[コラム,ブルワー]2018.3.2

SVBの未来予想図

 1月下旬にスプリングバレーブルワリー株式会社(以下SVB)の「2018年戦略及び新商品発表」があった。
要約すると
➀「新・SVB東京」(秋)
➁産学連携を通じた地域の盛り上げ
➂異業種コラボによる新・体験拠点の立ち上げ
という3本の柱があるのだが、「今後の発表を待て」、「今はアナウンスできない」などアウトラインがうすぼんやりと見える程度の内容だった。そこで、不肖川端が何の根拠もなく大胆に予測をしてみようと思う。

➀について
秋に店舗を数日休んで改装する。しかし提供するサービスは大幅に変わる。
・ペアリング体験の進化
・ビールの魅力、楽しさ体感プログラム
・新フェスや、新しいビールの文化提案
これらがキーワードとして挙げられている。
【予想その1】ペアリング体験を進化ということはペアリングセットメニューの販売が考えられるのではないか。今までの6種類のビールに6種類のフードを合わせたものとは違い、1つのビールに「美味しいけどなんだか違和感がある」というものと「これだよ、これ!」と膝を打つものとが同時に提供される。しかし、違和感を残したままにはせず、違和感フードにペアリングできるビールがミニサイズでついてくる。意図しないビールを飲んでもらうことで食わず嫌い的に飲んでもらっていなかったビールについての需要を掘り起こせる。
【予想その2】ビールの魅力、楽しさ体感について考えるとき、SVBにある巨大なタンクを忘れてはいけない。そう、VRでのビールづくり体験だ。実際に作ってもらうとなると呑兵衛が溢れている店内で行うことは危険が伴う。しかし、VRなら何とかなる。ゴーグルをつけてタンクを見るとタンクが透けて現在の液体がどうなっているのか見える。ぐつぐつと沸騰しているタンクに脇にはその工程が何であるかが音声と文字で解説される。そうやってできたビールを飲む、ということでビールに対して親しみや愛情を持ちやすくなる。
【予想その3】新しいビールの提案とはずばり、4月の法改正によるものだろう。フルーツを入れてもビールという表記ができるようになることで「フルーツビール」が正真正銘の解禁となるのだ。そのため、フルーツビールの提案が増え、収穫時期にはインフューザーというその場でフレーバーを付けられる装置を使って果物をその場で感じられるオリジナルのビールにして楽しむ。また、実際に果物を使って醸造したものとの比較が楽しめるようになるのではないか。産地や収穫時期などを調整すればほとんどの果物は同時提供可能なはずだ。それに伴い、現在はフレッシュホップフェストというイベントがあるが、新しくフレッシュフルーツフェストが開催されるのではないだろうか。

SVBマーケティングマネージャーの吉野さん。
才色兼備が服を着て歩いているような人だ。個人的にはこの方の大活躍も予想される。

➁について
産・学・官・農などの連携ということは発表されている。
【予想その4】与謝野町で行われているホップ栽培のコミュニティを町ぐるみから県を動かすレベルにまで発展させるのではないか。ホップ農家への就農支援やホップ収穫の体験学習の地として京都の中で知名度がより高くなるような取り組みが考えられる。

➂について
今年の夏に都心にオープンということ、次世代及び世界への発信を強化するということ、異業種コラボによる新・体験拠点の立ち上げということ以外は全く情報が開示されていない。
【予想その5】都心ということで考えると全く絞り切れないが、世界への発信ということを考えると、大使館の多い「赤坂・六本木」エリアが予想される。しかし、次世代ということを考えると「原宿」という可能性も捨てきれない。しかし、赤坂・六本木エリアは新規開店ラッシュともいうべき状況にあることを考えると原宿にオープンするのではないか。異業種とのコラボとは壁一面を巨大なスクリーンとしてあるときは海のなか、またあるときは森の中や宇宙、というようにITを駆使した店内となるのではないだろうか。

以上は全くの妄想というか予想に近い希望と言えるかもしれない。
現在、快進撃を続けているタップマルシェについても何らかの進展があるであろうと思われるし、4月26日にはすだちやカボスを使った新商品「サワーシトラス」でサワーを飲む層の取り込みを進めていくことも決まっている。SVBの今後の展開から目が離せない。

2018年戦略SVBキリンビールスプリングバレーブルワリー

※記事に掲載されている内容は取材当時の最新情報です。情報は取材先の都合で、予告なしに変更される場合がありますのでくれぐれも最新情報をご確認いただきますようお願い申し上げます。

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この記事を書いたひと

川端 ジェーン

ビアジャーナリスト

ベルギービールをこよなく愛しています。笑顔でビールを酌み交わせば世界平和は実現すると考えています。ビールが好きすぎてたまに他人と知人の境目がなくなってしまいます。ビールの美味しいお店で見ず知らずの人に話しかけていたら、それは私かもしれません。
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