[コラム]2017.12.17

美味しければOK! いろいろ試してペアリングを楽しもう

ペアリング佐藤翔平氏

ビールと料理をより美味しくする組み合わせ、ペアリング。正直、あまり得意ではありません。「もっと理解できたら素敵な時間を過ごせるのになぁ」と思っています。ならば「あの男に聞いてみよう」とペアリングを得意とするビアジャーナリスト佐藤翔平氏の元を訪ねました。

美味しければ正解! いろいろ試して楽しもう

「表現はきれいではないかもしれませんが、『浮気』です」

ペアリングについて聞くと思わぬ言葉が返ってきました。「ワインで主に使われるマリアージュという言葉は、ワインと料理を合わせたときに相乗効果が生まれることを前提に使われています。ビールはカジュアルな飲み物であることを前提で考えると、いろいろと組み合わせていいものと思っています。絶対にこのビールには、この料理が合わなくてはいけないというものはなくて良いと考えています。『いろいろな組み合わせができる』。それがペアリングではないでしょうか」とペアリングには合わせる自由があるといいます。

基礎理論として3つの「B&C」の法則(※1)がありますが、「結局は自分が美味しいと思った方が良いですよね。その正解に近づくための理論です。それ通りじゃないとダメとか、自分の味覚がずれているとか縛られなくていいと思います」と自分が美味しく感じ、楽しい時間を過ごせるようにすることが大事だと話します。

ペアリングについて話す佐藤氏。
佐藤氏の執筆記事はこちら(http://www.jbja.jp/archives/author/sato)から読めます

「普通に食べ飲みするときに最終的に『美味しいものをいただきたい』が目的ですから」と話を聞いていて、とても腑に落ちました。「いろいろ試してみよう!」とワクワクしてきました。

※1 ①Bithplace(誕生地)/Country(発祥国) その土地で愛されてきたビールと料理を合わせる ②Burnt(焦げ)/Color(色)ビールと料理の色を合わせる ③Balance(つり合い)/Combination(組み合わせ)味の相関関係で合わせる 【藤原ヒロユキ流ペアリングメゾット 藤原ヒロユキのBEER HAND BOOKより】

ビールありきで、料理を選ぶ!

では、ペアリングを楽しむポイントはあるのでしょうか。佐藤流を聞いてみました。「私はお店に入ったときに『今日はこのお店に来たから○○系のビールを飲もう』とは考えません。そのとき飲みたいビールを頼んで、これだったら何を合わせようかなという感じですね」と料理ありきではなく、飲みたいものに対して、どれを合わせてみるかという視点で選んでみると教えてくれました。

「もし迷ったら、「本能に聞く」のが一番です。それまでの経験や本人の嗜好性などを誰よりもよく知っていますから」とのこと。

ペアリングを意識して楽しみたいときは、「合わせる選択肢が多い方がより楽しいと思います。逆にIPAしか飲みたくないときや種類が多くて迷ってしまうときは、あえて少ないお店を選ぶのもいいと思います」とアドバイスします。

【池袋の風 佐藤氏おススメペアリング その1】
タンシチュー×バス ペールエール
シチューの甘味とペールエールの苦味が調和。あとに残らないので、次の一口が進みやすい。お肉と合わせると甘味、旨味が増す。パンと合わせるとビールの甘味をより感じやすくなる。

ビールは調味料としてとらえる!

「ヒントは料理だと思っています。親子丼を例にすると、どういう材料を使って、どの調味料をどのくらい使えば美味しくなるって、なんとなくイメージがあるのではないでしょうか。ビールも1つの調味料や材料だと思えばわかりやすくなると考えています。親子丼をつくってみたときに、『甘味が足りないなぁ』と感じたら甘味のあるビールを足してみると面白いと思いますし、たまねぎを使うので、炒めたたまねぎとより合いそうなのは『エールビールだよなぁ』という感じで試してみると良いと思います。日本酒だって、料理酒として使いますよね?」とヒントを教えてくれました。

「料理にしても生まれ育った地域によって、味付けも異なります。『この料理にはこのビールを合わせる』と決めつけるのではなく、自分の好きな味にどう近づけるかを考えると楽しくなります」

ビールも1つの調味料! 自分が美味しく感じるのには「何をプラスしていけばいいのか」と考えるとわかりやすいですね。

さらに「銘柄の特徴を知っておくとさらに合わせやすくなります」。確かに同じスタイルでも味わいは違うので、特徴を捉えていた方が料理を選びやすいですね。

【池袋の風 佐藤氏おススメペアリング その2】
フルーツバター×ベルビュークリーク
ビールの酸味がフルーツの甘味を強め、デザートのようになる。ビール、フルーツバターの順で合わせていくと調和していく。

マリアージュとは?

「感情的にいうならペアリングは『安心して食べられる組み合わせ』。マリアージュになると『感動する組み合わせ』。前者は想像内のもので、後者は想像外でしょうか。マリアージュはよく「第3のフレーバー」が現れると表現されます。料理を咀嚼したところにビールを流すと、その味わいの奥から料理の味や香りが戻ってくる。それがビールのそれと合わさって、単体同士では味わえない味わいが生まれる。普段音楽を聴くときのように各パートでなく、その「曲」全体に感動し聴けている状態がマリアージュだと考えています」とペアリングは「調和」、マリアージュは「融合」と別の味わいが生み出されるといいます。

「考えながら飲み合わせる」とペアリングは難しいイメージを抱いていましたが、「自分が美味しいと思う組み合わせでいい」、「ビールを1つの調味料として考え、自分がどんな味を欲しているのかを考えながら料理を合わせる」というポイントを聞き、気軽に試してみようと思いました。クリスマスやお正月も近く、いろいろな料理と合わせてみるいい時期だと思います。今年の年末年始はペアリングで楽しいビアタイムを送ってみてはいかがでしょうか。

◆佐藤翔平氏 プロフィール                           【普段の食卓でも当たり前に美味しいビールを選べる日本にしたい】
その為に、食事の中で楽しむビールとして「正しく、気取らず、実になる」ペアリング記事をメインに執筆中。加えて、飲食店勤務の傍らティスティングを行い、その記録は「2100」銘柄を超える(2017年12月現在)。
日本地ビール協会(JCBA)公認シニア・ビアジャッジ、及びジャパンビアソムリエ協会(JBSA)公認ビアソムリエ、日本ソムリエ協会(J.S.A.)公認ソムリエでもある。

◆取材協力 池袋の風

住所:〒171-0022 東京都豊島区南池袋3-16-10 サンライズ南池袋1F

電話:03-3988-7088

Homepage:http://www.kazetogenki.com/

Facebook:https://www.facebook.com/%E6%B1%A0%E8%A2%8B%E3%81%AE%E9%A2%A8-154323164591630/

営業時間:17:00~27:00(ラストオーダー26:00)

定休日:なし

アクセス:JR池袋駅 東口 徒歩6分

気の合う仲間同士で集まる時は、肩肘張らずに過ごせる「楽しい食事を!」という店主の思いが料理素材から酒の品揃え、内装まですべて詰まったお洒落なダイニング。想い出に残る結婚式二次会やバースデー・スポーツ観戦にも対応できる設備も完備している。

「樽生で7種類のビールを提供しています!」とのこと。【写真提供:池袋の風】

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05007木暮 亮

この記事を書いたひと

木暮 亮

ビアジャーナリスト

『日本にも美味しいビールがたくさんある!』をモットーに応援活動を行っている。実際に現地へ足を運び、ビールの味だけではなく、ブルワーのビールへの想いを聴き、伝えている。飲んだ日本のビールは2000種類以上。また、ビールイベントにてブルワリーのサポート活動にも積極的に参加し、ジャーナリストの立場以外からもビール業界を応援している。

当HPにて、「ブルワリーレポート」、「うちの逸品いかがですか?」、「Beerに惹かれたものたち」、「ビール誕生秘話」、「飲める!買える!酒屋さんを巡って」などを連載中。

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