ビール好きの本棚【第1回】「世界のビールMAPS」
ビールの楽しみは、飲むことだけではありません。歴史や文化、醸造、味わいの表現などを本から学ぶことで、一杯のビールがこれまで以上に奥深く感じられることがあります。
以前、あるビアバーのマスターから「知識が味覚を補完する」という言葉を教わりました。その一言は、私がビールについて学び続ける原動力になっています。
この「ビール好きの本棚」では、ビールをもっと楽しむために読んでおきたい一冊を紹介します。
第1回は、2026年7月発売の『世界ビールMAPS イラストで味わう80銘柄の図鑑』です。
目次
書籍情報
『世界ビールMAPS イラストで味わう80銘柄の図鑑』
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世界のビール醸造所をヨーロッパ、アフリカ、アジア、オセアニア、北アメリカ、中央アメリカ、南アメリカの7地域に分け、80の醸造所を紹介した一冊です。
各醸造所について、歴史や特徴、代表的なビール、所在地、料理とのペアリングなどが、豊富なイラストとともに掲載されています。
(引用:書店ビールの放課後・放課後舎 BASE店より)
著者:ジュール・ゴベール=テュルパン
アドリアン・グラン・シュミット
ビアンキ、シャルリー・ギャロス
監修:長谷川小二郎
訳 :ダコスタ吉村花子
発行:グラフィック社
B5変型・192ページ・定価2,800円(税別)
販売:書店ビールの放課後・放課後舎 BASE店
https://shasegawa.official.ec/items/148885521
Amazonなどオンライン書店のほか、全国の書店で発売中
上記、書店ビールの放課後・放課後舎 BASE店で購入すると、限定特典が付きます。
イラストだからこそ世界のビールが身近になる
本書は、各ブランド・銘柄を見開き2ページで紹介しています。
左ページでは「歩み」と「テイスティング」を中心に文章で解説し、右ページではボトルのイラストや醸造所の所在地、設立年、普段の情報ではあまり目にしない年間生産量や料理との理想的な組み合わせなどをまとめています。
文章量は多すぎず少なすぎず、気軽に読み進められる一方で、各国のビール文化や醸造所の歴史まで知ることができます。
特に醸造所所在地の地図に関しては、これまで「ベルギー」「ドイツ」というように国単位でしか見ていなかった醸造所が、「海沿いにあるんだ」「意外と地方都市なんだ」と、より具体的な場所としてイメージできました。旅好き、ビール好きの人なら、「いつか訪れてみたい」と思わせます。
海外から見た日本のビールを知るきっかけにも
読んでいて特に印象に残ったのが、日本のアサヒビールの紹介でした。
アサヒビールについて、「日本人が好む「辛口」とは、甘味は控えめで後味がさっぱりで、やや苦い。特に日本酒の一部に見られる風味、ボディーだ。」という視点で紹介されており、日本人とは少し違う角度からアサヒスーパードライが語られていました。
そのページを読んで思い出した出来事があります。
以前、旅行中にビールを飲みたい外国人旅行者と出会い、近くのビアバーへ案内したことがありました。ようやく到着して、その人が最初に口にした言葉は「アサヒかサッポロが飲みたい。」という一言。
クラフトビールを紹介したいという私の思いとは裏腹に、その人にとって日本といえばアサヒやサッポロだったのです。
本書はフランスで出版された作品を翻訳しているため、日本のビールも海外からの視点で紹介されています。このページを読んだとき、あの出来事が自然と思い出されました。
フランスのビールの情報充実しているのも魅力
本書ではフランスのビールも数多く掲載されています。
近年、フランスではクラフトビール醸造所が急増し、現在は約2,500軒と、日本の約1,000軒を大きく上回っています。人口は日本より少ない約7,000万人であることを考えると、その勢いは驚くべきものです。
日本ではまだフランスのビール情報に触れる機会は多くありません。その意味でも、本書はフランスそして、世界のビールを知るための貴重な資料になると感じました。
読んだら飲みたくなる
本書に掲載されているブランドの中には、日本でも比較的手に入りやすいものも少なくありません。
私も本を読み終えたあと、近所の大型スーパーを2軒巡ってみると9種類ほど見つけることができました。背景や歴史を知ってから飲む一杯は、いつもとは違った味わいに感じられます。
まさに「知識が味覚を補完する」という言葉を実感した瞬間でした。

本書に掲載の9種のビール
私が特に気になった4つのブルワリー
・(6)プラヤ(エストニア)
ブリュードッグで醸造技術を学んだブルワリー。幅広い銘柄があり、フォレストという地域とのつながりで造られたビールカテゴリーが興味深かった。
・(8)トゥ・オール(デンマーク)
ミッケラー創業者ミッケル・ボルグ・ビャウスのもとで技術を学んだことで知られるブルワリー。ゴーゼが代表銘柄と聞くと、期待が高まる。
・(23)コレフ(フランス)
フランス最古のマイクロブルワリー。カルダモンを使ったビールは興味がそそられる。
・(54)グレートリープ(中国)
中国クラフトビールを代表するブルワリー。市場が大きな中国において最大級に展開しているすごさ。花椒を使用したビールが紹介されており、その独創的な味わいが気になります。
ビール初心者から愛好家まで楽しめる一冊
本書は、ビール好き向けの旅のガイドブックのようなでもあります。
イラストが多く、文中の表現も初心者でも読みやすく、一方でビール文化や歴史、スタイルの背景まで学べるため、長年ビールを楽しんできた人にも新しい発見があります。
ページをめくるたびに「次はこの国のビールを飲んでみよう。」という気持ちにさせてくれる一冊でした。

出版イベント
監修を務めた長谷川小二郎さんによる出版記念のイベントを各地開催しています。
・7月20日(月祝)17:30~18:45
札幌 BUENO UENO(札幌市中央区南7西4プラザ74浅井ビル6階)
・8月 1日(土) 17:00~19:30
大阪 酒のレパード(大阪市北区大深町3-1グランフロント大阪 北館2階)
・8月 2日(日) 18:00~19:00
岐阜 BEER&CRAFT(岐阜市住ノ江町1-11)
〈詳細はこちらから〉
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