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レジェンドのレシピを次世代に繋ぐ【ヒロユキタンク・プロジェクト】とは

今回新たに始動した【ヒロユキタンク・プロジェクト】は、レジェンドブルワーと呼ばれる名匠たちのレシピや醸造技術を次世代へ受け継ぎ、長年培われてきた技術や知見を未来へつないでいくことを目的とした取り組みです。

このプロジェクトを発案したのは、2015年にホップ栽培のため京都与謝野へ移住し、11年にわたりホップ栽培を続けながら日本産ホップやビール文化の発展に携わってきた当会代表の藤原ヒロユキ。

なぜ今、このプロジェクトを立ち上げたのか。そして、この取り組みを通じて何を未来へつないでいこうとしているのか。
今回はJBJA事務局が藤原にインタビューを行い、プロジェクト立ち上げの背景や込めた想い、今後の展望について伺いました。

与謝野に500リットルの【ヒロユキタンク】 を設置

事務局「普段はいろいろお話しする機会はありますが、こうしてインタビューするのは初めてなので少し緊張しますね。笑
改めまして、本日はよろしくお願いします。さて、早速ですがこの度、【ヒロユキタンク・プロジェクト】という企画が始まったとのことですが、まずはどのようなプロジェクトなのか教えていただけますか?」
藤原ヒロユキ(以下、ヒロユキ)「京都与謝野の【ASOBI BEER BREWERY】【ヒロユキタンク】という500リットルのタンクを設置しました。そこに”レジェンド”と呼ばれるブルワー(醸造家)を招き、彼らが得意とするビールを仕込んでもらい、そのレシピと工程をnoteに公開しようというプロジェクトです」
*noteの【ASOBI BEER】で読むことができます。
第1話はこちらです。
なお、第1弾【与謝野の青鬼】は第6話まであります。

京都与謝野に設置された500リットルのヒロユキタンク。

レジェンドブルワーのレシピが埋もれたままになっている

事務局「このプロジェクトは、どのような思いで始められたのでしょうか?」
ヒロユキ「クラフトビールが日本に誕生して31年目になり、レジェンドと呼ばれるブルワー達が素晴らしいビールを醸し出してきました。しかし、そのレシピは、彼ら自身の頭の中や彼らの醸造所の中だけにとどまってしまっています。これは非常に残念なことだと感じています。レシピやテクニックが埋もれたままになっているです」

書き残すことで次世代に繋ぎたい

事務局「埋もれたままのレシピを書き残すことで、どのような効果があるのでしょうか?」
ヒロユキ「書き残すことで次世代につながると信じています。アメリカでは、シエラネバダのペールエールやストーンのIPAといった名品のレシピが「レシピ本」として出版されています」
事務局「レジェンドのビールをコピーできるということでしょうか?」
ヒロユキ「ミュージシャンが名曲をコピーすることで腕を上げ、そこからインスパイアされ、新しい名曲が誕生する。画学生が模写から学び自分自身の作風を築き上げる。そういう連鎖がビール界にも生まれてくると考えています。そのためにはまず基本を知る必要があると思います」

レジェンドビールのレシピを惜しげも無く公開

事務局「しかし、レシピを公開してしまうことは、レジェンドブルワーやそのブルワリーにっとって損失になりませんか?」
ヒロユキ「もちろん、無理強いはしていません。ですが、【ヒロユキタンク】のアイデアを何人かのレジェンドブルワーやブルワリーの経営者達に話したところ、皆さんとても協力的でした」
事務局「企業秘密を公開してしまうわけですよね……」
ヒロユキ「クラフトビール業界は、みんなで協力して大きくなっていこう。みんなで質の良いビールを造っていこう。という気持ちが強く、そのためには情報の開示や交換は開放的であるべきだと思う人が多いです」

第1弾はヤッホーブルーイングの【インドの青鬼】

事務局「第1回目はヤッホーブルーイングのもーりー(森田正文)さんでしたね。彼を選んだ理由はなんでしょうか?」
ヒロユキ「まずは、彼が日本を代表するレジェンドブルワーの1人であるということです。そして、モーリーはビール業界を牽引するリーダーだと感んじているからです」
事務局「ヤッホーブルーングの中でも【インドの青鬼】になったのはなぜでしょうか?」
ヒロユキ「ヤッホーブルーイングはよなよなエールで有名ですが、インドの青鬼も歴史に残る逸品だと感じています。最近はヘイジーIPAなどニュースクールなIPAの人気が高まっていますが、クラフトビールをメジャーに推し上げたのはオールドスクールとも言えるアメリカンIPAです。【インドの青鬼】はそんな『ザ・正統派アメリカンIPA』であり、このレシピはしっかりと継承していくべきものだからです」

ヤッホーブルーイングの【インドの青鬼】はアメリカンスタイルIPAの好例とも言える逸品。

ヤッホーブルーイングの製造部門統括ディレクター森田正文さん。ニックネームはもーりー。

リモート、リアルで仕込み、そしてリモート

事務局「プロジェクトは、どのような方法で進められたのでしょうか?」
ヒロユキ「まず始めに、もーりーから【インドの青鬼】のレシピをメールで送ってもらい、それを500リットルで造る分量に換算しました。まずは単純な割り算です。その後、その資料をもとに打ち合わせをしました」
事務局「その時、もーりーさんはどちらにいらっしゃたんでしょうか?」
ヒロユキ「もーりーは長野県佐久ですね」
事務局「打ち合わせはリモートでしょうか?」
ヒロユキ「おっしゃる通りです。その後、もーりーに与謝野町町まで来てもらい、500リットルのヒロユキタンクで仕込みを行いました」

京都与謝野での作業風景。

事務局「その後は?」
ヒロユキ「もーりーは佐久に戻り、その後は毎日午前と午後に糖度や温度、pHなどのデータをメッセンジャーでやりとりしました」

毎日、糖度、温度、pHが計られ記録されている。この資料もnoteで公開中。

トラブルシューティングまで公開

事務局「仕込みの後は順調に進みましたか?」
ヒロユキ「そう簡単には進みませんでした。具体的には、想定よりも発酵の進み具合が遅く、発酵が止まる事態が生じました」
事務局「それ、大丈夫だったんでしょうか?」
ヒロユキ「正直、かなりヤバかったです。その間、レジェンドブルワーのもーりーが常に的確なアドバイスを送ってくれ、なんとか完成品にたどり着きました。このやり取りはすべてnoteにアップしていますので、ご覧ください。かなり緊迫したやり取りで、読み物としても面白いと思います。笑」
事務局「それは、多くのブルワーにとって参考になりますね」
ヒロユキ「単に原料の品種や分量を公開するだけではなく、トラブルシューティングまで公開することが【ヒロユキタンク・プロジェクト】の意義だと思っています」
*トラブルシューティングのやり取りは、第5話第6話でご覧いただけます。
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ついに完成。与謝野の青鬼 feat.インドの青鬼

事務局「最終的にはどのようなビールができたのでしょうか?」
ヒロユキ「狙い通りのビールが仕上がりました。【ヒロユキタンク】には遠心分離機や濾過機が無いので、【インドの青鬼】よりも若干くすみがありますが、王道のアメリカンIPAに仕上がったと感じています」
事務局「それが【与謝野町の青鬼】ですね」
ヒロユキ「はい。正式名称は、インドの青鬼をフィーチャリングしたという気持ちを大切にした【与謝野の青鬼 feat.インドの青鬼】です」

藤原ヒロユキさんが描いた【与謝野の青鬼くん】のイラスト。可愛い青鬼?

事務局「飲んでみたいですね」
ヒロユキ「是非、お飲みください。数量の関係で瓶や缶での販売は行えず、すべてケグでの販売です。ベストビアジャパンでお買い求めいただけるので、飲食店お方、是非ともチェックしていただきたいですね」
事務局「馴染みのお店に【与謝野の青鬼】入れてくださいよ!とねだってみるのもいいですね」
ヒロユキ「それはありですね。笑」

※ご購入についての詳細はこちらをご覧ください。

第2弾も進行中

事務局「この【ヒロユキタンク・プロジェクト】は今後も続くのでしょうか?」
ヒロユキ「すでに第2弾を8月初頭に仕込むため、レジェンドブルワーを招待しています」
事務局「どなたのどんなビールでしょうか?」
ヒロユキ「それはお楽しみというところで。さらに、多くのレジェンドブルワーに声をかけていてなかには「自分はいつ行けば良い? 楽しみにしてるよ」というお声をいただいています」
事務局「それは非常に楽しみですね」
ヒロユキ「ご期待ください」

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※記事に掲載されている内容は取材当時の最新情報です。情報は取材先の都合で、予告なしに変更される場合がありますのでくれぐれも最新情報をご確認いただきますようお願い申し上げます。

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