[イベント]2018.9.13

東北と東京の距離を超えて。ハマボウフウのビールで一斉乾杯!

東京に、小さな東北があるのを知っていますか?

それは、赤坂にある「東北酒場 トレジオンポート」。
東北の旬を堪能できるお店で、店内のタップには東北のクラフトビールが繋がります。

その「東北酒場 トレジオンポート」にて、去る8/19(日)に行われた「鵜住居復興スタジアム完成記念 ビールで一斉乾杯!@赤坂トレジオンポート」に参加させて頂きました。

岩手県釜石市に、来年のラグビーワールドカップの会場となる鵜住居復興スタジアムが完成しました。その完成を祝う際に、東北各地と東京をオンラインで繋ぎ、同時刻にみんなで一斉に乾杯したい!というのがメインイベントとなるプロジェクトが発足し、クラウドファンディングを開始。無事成功を収めました。
そしてその乾杯の為に、このイベント限定のビール「宝印ビール」を、協力して醸造したのが盛岡のベアレン醸造所です。

この「宝印ビール」、ハマボウフウいう海藻が使用されているとても珍しいビールです。
釜石の海岸で自生していたハマボウフウを、震災により海に出る事が叶わなくなったおじいちゃん・おばあちゃん達が守りながら育て、それを地元の子どもたちが収穫。そして、ハマボウフウが育つ海岸の目の前であり、なおかつ完成したスタジアムの近くに立地する旅館、宝来館の女将さんである岩崎昭子さんが醸造所まで送り届け、仕込みに使用しました。

みんなで完成まで繋いだビールは、復興の中から完成まで辿りついた鵜住居復興スタジアムと重なります。

珍しいビールを参加者達は皆心待ちにしていた様子で、解禁されるや否や、我先にとグラスに注いでもらいます。その姿から、いかに楽しみにしていたかがよくわかりました。

このビールに関して、ベアレン醸造所の宮木マイスターに伺うことができました。

Q,ハマボウフウを使用した結果、宝印ビールにはどのような影響が?

A,ハマボウフウの風味や香り、苦味が、口に含んだ時にわずかに感じられ、ビールに良いアクセントを与えています。

Q,スタイルとしてカテゴライズするのであれば、何に近いのでしょうか?

A,ペールエールをベースとしてハーブビールに近いと思います。

とのこと!私も、わくわくしながら一杯頂きました。見た目はしっかりとした濁りの綺麗なオレンジ色です。喉の奥までスッと入ってくるとても飲みやすいビールでした。8月に飲むには最適な爽やかさで、苦味もそれほど強くなく、ジューシーなビールという印象を受けました。温度が少し落ち着くと、ハマボウフウ由来の香りでしょうか。植物の香りをほんのりと感じます。そのドリンカビリティにお代わり希望者続出でしたが、お店側が多めに用意していてくださったおかげで、皆心ゆくまで堪能した様子でした。

やさしく香る植物の香りは爽やかで、自然と穏やかな気持ちに。

 

赤坂に集ったゲストたちは、ベアレン醸造所を長く応援されている方、トレジオンの常連の方、ラグビーのコーチをされている方、私のようなビール好き、などなど。バラエティに富んだ面々でした。

東北に所縁のある方もない方も、集った理由はただ一つ。

「みんなで乾杯しよう」これに尽きると言えるほど、ビールの求心力を感じました。その証拠に、会場の至る所で一斉乾杯とは別に、小さな乾杯が幾度となく重ねられ、終始笑い声の絶えない賑やかなイベントでした。初対面同士の距離がぐっと縮まる光景から、ゲストたちが乾杯を心から楽しんでいることがわかります。

中継先と同じタイミングで一斉に乾杯!

 

地域から生まれたビールの価値の一つは、ビールを媒介とした人と人、人と地域を繋げる力です。気軽で庶民的な性格を持つビール。コミュニケーションツールとしてのビールのパワーは、まだまだ秘められたものがあるのではないでしょうか。

東京の小さな東北から、物理的距離を越えて、広大な東北の各地と乾杯をする。
新しい結びつきの在り方に、ビールが関われる可能性は無限大です。

 

なお、クラウドファンディング実施時に、別の紹介記事もございますので併せて御覧下さい。https://www.jbja.jp/archives/21880

トレジオンベアレン醸造所ラグビーワールドカップ岩手盛岡

※記事に掲載されている内容は取材当時の最新情報です。情報は取材先の都合で、予告なしに変更される場合がありますのでくれぐれも最新情報をご確認いただきますようお願い申し上げます。

(一社)日本ビアジャーナリスト協会 発信メディア一覧

ストップ!20歳未満者の飲酒・飲酒運転。お酒は楽しく適量で。
妊娠中・授乳期の飲酒はやめましょう。