[コラム]2019.1.21

【ビアライゼ】ドイツのケルンで、ケルシュを楽しもう!

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ビアライゼ、それは美味しいビールを求めて、日本や世界各地をめぐる旅。ビアライゼの楽しみ方の1つとして、ブルワリーやブリューパブ巡りがあります。筆者はビールを求め、ドイツやベルギーなど欧州をよく旅しています。2019年の初めにドイツを旅した際、訪れた都市の1つ、Köln(ケルン)にて、Kölsch(ケルシュ)をたっぷり楽しみました。その魅力をお伝えします。

ドイツの都市Köln(ケルン)

ケルンは、ドイツ西部Nordrhein-Westfalen(ノルトライン=ヴェストファーレン)州にある都市。ケルンの名称は旧く、一世紀頃のローマ植民都市コロニア・アグリッピネンシスより、コロニアが語源と言われています。現在は、約1,000万人の人口を擁するドイツ屈指の大都市です。ケルン中心部にはライン川が流れ、水運に恵まれています。そして、鉄道や道路を含めた交通の要所でもあります。ケルン中央駅近くには、ケルン大聖堂をはじめとした観光名所が多数あり、ドイツ西部の観光都市としても有名です。

(左)ケルン大聖堂、(右)ケルン中心部の地図、ライン川の西岸にケルン大聖堂など観光名所が多数ある

Kölsch(ケルシュ)

ケルシュ協約

ケルシュを名乗ることが出来るのは、「ケルシュ協約」に調印しているケルン近郊の醸造所のビールのみです。「ケルシュ協約」は、ケルシュの品質と伝統を守ることを目的として、1986年にケルシュの醸造家達が調印し、締結されました。この協約には16の条項(掟)があり、原産地や醸造に関する規定だけでなく、注ぐグラスの形状なども定められています。このグラスは、シュタンゲ(Stange)と呼ばれ、細い円柱状をしており、サイズも200mlという小さいものです。

参考:ケルン醸造所協会(Kölner Brauerei Verband E.V.)より、ケルシュ協約(Kölsch-Konvention)の16条項(掟) ※ドイツ語表記

ケルシュは、ケルンのどのお店でもシュタンゲで提供される

ケルシュの特徴

ケルシュは、上面発酵の酵母を、下面発酵の低い温度帯で醸造するビールです。外観は、透明感ある淡い黄金色、きめ細かい泡立ち。フルーティで華やかな香り。口に含むと、その風味が広がります。苦味は非常に弱く、銘柄によっては甘味や弱い酸味を感じます。後味はすっきりしており、喉越しはとても軽く、飲みやすいビールです。そのため、苦いビールが苦手な方でも、美味しく味わうことが出来るでしょう。

ケルシュは、銘柄によって味わいに差異があり、飲み比べることを推奨

ケルンで、ケルシュを楽しもう

飲むケルシュの銘柄・お店を決めよう

ケルシュは、ケルンのいたるところで飲むことが出来ます。お店での樽生の提供はもちろん、ボトルや缶でも販売されています。せっかくケルンで飲むのなら、お店で飲みましょう。ケルシュを手軽に味わうのであれば、交通アクセスも良く、観光スポットでもある、ケルン中央駅およびケルン大聖堂付近で、お店を探すことをおススメします。醸造所(元醸造所含む)、醸造所の直営店や老舗のビアレストランなど多数あるので、事前に調べておくとスムーズにお店を決められます。なお、どの醸造所のケルシュを飲めるかは、入口や看板付近など目立つところに掲載されており、それをもとに判断することも出来ます。

(左)ケルン大聖堂近くのFrüh Kölschの店舗、(右)ボトル販売される各醸造所のケルシュ、多くの銘柄が流通している

ご参考までに、代表的なケルシュの銘柄として、下記があります。

・Gaffel Kölsch(ガッフェル・ケルシュ)

・Dom Kölsch(ドーム・ケルシュ)

・Früh Kölsch(フリュー・ケルシュ)

・Sion Kölsch(ジオン・ケルシュ)

・Peters Kölsch(ペーター・ケルシュ)

・Päffgen Kölsch(ペフゲン・ケルシュ)

・Sünner Kölsch(ズュナー・ケルシュ)

・Reissdorf Kölsch(ライスドルフ・ケルシュ)

・Malzmühle Kölsch(マルツミューレ・ケルシュ)

・Schreckenskammer Kölsch(シュレッケンスカンマー・ケルシュ)

など

ケルシュを味わおう

1.入店

入店の際は、Guten Tag(グーテン・ターク=こんにちは)、Guten Abend(グーテン アーベント=こんばんは)、もしくは「Hallo(ハロー)」と挨拶します。入口付近にスタンディング席、奥にテーブル席がある店が多く、食事もあわせて楽しむのなら、テーブル席を推奨します。予約がある場合、店員に伝えて席へ案内してもらいます。予約がない場合、店員に一声かけましょう。店によって、「店員による案内」、もしくは「空いている席に座っていいよ」と言われ、自分で席を探して座る場合があります。

2.ケルシュをオーダーする

ケルンのビールと言えば、基本的にケルシュ。店員に「ビールを下さい(ドイツ語でBier bitte、発音はビアー ビッテ)」と言えば、ケルシュが来ます。この際、親指を立てて(ケルシュを1杯欲しいことを伝える)、オーダーすると良いでしょう。円柱状のグラスであるシュタンゲ(Stange)に注がれたケルシュは、クランツ(Kranz)と言う取っ手付きの円形のお盆で運ばれ、提供されます。ケルシュが来ましたら、さっそく味わいましょう。

(左)取っ手付きのお盆がクランツ(Kranz)、木樽にケルシュが入っている、(右)シュタンゲに注がれたケルシュ

3.ケルシュをおかわりする

シュタンゲが空になれば、新しいケルシュが提供されます。まるで、「わんこそば」の様に、延々とケルシュが提供される仕組みです。なお、店によっては「おかわりで良いか」を、確認してくれる場合があります。ケルシュ提供の際、コースターにペンで線が書かれます。この線の数が、ケルシュを飲んだ杯数を表します。

(左)2杯目に2本の線(黒線枠箇所)が書かれる(右)5杯目ごとに、これまでの4杯の横線に対して斜め線が書かれる

4.ケルシュを味わうのを終える

ケルシュを飲み終える場合は、シュタンゲの上にコースターを置きます。すると、店員が来て、コースターに書かれている線の数(飲んだ杯数)を元に、金額を計算をしてくれます。

ケルシュを飲み終える場合は、コースターを上に置く

5.支払い~店を出る。

基本的に、テーブルでの支払いです。金額は、コースターに直接書かれるか、レシートなどで伝えられます。提示された内容を確認し、店員に支払いを済ませましょう。その際は、サービスに応じて、チップを渡すと喜ばれます。そして、店を出るとき、Tschüss(チュース=カジュアルなさよなら)と挨拶しましょう。

ケルンで、ケルシュを飲む醍醐味

日本に輸入されているケルシュの銘柄もあるので、国内でケルシュを飲むことは出来ます。また、ケルシュ風ビールを醸造する国内のブルワリーもあります。しかし、ケルシュ発祥の地で、その伝統を守っている文化に触れ、フレッシュな状態のケルシュを飲むことが出来るのは、ドイツのケルンのみです。筆者は、この醍醐味は現地で飲むからこそ味わえるもの、だと考えます。そのため、ドイツを旅する際は、ケルンで、ケルシュを楽しむことをおススメします。

この記事が素敵なビールとの出逢いに役立てれば幸いです。

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田口 篤史(Atsushi Taguchi)

この記事を書いたひと

田口 篤史(Atsushi Taguchi)

ビアジャーナリスト/ビアライター

ビール大好き!ビールを求めドイツやベルギーを中心にヨーロッパをよく旅していました。
世界にも日本国内にも、素敵なビールはまだまだたくさんありますので、巡りたいところは尽きません。
ビールの素晴らしさ、楽しさを多くの人に伝えていきたいと思います。
Enjoy!Beer!

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