[コラム,新商品情報]2016.8.19

クラフトラベル・マスターブリュワーに聞く「伝説のSORACHI ACE」サイドストーリー

クラフトラベルソラチエース伝説のSORACHI ACE

本日8月19日、ジャパンプレミアムブリュー(株)より「Craft Label THAT’S HOP 伝説のSORACHI ACE(ソラチエース)」が発売された。
このビールには秘められたストーリーがあると言う、マスターブリュワー新井健司さんにお話を伺った。

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いつかソラチエースで日本のビールを造りたい

ビールは通常、複数のホップを組み合わせてイメージする味と香りを造り上げる。
しかし今回はソラチエースのみを使用した“シングルホップ”だ。
これにより、ホップ本来の香りがダイレクトに楽しめる。

それ程までに味わいたいソラチエースとは、どんなホップなのであろうか?

「ソラチエースは1984年に北海道富良野で生まれたホップです。
サッポロビールにより開発されたのですが、当時よく飲まれていたノーブルなビールにはあわず、少しずつ忘れられていきました。
活躍の場を求めて1994年にアメリカに渡り、アメリカのヤキマ地方のホップ農家マネージャーであるダレン・ガメシュ氏に”再発見“されたのは、誕生から22年後の2006年でした」
と新井さん。

初めてそのホップに出会ったときのことを、ダレン氏はこう語っている.
“農場の中でソラチエースの香りにふれた瞬間、文字通りその場に縛り付けられたかのように一歩も動けなかった。それほど衝撃的な香りだったんだ。”

「ちょっと言い過ぎな気もしますが(笑)それほどまで、これまでにない強烈な印象を与えたホップだったのです」
そう言う新井さんもアメリカのビールフェスティバルでソラチエースを初めて口にしたとき、驚きを隠しきれなかった。

「ビールをワンランク上に引き上げる、レモングラス、ヒノキ、マツを連想させる爽やかな香り。それが日本原産とは。サッポロビールが育成したにも関わらず、自分も知らなかったなんて!」

“いつかこのホップを使ったビールを造るのだ” 新井さんに決意が生まれた。
留学先のドイツで、旅行先のアメリカで、知り合いになった醸造家と話しをする度にソラチエースへの思いは強くなる。

その後わずか数年のうちに欧米のクラフトビールで脚光を浴びる存在になったソラチエース。
その一方で入手が困難という希少性と個性的な香りから”伝説のホップ”となった。

新井さんが2015年からマスターブリュワーとして取り組んできたクラフトラベルのシリーズが成功したことで、今年ついにホップに特化した「Craft Label THAT’S HOP」のブランドが始動することとなる。
新井さんの夢が形を成した。

写真左:ホップ農場マネージャー ダレン・ガメシュ氏、写真右:クラフトラベル マスターブリュワー 新井 健司氏

写真左:ホップ農場マネージャー ダレン・ガメシュ氏、写真右:クラフトラベル マスターブリュワー 新井 健司氏

クラフトビールをブームで終わらせないために

これまでのクラフトラベルのシリーズは、スタイル毎の特長は出しつつも、強烈な個性は控えクラフトビール初心者の方にも好まれるビールであった。
しかし今回のビールは明らかに“玄人好み”だ。

「伝説のSORACHI ACEは、頭に“Craft Label THAT’S HOP”と付くように、ホップそのものにフォーカスを当てその魅力を余すところなく堪能できるように造っています。
今回はクラフトビールを飲みなれていて、もっといろんなことを知りたい方々がメインターゲットです。
私の使命のひとつは、クラフトビールをブームで終わらせないこと。
それにはより多くの人に新鮮な驚きと楽しさを提供することで、日本に新たなビール文化を根付かせたい。
クラフトラベルは、導入部分ではこれまでに造ってきたペールエール、ヴァイツェン、IPAのように、ライトユーザーにも受け入れられる間口の広さを持ちつつ、今回のホップに特化したビールでもっと奥深い世界へお誘いしたいと思っています」
新井さんの言葉にも熱が入る。

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これまでのシリーズは缶であったが、今回はボトルでの販売。
ラベルは落ち着きのあるグリーンのイラストだ。

「上面発酵ではあるのですが、ビールのスタイルは考えて造っていません。単純にホップを楽しんでもらうために、モルトのニュアンスはできる限り控えめにしました。ホップは複数回に分けて釜に投入し、最後はドライホッピング(注訳1)をしています」

麦芽や酵母由来の香りはシンプルに。
ソラチエースの香りや苦味を最大に発揮させるための舞台は整った。

静かなる森のビール

百聞は一見に如かず。早速飲んでみよう。
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テイスティングメモ:
外観は光をよく通す黄金色。泡立ちがよくメレンゲのような泡が長くグラスにとどまる。
グラスに鼻を近づけるとレモングラスや、様々なハーブの香りが鼻腔をくすぐる。
口の中ではその香りはますます輪郭を現し、レモングラスのスーッとする香りの後から、カラマツ、スギ、ヒノキの香りが現れた
イメージは初雪を待つ静かな森だ。
靴の下の小枝が折れる音が大きく聞こえるほどの静寂。
しかしながら耳をすませば確かに生き物の気配を感じる秘めた躍動感がある。
深呼吸をして胸いっぱいにその香りを吸い込みたくなる。そんなビールだ。

「日本で生まれながら、日本がまだ知らないホップ。その独特の香りと共に、このホップが辿ってきたストーリーも楽しんでいただきたいです」
と新井さん。

個性が強すぎたが故に当時の日本では活躍の場を見つけられずにアメリカに渡り、
世界でクラフトビールファンから認められたソラチエースの凱旋だ。
俳優に例えるなら、ショー・コスギか、ディーン・フジオカ、といったところか?

このビール、アナタはどう感じるだろうか?
次はアナタが伝説のホップを語る番だ。

下記のサイトで販売中
サッポロビールネットショップ KANPAI+
Amazon商品ページ

 

Craft Labelブランドサイト

(注訳1)ドライホッピングとは
通常ホップは麦芽を煮立てているときに投入されるが、発酵が進み完成間際のタイミングでホップを投入すること。それによりホップの香りがダイレクトにビールに伝わる。


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この記事を書いたひと

コウゴ アヤコ

ビアジャーナリスト

1978年東京生まれ。杏林大学保健学部卒業。
ビール好きが高じて2008年から1年半、ミュンヘンで暮らす。旅とビールを組み合わせた「旅ール(タビール)」をライフワークに世界各国の醸造所や酒場を旅する。ビアジャーナリストとして『ビール王国』、『ドイツニュースダイジェスト』など様々なメディアで執筆。『ビールの図鑑』『クラフトビールの図鑑』(マイナビ)、『極上のビールが飲める120店』(エンターブレイン)など。

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