名はDEVIL’S DOOR(데블스도어・デビルズドア)。その頃に韓国に行ったことがあるビール好きな方なら、知っている、行ったことのある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
私自身は2018年に一度訪問。そのあと外観が変わっていないことだけは現地で確認していましたが、今年9月に7年ぶりに店内に入りビールを飲んできました。
目次
2018年の訪問
現在はほかの場所にもあるDEVIL’S DOORですが、最初にできたのはDEVIL’S DOOR Gramercy Central。最寄り駅は、地下鉄3・7・9号線の高速バスターミナル(고속버스터미널・Express Bus Terminal)駅で、お店に一番近いのは3番出口になります。
バスターミナルの敷地の一角といえる場所にありますが、バスターミナルがとにかく広くて地下も入り組んでいるので、迷わなくてもけっこう歩くことにはなります。
外観はレンガ造りの大きな倉庫のような感じでした。

最初の入り口のドアを開けると、こんな感じでデビルがお出迎えしてくれました。ここでひるむことなく次のドアを開けると、中は広く、天井も高く、明るい別世界が広がっていました。大きな醸造設備も見えました。


この時は、飲み比べセットとハンバーガーを注文しました。


飲み比べセットはグラスの下から光を当てるという演出がありました。これで少しデビル感を出していたのかもしれません。

(上の写真6枚は2018年4月撮影)
ビールを飲む空間は素敵で造られているビールも美味しかったのですが、それ以上に店内の装飾やビールの出し方など見た目のインパクトのほうが印象に残りました。
後から知ったのですが、DEVIL’S DOORは韓国の財閥グループで大手デパートの新世界百貨店を中心とする新世界グループ(신세계그룹・Shinsegae Group)の経営だということで、デザイン等にもかなりこだわって造ることができたと思われます。
今回(2025年9月)の訪問
初回の訪問から7年あまり。以前より話題になることは減ったと感じますが、同じ場所で変わらず営業しています。
しかも開店は少し早めの10時半。都会のソウルでも午前中からクラフトビールが飲めるところはかなり珍しく、貴重な存在です。
店内の雰囲気
入口の重厚なドアは7年前と同じでしたが…

最初のこのドアを開けたときに左右に立っていたデビル2体はなくなっていました。片側は鏡になっていたのは、デビル(悪魔)は自分自身の心の中に潜んでいる…という深い意味があるのかもしれませんが、とにかくドアを開けてびっくりということはなくなって少し穏やかな装飾になっていました。

次のドアを開けたときの広々とした雰囲気は、以前とほとんど変わってはいませんでした。

ビールと料理を楽しむ
韓国でクラフトビールを飲む場合、日本よりもサイズを選べることが少なく、選べても2種類程度のことが多いのですが、ここではTALL GLASS、ICE MAG GLASS(各300ml)、IRISH GLASS(350ml)、TEKU GLASS(400ml)、CAN GLASS(470ml)の5種類から選べます。料金はビールのグラスごとに決まっていて、TALL GLASSとICE MAG GLASSは8000ウォン(約880円)、IRISH GLASSが9000ウォン(約990円)、TEKU GLASSが10000ウォン(約1100円)、CAN GLASSが11000ウォン(約1210円)となっていました。

自家製ビールは7種類。最初に頼んだのはIRISH GLASSのペールエールマイルド(写真左・アルコール分3.5%・IBU13.6)とTALL GLASSのヘーフェヴァイツェン(写真右・アルコール分4.6%・IBU7)。

続いてICE MAG GLASSのへレス(写真左・アルコール分4.6%・IBU20)とTEKU GLASSのIPA(写真右・アルコール分5.2%・IBU13.6)。ICE MAG GLASSだけは、メニューにラガー系ビールのみという注意書きがありました。

最後にIRISH GLASSのスタウト(アルコール分5.0%・IBU25)と頼みました。

同じビールをグラスを変えて飲み比べもしてみたかったのですが、久しぶりだったこともありビールの種類を変えて飲みました。提供されていたビールの中で、一番アルコール分が高かったIPAでもアルコール分5.2%。ペールエールとへレスにはアルコール分3.5%のマイルドもあり、全体的にカジュアルに飲める軽めの味わいです。
料理はパスタ、ピザ、ハンバーガが中心。クラシックピザ(19500ウォン・約2150円)とトリュフマッシュルームクリームパスタ(18000ウォン・約1980円)を頼んでみました。


昼時の訪問でしたが、店内には何組か先客がありました。ビールやグラスが豊富なだけでなくソフトドリンクも種類が豊富で、ビールを飲まずソフトドリンクだけでゆったりと食事を楽しんでいる方もいらっしゃいました。
今年いっぱいはマイルド2種類は2000ウォン(約220円)、それ以外のビールは3000ウォン(約330円)の割引がありお得にビールが飲めます。もし機会があれば、是非今年のうちにどうそ!
◎DEVIL’S DOOR Gramercy Central(데블스도어 그래머시 센트럴)
所在地:205 Sapyeong-daero, Seochoーku, Seoul(서울시 서초구 사평대로 205)
営業時間:10:30~23:30(金・土は~25:00)*15:00~16:00は休憩
ソウル高速バスターミナル
韓国の高速バス
DEVIL’S DOOR Gramercy Centralのあるソウル高速バスターミナルは、ソウルから韓国の他の都市や地方に行くには欠かせない場所。韓国内を網の目のように走る長距離バスは本数が多いのが特徴で、料金も鉄道と比べて安く設定されています。
長距離バスには、高速バスと市外バスの2種類があります。高速バスは高速道路を利用して、途中の経由地なしに運行距離100km以上の都市間を走る遠距離バスになります。バスの運賃は目的地や座席タイプ、バスの設備などによって異なります。座席は4列並びの一般(일반)と3列並びの優等(우등)、プレミアム(프리미엄)の3種類に分かれ、全席指定です。優等やプレミアムは座席の幅が広く、前後の座席との間隔が広いつくりになっています。

(2025年2月撮影)
市外バスは、主に国道を利用して目的地まで運行しています。
ソウル高速バスターミナルから行ける地方
ソウル高速バスターミナルは、ソウル地下鉄3・7・9号線の高速ターミナル駅と地下通路で直結している大型バスターミナルです。ソウル市内には他にもバスターミナルはありますが、一番大きくて利用する機会が多いのが高速バスターミナルです。
韓国東南部の釜山や慶尚道(경상도・キョンサンド)方面を結ぶ京釜線(경부선・キョンブソン)と、韓国東部の江原道(강원도・カンウォンド)方面を結ぶ嶺東線(영동선・ヨンドンソン)が乗り入れています。
また、セントラルシティターミナルも地下鉄の高速ターミナル駅と直結しているバスターミナルで、韓国南西部の全羅道(전라도・チョルラド)方面へ発着する湖南線(호남선・ホナムソン)が乗り入れています。

(2024年4月撮影)

(2024年4月撮影)
韓国への旅はどうしてもソウルでの滞在が中心となりがちですが、地方にもたくさんの魅力があります。そして地方へ旅をするときは鉄道も利用できますが、バスならいろいろな場所に手軽に行くことができて、たとえ荷物が多いときでも広いトランクがあるので安心です。
そしてソウル高速バスターミナルを利用すると、ソウルから地方へのバス旅の出発前や到着後にDEVIL’S DOOR Gramercy Centralの雰囲気とビールを味わってみることもできますよ!
*参考文献:「CRAFT BEER KOREA(KOREAN CRAFT BREWERY GUIDE BOOK)」(2018・2020)BEER POST PUBLISHING
*100ウォンを約11円として換算しています
*日付の記載がない写真は、全て2025年9月に撮影しています
※記事に掲載されている内容は取材当時の最新情報です。情報は取材先の都合で、予告なしに変更される場合がありますのでくれぐれも最新情報をご確認いただきますようお願い申し上げます。







