[イベント]2019.8.4

ホップ収穫体験を通して地域、社会、そして自然とつながる【イシノマキ・ファームでホップ収穫】

7月28日に「イシノマキホップ収穫体験&ランチビュッフェ」が開催されました。

一般法人社団イシノマキ・ファームでは、2017年から宮城県石巻市で地域の住人を巻き込んだホップの栽培を行っています。

圃場は2カ所、北上川に近い古戸沢と、海が眺められる白浜にあります。
今回は古戸沢の圃場での収穫です。
元は荒れた土地でしたが、開墾からすべて自分たちの手で行い、カスケード、センテニアル、マグナム、カイコガネの4種類のホップが栽培されています。

台風接近に伴い、開催が危ぶまれていましたが、当日の朝はピカピカの晴天。
スタッフ合わせて30名が参加しました。先ずは参加者みんなで輪になって自己紹介です。
ホップの栽培に興味を持つ長野県の農家ご夫婦や、震災ボランティアの繋がりで石巻に通っている方、遠野でホップの生産に携わっているベテラン、ビールが好きでもっと知りたい楽しみたいという親子、フレッシュホップを使いたいブルワー、みな集まった理由は様々です。

東日本大震災で荒れ果てた農地や、仮設住宅で地域との関係が薄くなってしまった住人を見かねた、精神保健福祉士の高橋由佳さん(写真右)やその仲間らによってイシノマキ・ファームはスタートしました

イシノマキ・ファームの代表を務める高橋さんから、説明を受けます。
良いビールになるホップの毬花は、人の背丈よりも高い場所のもの、3センチ以上で触ったときにカサカサしているもの、茶色に変色していないもの。
選別し丁寧に摘み取っていきます。

ホップの蔓が巻き付く棚の高さは約5メートル。脚立を立て人の手でひとつひとつ摘み取っていきます。今回はカスケードホップを収穫しました

試しにひとつ割ってみると、鮮やかなグリーンの毬花の付け根に黄色いパウダー状のものがぎっしりと。
ビールの苦みと香りのもとになるルプリンです。

ルプリンにはビールの苦味のもとになるフムロンなどの成分などが入っています。

これをもみほぐして、市販のビールに浮かべて飲んでみました。
今までに味わったことのない鮮やかな苦みと、爽快な香りがビールに加わり、参加者から拍手が起こりました。

生ホップのビールは圃場に来たからこそ味わえる贅沢な味です

スペシャルとして『巻風エール』に、今年のホップを入れてみました。
このビールは昨年この圃場で採れたホップを岩手県にあるいわて蔵ビールで運んで造ったものです。

ホップが採れた畑で、そのホップを使ったビールを飲むのは、何とも言えない満足感

ランチは、ビールを飲みながらのBBQビュッフェ。
イシノマキ・ファームではホップ以外にも農作物を少量多品種で栽培しています。
とれたてのズッキーニとトマトの味の濃いこと!
ソーセージは裏の雑木林で狩猟された鹿肉を使ったものです。

地元でとれたものを地元で頂く。命の循環が循環していることを感じます

さて、ホップは収穫された直後から、どんどん酸化が進みます。
そのため収穫後すぐにイシノマキ・ファームが運営するゲストハウス「Village AOYA」に運ばれ、2時間以内に真空パックし冷凍されます。

古民家ゲストハウス「Village AOYA」では、短期~長期滞在までシェア生活をしながら農業体験ができます

収穫されたホップは、今年もいわて蔵ビールに運ばれオリジナルビールに生まれ変わります。
数量限定で醸造所向けにホップの販売もしていますよ。お問い合わせはこちら

途中通り雨が降りだしたり、乗ってきた車がぬかるみにはまって動けなくなったりとハプニングも。
悲鳴に混ざって笑い声や歓声も起こる収穫体験会でした。
土に触れると元気になるというのは、本当のようです。

参加者みんなで車を押したり、トラクターに牽引してもらったり。仲間意識が芽生え、泥をかぶりながらも一丸となってハプニングを乗り越えました

イシノマキ・ファームは「農を通して地域、社会、そして自然とつながる」をコンセプトに活動をされています。
多くの地域住民を巻き込み、人びとが地域で循環できる仕組みができてきました。
現在では復興支援にとどまらず、地域外からの就農支援のための場を提供したり、収穫したホップで造ったクラフトビールを販売したり、地域活性化のために広く活動をされています。

次回は8月10日から11日にかけて、イシノマキ・ファームが管理する白浜ホップ圃場で『Ishinamaki BEER CAMP』が初開催されます。
ホップを摘み取り、温泉で汗を洗い流し、石巻の海と畑の恵みと共にビールを楽しみ、テントサイトもしくは古民家宿に一泊。夜はホップ越しに満天の星を眺めます。
お盆休みは、北上町の自然とそこで育ったビールと共にスタートしませんか?
石巻に暮らす人たちや、豊かな里の自然と繋がり、人間らしく生きる力を充電しましょう!

Ishinamaki BEER CAMP
■日時:
8月10日(土)~11日(日)
※詳細な集合時間、終了時間に関しては、お申込みフォームによる申し込み受付後に個別にご連絡させていただきます。
■参加費(夜・朝ご飯代、お風呂代込)※予定
大人10,000円
小学生〜未成年:5,000円
乳幼児:無料
■宿泊場所:
・イシノマキファームホップ圃場テントサイト
・Village AOYA(イシノマキファーム運営の古民家宿)
※別途、近隣の宿泊施設の情報提供は可能です。
ただし、お盆期間につき早くに満室になることが予想されるため、ご希望の方は、お早めにご自身でご予約いただく方が安心です◎
◆お申込み
必要事項をこちらのリンク先のお申し込みフォームにご記入の上、お申し込みください。
https://forms.gle/MfZ9xX8HJyoyGkre6

イベントページはこちら
https://www.facebook.com/events/2137853559646722/

【関連記事】
日本ビアジャーナリスト協会:一緒にホップを育てませんか? イシノマキ・ファームで百姓塾ホップコースを開講

フレッシュホップフェスト:ホップ栽培体験で大地のパワーをいただきます【イシノマキ・ファーム】

イシノマキ・ファーム石巻石巻市農業担い手センター

※記事に掲載されている内容は取材当時の最新情報です。情報は取材先の都合で、予告なしに変更される場合がありますのでくれぐれも最新情報をご確認いただきますようお願い申し上げます。

(一社)日本ビアジャーナリスト協会 発信メディア一覧

アバター画像

この記事を書いたひと

コウゴ アヤコ

ビアジャーナリスト

1978年東京生まれ。杏林大学保健学部卒業。看護師を経て、旅するビアジャーナリストに転身。旅とビールを組み合わせた「旅ール(タビール)」をライフワークに世界各国の醸造所や酒場を旅する。ドイツビールに惚れこみ1年半ドイツで生活したことも。

最近はキャンプとサウナにドハマり中。そこにもやはりビールは欠かせない。最高の「ビアキャンプ」&「ビアサウナ」を求めて、日本全国津々浦々旅をしている。

■執筆歴■
-海外生活情報誌ドイツニュースダイジェストで「旅ールのススメ」連載中
ビール小話 (ドイツニュースダイジェスト)2009~16年連載
-東海教育研究所かもめの本棚onlineにて「旅においしいビールあり」
-クラフトビールで乾杯!(日本トランスオーシャン航空機内誌Coralway2020年9.10月号特集)
-ビール王国(ワイン王国)
-ビールの図鑑・クラフトビールの図鑑(マイナビ)
-BRUTUS(マガジンハウス)
-an・an(マガジンハウス)
-CanCam(小学館)
-DIME(小学館)
-東京人(都市出版)
-るるぶキッチンmagazine 秋冬号(JTBパブリッシング)
など
■出演歴■
-アサデス。7(KBC九州朝日放送)
-KURASEEDS(J-WAVE81.3FM)
-食べて!歌って!まるごとユーロ!ドイツ語(NHKラジオ第2)
-トークイントーク(フレンズFM)
-売れ筋RANKING~クラフトビール(KTSライブニュース)
など

ストップ!20歳未満者の飲酒・飲酒運転。お酒は楽しく適量で。
妊娠中・授乳期の飲酒はやめましょう。